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今日もまた、精神科薬広告アート集を更新。今回は、今まで手薄だった1990年代の広告を集めてみました。ちなみに、今まで集めた広告の中で、私のお気に入りは、セレネースの妄想3部作と、1970年のデリトン2作であります。
さて、そのアート集なのだけれど、Geisha asobi blog経由で、Boing Boingで取り上げられました。Boing Boingの記事は何度も取り上げたことがあるのだけれど、まさか当サイトがBoing Boingのネタになる日が来るとは思わなかったよ。そこでいちおう、海外の人が見に来ることを考えて、英語版も作ってみる。薬品名とか雑誌名を英語にしただけですが。
Boing Boing効果はすごいもので、なんだかよくわからない言語で書かれたブログにまでリンクされました。"japanilaiseen psykiatriataiteeseen"って、何語だいったい("japanilaiseen"でぐぐると".fi"のサイトばっかり出てくるので、フィンランド語なのかな?)。
ジョニー・デップ最高。
物語はほんとうにどうでもいいような話で、ご都合主義の嵐のような展開なのだけれど、そんなことは気にしない。この映画はジョニー・デップに尽きます。デップが演じるのは、何度となく投獄されたり無人島に置き去りにされたりしながらも、悪運の強さと口先だけでその都度再起を果たすという、実に情けなくも不敵な海賊ジャック・スパロウ(いや、「キャプテン・ジャック・スパロウ」だった)。もう、このキャラを演じるジョニー・デップを見るためだけでも、この映画を観る価値はあるというもの。ただ、ジョニー・デップがあまりに強烈なので、他のキャラが霞んでしまっているのだけど。
しかし、謎もいくつか(以下ネタバレなので、文字を隠します)。
どうして、ウィルの父の血には呪いを解く効果があるんだろう。ウィルに金貨を贈った、ということは、ウィルの父自身、呪われているのでは? そうすると、砲弾にくくりつけられて海に突き落とされても死んでなかったのではないか(とすると、ずっと海中で生きていて、ウィルが金貨に血を垂らした時点で死んだのかな)。うーむ、これはノヴェライズで確認するしかないか。
それから、エンドロールは最後まで席を立たずに観ること。映画を観るときの基本ですよ(★★★☆)。
ブッシュ大統領のアクション・フィギュア。
それならフセインのフィギュアも作って戦わせなければなあ、と思っていたら、ちゃんとあるようです。しかも、オサマ・ビン・ラディンのフィギュアまで。
家の近くに、庭木のうっそうと繁った古い家がある。つい最近、その家の表札に私の知っている名前が書かれていることに気づいた。毎日の通勤ルートからは少しはずれているので、何年もこのあたりに住んでいながら、最近まで全然気がつかなかったのだ。
乾信一郎
その脇には括弧つきで、本名らしき名前が。
初めてそれに気づいたときには、まじまじと表札を見つめてしまった。
乾信一郎といえば、戦前には「新青年」の編集長を務め、戦後はユーモア小説を書くとともに、地下鉄サムやクリスティなどの翻訳でも知られた人物。もしかしたら、『時計じかけのオレンジ』や『ロアルド・ダールの幽霊物語』など名作の訳文も、この家で生まれたのかもしれない。乾氏が亡くなったのは2000年だから、私がこのあたりに越してきた頃には、まだご存命だったことになる(この家に住んでいたとは限らないが)。全然気づかなかったよ。
いや、存命のうちに気づいていたとしても、こちらは単なるミステリ好きのはしくれであって、別にお会いしてする話があるわけでもないのだけれど、なんとなく惜しいことをしたような気分なのである。
フィンランドに続き、またもよくわからない言語のサイトにリンクされておりました。www.worstcasescenario.orgなる素敵な名前のブログが、"JAPANARAMA WEEKEND"という日本関係のヘンなサイトを集めた企画をやっていて、その中に入れていただいた次第。
当サイトの説明文はこんな感じ。
Psychiatrische kunst uit japan? ja nee, vind je het gek dat ze gestoord zijn daaro.
