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サイコドクターあばれぶらり旅
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風の吹くままぶらり旅
嗚呼サイコドクター何処へゆく

2006-03-01 [Wed]

島田清次郎と文章倶楽部 Gg[ubN}[N

 国会図書館で島清調査。まずは、同時代の作家が島田清次郎を小説として描いた作品、佐藤春夫「更生記」と正宗白鳥「来訪者」を閲覧。「更生記」は意外に長い作品だったので古本を買うとして、「来訪者」はごく短いので全編コピー。舟木芳江事件(陸軍少将の娘を誘拐監禁したとして告訴された事件)以降、文壇から干されて逼迫していた時期の島田清次郎が描かれていて興味深い。

 

 続いて新潮社で出していた「文章倶楽部」という雑誌を調べる。当時、新潮社は「新潮」と「文章倶楽部」という2つの文芸誌を出していたのだけれど、「文章倶楽部」の方が比較的若い読者向け。ぶっちゃけて言えば文壇ワナビ雑誌である。毎号毎号、文士の顔写真や生原稿の写真が載ってるし、「東京文士めぐり」と題して文士がどこに住んでどんな生活をしているか紹介するページもある(ストーカーとかいなかったのか)。しかも後半1/3は読者投稿ページ(この読者投稿がまたおかしいのだが、それはいずれ)。二十歳そこそこでデビューして、しかもデビュー作が大ベストセラーになった島田清次郎は、文壇ワナビたちにとっては憧れのアイドルだったわけである。

 さてこの「文章倶楽部」に島田清次郎は、いくつかの小説や随筆を寄せており、大正12年1月号には「鍬に倚れる人マークハム」という単行本未収録のエッセイが掲載されている。

 この文章は、アメリカを訪れ、マークハムという詩人(Edwin Markhamのこと)と会ったときのことを、例によって尊大な文体で書いたものなのだけれど、60歳過ぎのマークハムが「貴方が島田さんですか、大層お若い」とフレンドリーに手を差し出してきたときの島田清次郎の返答が凄い。もう凄すぎて感動するほど凄い。

 島田清次郎はこう言ったのである。

 

「肉体は若いが、精神は宇宙創生以来の伝統を持つてゐる……」

 

 これでこそ島田。

 私はますます島田が好きになりましたよ。

Tags: 島清
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ Inoue (2006-03-02 [Thu] 10:56)

島田清次郎の伝記「天才と狂人の間―島田清次郎の生涯」が、小学校の図書室にあって、読みふけった記憶があります。島田の「地上」とかいった小説は一冊も読んでないんですけど。<br> なんであんなマニアックな伝記が、「レンズマン」とか「タムマシン」とか「海底二万マイル」の横にあったのかはわからない。担当教諭の趣味だろうか?

_ viagra (2010-03-08 [Mon] 10:51)

この間も俊太郎の詩をお http://www.stlouisbusinesslist.com/business/5021837.htm?info=viagra viagra :-)

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