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更新日: 2004/10/06


2004年 2月上旬

2004年2月1日(日)

[映画]タイムライン

 タイムトラベルものかと思ったら、これは「ビル映画」ですね。
 念のため解説しておくと、「ビル映画」とは、娯楽映画の一ジャンルで、「ビル・ゲイツ(に似た風貌のハイテク企業社長)がいろいろ悪事をはたらいていて、最後にひどい目に遭う映画」のこと。たとえば、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』、『ザ・インターネット』、『サベイランス/監視』などが代表的な「ビル映画」なのだが、私が今とっさに思いついたばかりの用語なので、もしかしたら知らない人もいるかもしれない。
 まあ、ビル映画なので、タイムトラベルものとしてはお話にならないほどずさん。居眠りしながら書いたとしか思えない散漫な脚本にはあきれ果てます。なんで、フランス語しかしゃべれないはずの娘が途中からいきなり英語しゃべりはじめて、通訳までしてしまうんですか。最初にちょっと触れられたきりの、ワームホールがなぜ14世紀フランスに通じているか、という謎はどうなったんですか。
 この物語でいちばん哀れなのは、行きたくないって言ってるのに「フランス語がわかる人が必要だから」とむりやり連れてかれて、いきなり殺されてしまうフランソワ君ですね。おまけに、その後通訳いなくてもなんとかなってるし。だいたい、イギリス軍が占領している町にフランス人連れてったらどうなるか、想像力が少しでもあればわかろうというものじゃないのか。
 こんなことなら、コニー・ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』を映画化した方がおもしろくなったんじゃないかなあ。あんまりスペクタクルのない暗い話になりそうだけど(★)。

ユニヴァーサル相撲協会Ver.0.20

 いろいろバグフィックス。セーブのところにもバグがあったので、前バージョンとはセーブデータの互換性はありません。

2004年2月2日(月)

メンバーホームページ終了のお知らせ

 もともと面倒くさがりなもので、何年も前にアット・ホームページへの移行のお薦めが来たにも関わらず移行しないままだらだらやってたら、ついに終了のお知らせが。どうやら、このアドレスは8月31日でなくなってしまうらしい。
 ということで、ようやく重い腰を上げてアット・ホームページに移転しました。新しいアドレスはこちら。旧アドレスでの更新はこれにて停止とし、今後は新しいサイトのみの更新となります。

ユニヴァーサル相撲協会Ver.0.30

 平成40年あたりで必ずエラーになるという致命的なバグを修正。あと、出身県をつけてみたのだけれど、平成4年の力士の出身地を全部調べる気力がなかったので、全部ランダムです。だから曙が青森県出身になったりしますがご容赦を。それから、ときどき外人力士や二世力士が出現します。

2004年2月5日(木)

デューンと老婦人

 山手線に乗っていたときのこと、向かいの席に、眼鏡をかけたおばあさんが座っていた。そのおばあさん、なにやら文庫本を熱心に読んでいる。文庫本にはカバーがかかってなくて、しかも背表紙はお馴染みのあの水色……。こ、これは、と思ってよく見ると、それはハヤカワ文庫SFの『デューン/公家ハルコンネン(1)』ではないか。
 デューンを読むおばあさん、という図が妙にミスマッチに感じられて、思わずじっくりと眺めてしまったのだけれど、読んでいる箇所は、もうすぐ1巻が終わるあたり。表紙は破れかけていて、カバーもかけないままに相当持ち歩いているようだ。いきなり『公家ハルコンネン』だけ読む、というのも考えにくいので、たぶん『公家アトレイデ』も、それからおそらくはオリジナルの『デューン』シリーズも読んでるのだろう。『デューン 砂の惑星』がハヤカワ文庫で出版されたのが1972年だから、もしかすると30年前からずっとこのシリーズを読み続けてきたのかもしれない。
 デューンを読む老婦人の姿は、凛としていて実にかっこいいのだった。私もいずれそうなりたいものだ。いや、私はどう転んでも老婦人にはなれそうにはないのだけれど、まあ心の持ちようとしてね。

タイム・ラビリンス

 何か新しいDVDは出ていないか、とHMVをうろうろしていたところ、キルスティン・ダンスト主演の『タイム・ラビリンス 時空の扉』というDVDを見つけた。どうもSFっぽいけれども聞いたことないなあ、と思ってパッケージを手に取ってみると、なんと「原作ジェーン・ヨーレン」と書いてあるではないですか。ジェイン・ヨーレンといえばファンタジーの人。で、タイトルがいかにも時間SFっぽい『タイム・ラビリンス』。うーん、あまりにもイメージに合わない。
 いったい何が原作なんだろう、と思って調べてみたのだけれど、どうも"The Devil's Arithmetic"というタイトルの(映画の原題も同じ)未訳のノヴェラらしい。世界幻想文学大賞とネビュラ賞の候補にもなっている。DVDは、この小説に惚れ込んだダスティン・ホフマンが製作総指揮を担当した1999年のTVムービーであるらしい。物語の内容は、現代の少女が1941年のポーランドにタイムスリップするという、どちらかというとタイムトラベルものというよりはホロコーストもののようだ。
 もしかすると意外な拾いものなのかもしれないけれど、結局購入はせず。ジェイン・ヨーレンのファンは一度観てみたらどうでしょう。ジェイン・ヨーレン作品で映像化されているのはこれだけみたいなので。