どうもオランダ語らしいのだけれど、いったい何と書いてあるんでしょうか。WorldLingoの機械翻訳では、
日本からの精神医学の芸術か。それらが妨げられたdaaro であることはい否、狂気見つける。
と出るのだけれど、さっぱり意味がわかりません。
しかし、オランダ人もドーモ君が好きなんですね。
そのJAPANARAMA WEEKENDからたどっていったサイト。こんな情けない音楽が流れるサイトが、オフィシャル忍者サイトだったなんて。「事実」の項目には目から鱗が落ちましたよ。
1.忍者は哺乳類です。
確かに。
フリスビーを使った切腹の仕方も実に馬鹿馬鹿しくていいです。
ステップ1 店か友達からフリスビーを手に入れて下さい。
ステップ2 フリスビーをきれいにして下さい。
ステップ3 親が周りにいないことを確認して下さい。
ステップ4 バターかクリームのような滑りをよくするものをフリスビーに塗って下さい。
ステップ5 ぐでんぐでんに酔っぱらって下さい。
ステップ6 フリスビーを固く折り重ねて下さい(ここは重要です)。
ステップ7 折り重ねたままのフリスビーを口の中に強く入れて下さい。
ステップ8 フリスビーが見えなくなるまで押し込んで下さい。
ステップ9 待って下さい。
ステップ10 死んで下さい。
どう考えても、それ切腹じゃないです。
を更新。一部の図像をカラー化するとともに、70年代のカラー広告を大量に追加。
なんで今までは白黒の広告ばっかりだったかというと、図書館に収蔵されている古い雑誌はきちんと製本されているのですが、製本の際に、表紙やカラー広告のページは捨てられてしまっているのです。まあ、普通の医者や研究者にとっては論文さえ読めればいいわけで、広告なんてのはいらない部分なのですね。
最近になってようやく、図書館の片隅で、製本されなかったダブり雑誌がうち捨てられているのを発見したので、何冊かくすねてきてカラーページをスキャンしてみました。
カラーになってもやっぱり印象に残るのは、セレネースの広告の絵のシュールさ。どうも、同じ製薬会社のデリトン、ノリトレンも同じ画家の絵のよう。いったいこれを描いたのは誰なのか気になります。
ローターは100〜300ナノメートル、軸はカーボンナノチューブ製で5〜10ナノメートルだとか。すごいな(Bruce Sterling's Schism Matrixより)。
中華フラッシュアニメがたくさん見られるサイト。正直言って玉石混淆、しかも石の方が遙かに多いのだけれど、おもしろい作品もときどきあります。
たとえば、「非典防治歌」。SARSのときのお医者さんや看護婦さんの活躍を描いているのだと思うのだけれど、医者はコーヒー飲んで休んでたり幼児プレイしてたりするばかり、看護婦もレモンパックしてたりと全然働いてるように見えません。
「妖言 第一章」は、全然何を言っているのかわからないのだけれど、色づかいがとても美しい。しかし、最後に登場する桜木花道はいったい何なのか謎。
SONY TERMINATORは、本当にソニーのCMなんだろうか。
タイトル通り「東京の朝食」を舞台にしたお笑いショートフィルム。朝からなんだかよくわからないものを飲み、筑紫哲也のニュース23を見ている謎の日本人家族。きちんとした日本語字幕やスタッフロールがついているところを見ると日本人が関わっているようなのだけれど、笑いが起きるどのポイントも、どこがおもしろいのかさっぱり理解できません。激しくカルチャーギャップを感じる一編。ニガァ?
