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「もともと日本語(ひらがな混じり)を中国語とみなして「中→日」変換をするというのはいささか強引なのではないだろうか」(しまりがなくていろいろだ)
確かにその通り。そこで、今度は人名をまず「日→中」変換し、続いて「中→日」変換してみてもとの名前と照合してみることにしました。これなら「翻訳」といえるはず。
まずは「風野春樹」→「風の野原の春の木」。爽やかなくらいにまっとうな訳であります。よし、これなら誰にも「強引」とは言わせない。
さて、作家やSF関係者の名前を片っ端から放り込んでみました。あえて元の名前は載せないので、誰の名前か当ててください。
「小林とタイの3」
「牧野は修理する」
「野尻は抱いて介在する」
「北野は勇敢に行う」
「恩田と6」
「浅い暮れの3文のお金」
「カルカヤの浩の大きな川」 これはちょっと難しいが、「大きな川」が「江」であることがわかれば簡単。
「方丁に突き進む」
「浩を飛んで盛んだ」
「秋山とめでたい人」
「Sakai3は守る」
「本当の司を放牧する」
「柏崎の玉のぶつかる美しい音はしようがなくお願いする」
「特別だの」 これは最難問。ヒントを出しておくと、「の」は名前の最後の「之」であります。
以下は脈絡のない断章であり、いかなるサイトや掲示板の意見への反応でもない。
一昨日のSF関係者名中国語変換、ほとんどはすぐに答えのわかる簡単な問題だったのだけれど、最後の「特別だの」には悩んだ人も多かったよう。答えは「殊能将之」でした。え、SFじゃなくてミステリじゃないかって? 細かいことは気にしない。
以下は長崎の幼児殺害事件とその報道に触発されて書かれた断章だが、必ずしも直接事件とは関連しない。
というものがあることを初めて知りました。数学オリンピックは有名だけれど、「高校生が化学の知識や実技を競う」化学オリンピックというものもあるらしい。それならば物理オリンピックに生物オリンピックもあるのか? と思ったら、やっぱりあるようだ。
医学オリンピックはないだろう、と思ったらこれもあるらしい。哲学オリンピックなんてのはさすがにないだろうなあ、と思っていたらこれもある。もしかすると、世の中にはあらゆる学問のオリンピックがあるのですか。そんなにみんな競うのが好きですか。
しかし哲学の優劣を競うというのはどうも違和感があります。第10回国際哲学オリンピアードのサイトによれば、「30名の参加高校生は、世界の四人の代表的哲学者(プラトン、サンタヤーナ、ヴィットゲンシュタイン、西田幾多郎)の文章から一つを選んで四時間かけて哲学エッセイを書き上げ」たそうなのだけれど……。私にゃとてもそんなもの書けませんわ。
以下は、鮎川潤『少年犯罪 ほんとうに多発化・凶悪化しているのか』(平凡社新書)からの引用(表現は一部変更しました)。
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昭和37年、神奈川県の私立高校1年生(15歳)が口論の果てに親しかった友人を殺害、ナイフで首を切り落とした。自分にも切りつけ被害者を装った。
昭和39年12月に逮捕された高校2年(17歳)の少年は、前年12月に小学6年生を後ろ手に縛り、下半身の一部を切り取り重傷を負わせて以来十数件通り魔を働いた。本で読んだイギリスの切り裂きジャックを模倣し、杉並区を中心とした東京都区内でおもに小学生男子の顔や首筋を切りつけていた。テレビで騒がれるのがうれしくなり、被害者や評論家宅に切り裂きジャックと名乗って脅迫状を送りつけたりしていた(この事件については杉並切り裂きジャックのサイトが詳しい)。
昭和49年3月、ラッシュ時の小倉駅でコインロッカーが爆発し5人が重軽傷。事前に警察署長宛の犯行予告状が「市内の中学生より」という差出人名で届けられていた。息子の行動が不審であると気づいた両親が警察に届け出、中学2年生(14歳)の主犯格の少年が逮捕された。
