«前の日記(2006-03-19 [Sun]) 最新 次の日記(2006-03-24 [Fri])» 編集
サイコドクターあばれぶらり旅
あばれあばれて七年余
あばれつかれて撃ち果てて
風の吹くままぶらり旅
嗚呼サイコドクター何処へゆく

2006-03-21 [Tue]

SPIRIT Gg[ubN}[N

 実に懐かしいテイストの香港アクション映画であるこの映画を、「泣ける映画」として宣伝しているCM担当者の猛省をうながしたい。いったいどこで泣けばいいんだ。中華系の映画に英単語一語タイトルをつける悪しき風潮もそろそろ終わりにしてほしい。「方世玉」みたいに「霍元甲」でいいじゃん。もしくは昔の香港映画のように、「レジェンド・オブ・ラスト・ヒーロー」とか。

 「ドラゴン怒りの鉄拳」で、ブルース・リーが日本人に毒殺された師匠の復讐に立ち上がっていたけれど、この映画はその師匠の話(ただ、霍元甲の本当の死因は日本人による毒殺ではなかったようで、真実の霍元甲については「精武英雄」霍元甲死す!というページに詳しい)。また、同じく霍元甲の半生を描いた映画に『激突!キング・オブ・カンフー』(1982)という作品があり(未見)、こちらの監督は本作のアクション監督ユエン・ウーピン。

 

 さて、久しぶりに弁髪姿のリー・リンチェイ(この映画では「ジェット・リー」よりこの名前の方がふさわしい)が見たくて観に行ったのだけど、あまりにもひねりのない、ベタすぎる脚本にびっくり。いったい何十年前の脚本ですか。わかりやすすぎる反戦メッセージにもげんなり。アクションはさすがにユエン・ウーピンの振り付けで安心して見ていられるのだけれども、リーリンチェイももう40歳過ぎ。往年のキレは見られない。

 中盤で舞台が隠れ里みたいな村に移ると、小雪っぽい女性も出て来たりして、話はなんだか「ラスト・サムライ」そっくりに。いつ新政府軍が攻めてくるのかと思いました。さらに、後半では原田真人がラスト・サムライとそっくりの役で出て来る。(役柄的に)同一人物かと思ったよ。さすがに日本人による毒殺という後味の悪い結末は、ブルース・リーの時代には許されても、今では受け入れられないと思ったのか、日本人観客に対する配慮として高潔な武術家中村獅童を登場させているのだけど、この役柄も非常にベタ。もうステレオタイプな展開の嵐ともいうべき映画で、これを受け入れられるかどうかが評価の分かれ目だろう。

 日本版オリジナルのエンディングテーマ曲は病んだ雰囲気で、映画におそろしくそぐわないことこの上ない。オリジナル版では、ジェイ・チョウが、大ファンであるジェット・リーに直接頼まれ、喜び勇んで書き下ろした入魂の一曲だったそうで、これが聴けないのは残念だ。

 香港映画ファンでリー・リンチェイファンならぜひ観るべき。そうでない人には必要のない映画です(★★)。

Tags: 映画
本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
_ 某田 (2006-03-27 [Mon] 09:55)

不正確な情報です。香港側が「日本ではこのタイトルで<br>流通させてちょーだい」と決めるらしいです。<br><br>なぜかというと外国に出す中国映画は、、、、、だから<br>なのですが、、、の部分はとても言えません。<br><br>ちなみに元甲さんの流れを組む?拳法学校が中国のうちの近所?にありますが生徒がおりません。何故かというと、<br>えーと、それも、日本人には言えません。 なら書くな?

[]