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サイコドクターあばれぶらり旅
あばれあばれて七年余
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風の吹くままぶらり旅
嗚呼サイコドクター何処へゆく

2006-03-09 [Thu]

島田清次郎ファンサイト開設 Gg[ubN}[N

 とうとう作ってしまいました、島清ファンサイト。タイトルは「精神界の帝王 島田清次郎 on the Net」。

 ただ問題は、島清の書いた作品より、他人が島清について書いた文章の方が圧倒的に面白いということ。「早春」「閃光雑記」みたいな断章は面白いのだけど、小説や随筆は今ひとつ。ある程度の長さの作品になると、翻刻したいと思えるようなものはあまりない。というわけで、今のところ作家についてのサイトでありながら、他人の文章ばかり翻刻しているという妙なサイトになってます。

 現在翻刻してある文章の中でのお薦めは、藤原英比古「狂人となつた島田清次郎君を精神病院の一室に訪ふ記」という文章。著者はマンガ家なので挿し絵入りなのだけど、島清の似顔絵が妙に現代的なタッチなのが面白い。驚いたのは、影のところにスクリーントーンらしきものを使っていること。大正時代にスクリーントーン(のようなもの)があったとは知りませんでしたよ。

 文章も軽妙でなかなか面白くて、特に、狂人だと思っていた島清から、正常であるはずの著者自身――そして島清を見せ物にしようとするジャーナリズム――の非常識さを鋭く指摘されて、立場がぐらぐらと揺らいでいるあたりが読みどころ。島清の振る舞いのおかしさを何度も強調しているのは、著者が自分の立場を守ろうとする必死さの現われのよう。著者がどこまで意図していたのかはわからないが、狂人と言われている島清と、彼を持ち上げて一気に突き落とした社会と、どちらが正常なのか、と問いかけているようにも読める。

Tags: 島清
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ りきさく (2006-03-10 [Fri] 09:18)

島田清次郎 on the net拝見しました。<br><br>藤原英比古のエッセイ:<br>「若い可愛い看護婦さんが受附にゐて、丁寧に応接室に案内してくれる。この看護婦さんが気に入つた。誰か自分の身寄のものが狂人になつて、この保養院に入院すればいゝになア、そしたら‥‥ヘヽ‥‥毎日来られるになアと思つた」<br>こいつ、別の意味でダメなのでは。

_ ホッタ (2006-03-10 [Fri] 19:18)

島清ファンサイト開設おめでとうございます。<br>さっそく興味深く読みました。<br><br>傲慢な自称芸術家は知り合いに何人もいましたが、島清ほどすさまじく、かつ悲劇的な人はいません。<br>その困ったちゃんぶりの大言壮語に笑い、その気の毒な晩年に涙します。<br>中山啓氏のエッセイも面白いのですが、この中で島清がしきりに怯えているのは恩人・生田長江がハンセン氏病を患っていたことですね。これは『地上』出版のころには知られていなかったのでしょうか。<br><br>今後も期待しています。<br>島清作品も『地上・第一部』以外の小説を読んでみたいですね。

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