昭和52年1月、福島県で小学校2年生の女子が乱暴されて殺害された。犯人は上級生の小学6年生で、体力があり体重も50キロある生徒だった。彼は同級生にもわいせつな行為を強要したことがあった。
昭和54年10月、岡山県で6歳の女児がアパートの空き部屋で裸のまま殺されていた。これは、小学6年生がいたずらをしようとしたところ泣かれたため絞殺したもの。
昭和55年2月、大阪府で小学校6年生の少年が、菓子店のおばあちゃん(70歳)を馬乗りになって絞殺。金を盗んだのを見つかってとがめられたため。少年はこのおばあちゃんからかわいがってもらっており、店の手伝いをすることもあった。
昭和56年9月、宮崎県の中学3年生(15歳)が教師の車にダイナマイトを仕掛けて爆発させた。
というわけで、昔から凶悪な少年は山ほどいたし、12歳の殺人も別に前例のないものではないことがわかります。この本は、少年犯罪をめぐるイメージの嘘を考える上での必読書でしょう(しかし、「首を切り落とした高校生は、その後司法試験に合格し法曹界で活躍しているといわれる」と書かれているのには驚きました)。
……いずれにせよ小学生による殺人事件は確率的にこれからいつ起こっても不思議はないのである。問題はマスメディアがそれをどのように報道するかであり、その報道によって人々がどのような反応をするのかである。すなわち、どのような認識の枠組が提供されるのか、どのような情動が喚起されるのかである。
低学年、低年齢になればなるほど社会的規範を身につけていない。子どもの精神的特徴が自己中心性であることを考えてみさえすればよい。そのためにもし身体的かつ心理的な実行力さえともなうならば、極端に逸脱的な結果が小学生によって行われうることは十分に考えられる。その際、あたかもその事態が現在新たに発現してきた現象として捉えられるのか、あるいはそうではなく過去の事例がきちんと参照されて説明されるのかによって、いかなる対策がとられるかが決まってくる。(同書より)
ちなみに、「少年犯罪にも死刑を!」などという人がいますが、18歳未満への死刑または終身刑は、子どもの権利条約第37条で明確に禁じられてるので無理でしょう。条約を破棄して国際的な非難を浴びてもいいというなら別ですが。
「皇室を尊敬していくという我が党の基本的な姿勢と矛盾があるとみられないように、という政治的配慮からの判断だ」という菅代表の説明はまどろっこしくてさっぱりわからないのだけれど、祝日の名前が変わろうが、民主党が皇室を尊敬しようがしまいがそんなことはどうでもよろしい。この法案が成立すれば、5月4日が「国民の休日」から、祝日「みどりの日」に格上げされ、さらには振替休日の規定も変わるので、5月3日か4日が日曜と重なった場合にも、5月6日が振替休日になるのですよ。今年みたいながっかりゴールデンウィークがなくなるのですよ。ただそれだけの理由で、私はこの法案に賛成であります。
しかし「昭和の日」というあまりに後ろ向きなネーミングはどうかと思うのだけど。これもまた、秘密結社「イエスタデイ・ワンスモア」の陰謀でしょうか。あと50年くらいして昭和なんて時代誰も覚えてなくなっても「昭和の日」なんでしょうか。もうちょっと普遍性のある名前にしてもいいんじゃないかと思うんですが。
なんでも法案によれば、「昭和の日」の意義は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」だそうな。だったら明治維新に日清・日露戦争と大イベント目白押しだった明治だって激動の時代なんだから11月3日も「明治節」に戻せばいいのに、と思うのだけれどなあ。
ちなみに、「明治天皇の遺徳を仰ぐ」ために昭和2年に制定されたのが「明治節」。政治家というものは、ひとつの時代が終わって15年くらいすると、記念日を作りたくなってくる生き物なんでしょうか。