Chindoguは、日本よりも海外で有名らしい。「珍道具チャンピオン」川上賢司氏(「おもしろ発明『珍道具』大博覧会」という本の著者らしい)へのインタビューまであります。
ドーモくん+ドニー・ダーコ。といっても、私は『ドニー・ダーコ』という映画を観ていないので、どのへんがドニー・ダーコなのかわからないのだけれど。せつない音楽が泣かせます。
宣伝コピーは「かつて本を愛したことのあるすべての人のための映画」。
1972年、18歳のマーク・モスコウィッツは、ニューヨーク・タイムズで絶賛されていたダウ・モスマンという作家の処女小説『夏の石』を買う。大の本好きだったモスコウィッツだが、そのときは最初の20ページまでしか読みすすめなかった。
そして25年後、モスコウィッツはその小説を再発見する。再びその本を読み始めた彼は、今度はその物語のあまりのおもしろさと独創性に魅了されてしまい、一気に最後まで読んでしまう。モスコウィッツは友だちにもその本を勧めようと思うが、本はすでに絶版。同じ作者の別の作品も探してみるが見つからない。ネットで検索してみても、作者についての記録は何一つ見つからず、しかも、その本を読んだことのある人はおろか、作者の名前を聞いたことのある人すら誰一人見つけることができなかった。
いったいなぜ『夏の石』は忘れ去られ、作者ダウ・モスマンはどこへ消えてしまったのか……そのミステリーを、マーク・モスコウィッツ自らが監督となって何年もの時間をかけて追いかけた「幻の作家を求めて」とでもいうべき長篇ドキュメンタリーがこの映画。
IMDBではかなりの高得点。しかも、この映画をきっかけに『夏の石』は復刊されたそうだ。
まさに本好きによる本好きのための映画。うーん、見たいぞ。見たいけど……こんな地味なドキュメンタリー映画、日本に来るかなあ。
掲示板で教えていただいたのだけど、"Stone Reader"については、すでに青山南さんが詳しく紹介しております。確かに青山さんが好んで取り上げそうな話題である。
ぼろぼろになったペーパーバックの『夏の石』をもってモスコヴィッツがあちこちさまようのが、どうやら、この映画である。だから、消えた作者の行方を追うかのようなミステリーの体裁をとりつつも、映画のポイントは、タイトル通り、熱狂的な読者であるモスコヴィッツのほうにある。本と読者はどういう関係を結んでしまうのかがモスコヴィッツの姿を通して印象的にあざやかに浮かびあがってくる、というのがあちこちの映画評に見られる感想だ。
ということは、文芸ミステリーというより、文学版『アインシュタインの脳』みたいな映画なんでしょうか。
自動販売機で伊藤園の「お〜いお茶」を買ったら、ボトルに小学生が詠んだこんな俳句が書いてあった。
しかられた犬が顔をなめまわす
字足らずはさておくとして、まあなんてことのない句である。しかし、私にはそれがこう読めた。
しかられた人が顔をなめまわす
小学生の俳句が一瞬にして猟奇と倒錯の世界に。
最近、BAKA BEYONDというバンドの"East to West"というアルバムをよく聴いてます。バカ・ビヨンド。日本語に訳せば「バカを超えて」……というわけではない。アフリカのカメルーンにバカ・ピグミーという部族がおりまして、その音楽に惚れこんだイギリス人が、スコットランドの女性ボーカリストやらアフリカのリズム隊やらを集めて作った多国籍バンドなのだ。叙情的なケルト音楽+ノリのいいアフリカ音楽の心地よさがなかなかいいのです。
しかし、バカ・ビヨンドという名前はなあ。このアルバムの最初に収められている7分の大曲のタイトルは「あわやバカ」……"Awaya Baka"だし、公式サイトはwww.baka.co.uk。バカづくし。
ところで関係ないんですが、www.baka.co.jpって何のサイトなんでしょうか。なんか掲示板が荒らされてるんですけど。ドメインサーチによると「有限会社バカ」だそうだけれどいったい……。
"video"のところから動画を見て下さい。名前は"Animaris Geneticus Ondula"と"Animaris Currens Ventosa"っていうんでしょうか。わしわしと足を動かして砂浜を歩く異形の構造体。静止画もすごい。これは実際に見てみたいものです。テオ・ヤンセンという彫刻家の作品だそうだ(日々是魚を蹴るより)
去年のSFセミナーの東浩紀部屋で、酔っぱらった浅暮さんが話していた「エルサレムが逃げ出す小説」がこれですね。申し訳ないのだけれど、浅暮さんの作品は私にはどうもぴんと来ないことが多く、残念ながらこの作品も同様だった。内容はともかくとして、気になった点がひとつ。
世界にとってイスラエルとは、エルサレムのことであり、それ以外は風船ガムに付いてきた野球カードにすぎない。エルサレム以外は、周辺諸国と同じ、ただの中近東の地べたであり、荒れ地であり、価値なき砂なのだ。
とあるのだけれど、野球カードつきの風船ガムにとって、重要なのは「野球カード」ではないのか。どうもこのへんに浅暮さんと私のズレがあるように思えるのである。