2004年2月7日(土)

[映画]ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

 先行で観ました。ちなみに原作は未読。
 いやあ、すばらしい。3時間20分という長尺なのだけれど、長大な物語の結末にふさわしい盛り上がり。戦闘シーンもすばらしいけれど、なんといってもサムの忠実な従者ぶりが感動的で、実はこの物語の真の主役はサムだったんじゃないかと思えるほど。指輪を葬る旅が終わったあとの描写にもたっぷり時間をとってあるのもうれしくて、特に旅の仲間が久しぶりに再会するシーン、懐かしのホビット庄への帰還シーンには、ぐっとくるものがありました。
 しかし、原作を読んでない観客にとっては、今ひとつ不親切に思えるところも多かったですね。だいたい、サルマンはいったいどうなったんですか(監督インタビューによれば「サルマンが観たいというファンの要求には、DVDで応えられる」だそうだけど)。クリストファー・リー好きなのになあ。あと、どうみても『スパイダー・パニック』みたいなホラー映画ノリな巨大グモのことを、サムもオーク一行もみんな「婆さん」と呼ぶのが謎。あれを見てとっさに「婆さん」という呼称が思い浮かぶ人はそうはいないと思うのだけれど、原作では婆さんっぽいのでしょうか(フロドとクモのシーンでは、30代以上の観客の9割が「志村、後ろ!」と心の中で呟いたに違いない)。それから、最後になんでフロドが西の国へ旅立たなきゃならないのかも、今ひとつよくわからなかったのですが、これも原作読めばわかるんでしょうか。
 それに、やはりアルウェンが出てくるところだけ物語の流れから浮いていたような気がしますね。物語の常道からすれば、アラゴルンとくっつくのは出番の多いエオウィンでしょ。今までほとんど出番もなくエピソードもろくに語られていないアルウェンが最後にいきなりでてきてアラゴルンと熱烈なキスをするというのはどうも解せませぬ。エオウィンがファラミアとくっついているようだったのも謎。そんな伏線全然なかったやん。
 しかし、映画しか観てない者からすれば、このスペクタクルな物語がですます体で訳されているなんて想像もできないですよ。やっぱり原作ちゃんと読まなきゃいかんかな。

2004年2月8日(日)

作り笑顔か本当の笑顔か?

 20人の笑顔の動画が出てくるので、作り笑顔か本当の笑顔かあてましょう、というサイト。イギリスのBBCテレビの企画らしく、最初に簡単なアンケートに答える必要があります。私は20問中15問正解でした。まあまあ?

ネクロノミコンテスト

 クトゥルー・クリスマスソングのCDも売ってるHPLHS(The H.P.Lovecraft Historical Society)で、今度は17世紀版ネクロノミコンを作ろう! という企画をやってます。飾り文字に木版画、魔術的な図版も入れた本格的なものを目指しているらしい。

2004年2月9日(月)

華麗なる誘拐

 西村京太郎が、まだ「トラベルミステリーの作家」じゃなかったころの秀作に『華麗なる誘拐』という作品がある。左文字進という探偵役が登場するシリーズの一作で、「日本国民全員を誘拐した。身代金五千億円を払え」と首相官邸を脅迫して、日本各地で無差別に人を殺していくという話なのだけれど、今にして思えば、これは「華麗」どころじゃなく、単なる無差別テロの話だ(もちろんそれだけの話ではなく、身代金奪取の方法にも意外性があるのだけれど)。逆に言えば、西村京太郎には先見の明があったということになるのかもしれない(西村京太郎の先見性、というと意外に思われる人も多いだろうけれど、これがけっこう捨てたものではなくて、たとえば『おお21世紀』でもなかなか鋭い未来予測をしている)。同じ左文字進シリーズには、『ゼロ計画を阻止せよ』、『盗まれた都市』など、バカミス的ともいえるスケールの大きな犯罪を描いた異色作が多くて、私は、西村作品の中ではこのシリーズがいちばん好きである(「名探偵」シリーズや『殺しの双曲線』も好きだけれど)。
 さて、その『華麗なる誘拐』が、このご時世に映画化されるらしい。昔はゲーム的に思えた設定も、今じゃ妙に現実味を帯びてしまってどうかな、と思うんだけれど。しかし、主演が内村光良で、タイトルが『恋人はスナイパー 劇場版』なのがなんとも。

ネットワーク・ベイビー

 なんとなく、昔のネット関係のドラマがもう一度見たくて仕方がない。後藤久美子主演の『空と海を越えて』とか、富田靖子主演の傑作『ネットワーク・ベイビー』とか。『ネットワーク・ベイビー』の脚本は一色伸幸。当時としてもかなり話題になったらしく単発ドラマとしては珍しくノヴェライズ本まで出ていたのだけれど、その著者田村章は、実は重松清の別名義だったらしい。検索してみて今初めて知りましたよ。


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Written by Haruki Kazano