なお、祝日についてはこちらのサイトが詳しいです。これで「国民の休日」がなくなるのかとおもいきや、2009年には9月に「国民の休日」が出現するのだとか。幻の湖ロプ・ノールのような休日。
ということで、きのう書いた法律改正案が成立したようです(訂正・まだ内閣委員会で可決されただけで成立じゃなかった模様)。ただし、この法律によって現行より休日が一日増えるのは、5月4日が日曜日になる2008年が最初。2009年には5月3日が日曜日になるから、5月2日から6日までの5連休が実現(土曜日を休みとした場合)。しかも2009年には9月にも国民の休日が出現だ。
へえ、「『入院医療中心から地域生活中心へ』という方向を押し進めていく」(厚生労働省「精神保健福祉の改革に向けた今後の対策の方向」)とか言いながらこれですか。心神喪失者医療観察法は強行成立させたのに。なんか、言ってることとやってることが違いすぎます。
ノーコメント。
えー、記事によれば同性愛は単なる宣伝上の戦略で、ジュリアはボーイフレンドのパヴェルを伴って日本に来たそうな。私生活ではジュリアとレナの仲は完璧からはほど遠く、ふたりの関係は仕事上だけだとか。
あと、許可は下りなかったけれど、実は日本でのビデオ撮影は秘密裏に行われていた、とか書いてあります。
まあ、日本じゃ25歳未満は酒飲んじゃいけないとか言ってる記事なんで、どこまで本当だかわかりませんが。
むう、かつて「まちがっても芥川賞を獲る心配(?)はなさそうな作風である(これが獲ったらそれはまたすごい話だが)」なんて書いてしまったけれど、芥川賞ですか。これは我が不明を恥じるしか……というより、芥川賞って何なのか、もはやさっぱりわかりません。
日刊スポーツによれば、芥川賞をとった吉村萬壱氏の双子の弟は成人向け漫画家だそうな。いったい誰なのか、ものすごく気になります。知ってる方は教えてください。
まあ、おそらく校長先生にはあまりにも遠い世界の話なので抽象的にしか教えようがないのだろうけれど、たぶんそういう話は子どもたちの心にはほとんど届いていない。そういう抽象的なことじゃなくって、どういうことをしたらどのような危険があるのか、しっかり具体的に教えた方がいいと思うんだけど。子どもたちにとってはまったく他人事じゃないんだから、そういう話であれば、子どもたちも真剣になって聞くでしょうに。
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小沼丹ハァハァ……と書いている人を、どこかで見たことがあるけれど、渋いエッセイの名手として名前だけは知っていた小沼丹が、実際に美人探偵を主人公にしたミステリを書いてたとは知らなかった。しかも、この探偵、今で言うまさに萌えキャラ。探偵役のニシ・アズマ嬢は大学を出たての、A女学院の英語の先生。趣味は校舎の屋根裏の秘密の小部屋で昼寝をすること。しかし、ひとたび赤いフチのメガネをかければ、たぐいまれなる推理力を発揮する……というから、どこからどう見ても萌えキャラ。まさにニシ・アズマたんハァハァである。
今のキャラ小説ほど作者はキャラクターを描くことに拘泥してなくて、あざとさのない淡々とした筆致で物語が進んでいくのが好ましい。謎解き自体はたいしたことがないのだけれど、全編に漂うふんわりとしたシャボン玉のような浮遊感がなんともいい味を醸し出してます。
細井威男さんが検索技を駆使して調べてくださったところよると、吉村萬壱氏の双子の弟は、THE SEIJI氏という成人マンガ家だそうです。なるほどーD'Z SOFTのエロゲーの原画(シナリオも)とかも書いてた人なのですね。お、「吊」はやったことがある。
THE SEIJI氏の作品は読んだことがないのだけれど、確かに『クチュクチュバーン』も鬼畜エロゲーも、「人間性」なるフィクションをはぎとって、暴力と性の欲望を生々しく描いているという点では共通するものがあるような気がします。
実際に上演されたわけではないようです。
では行ってきます。