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今年はお留守番です。
久しぶりに両親と会食。母親が冬のソナタにはまっていて、食事中、ずっとヨン様の話ばっかりだったのには閉口。ブームになってるわりには周囲では見た人がいないと思っていたのだが、こういう人が見てたのか。
「韓流」ブームなるものにはほとんど興味はないのだが、誰かこの機に乗じて韓国SFとか韓国ファンタジーとかを訳してくれないものだろうか。韓国ではちょっと前にはファンタジーブームだったそうなので、ちょっと読んでみたいぞ。
ぼーっとしているうちに会期が終わってしまいそうだったので、仕事帰りに慌てて江戸川乱歩と大衆の20世紀展を見てきました。
乱歩展は去年も西武百貨店でやっていたけれど、今度の会場は西口の東武。そして、今回の最大の目玉は、ミステリファンなら誰もが憧れたであろう乱歩邸の土蔵公開であります。
東武百貨店での展示は、乱歩の通俗ものや少年ものが中心で、当時の時代や文化など広い視野から乱歩作品をとらえたもの。団子坂時代の乱歩の部屋とか、戦後間もないころの貸本屋とかが再現されていたりとけっこう大がかりな展示もあったりして、これで会期がわずか1週間というのはもったいなさすぎます。
笑ったのは、かつて私が「D坂の殺人事件」を初めて読んだときに、どんなだかわからなくて首をひねった「荒い棒縞の浴衣」が展示されていたこと。明智小五郎がこの浴衣を着ていて、それがあるトリックに関わってくるのだけれど……いくらなんでもあのトリックは無理がありますよ。まあ、乱歩も捨てトリックとして使っているのでいいのだけれど。
続いて10分ほど歩いていよいよお目当ての乱歩の土蔵見物。……と思ったら、まずは立教大学の講堂に案内され、そこで1時間近く待たされる。周囲は若い人ばっかり。しかも7割方は女性。予想に反して、オタクっぽい出で立ちの男性はほとんどいない。乱歩がこれほど若い女性に人気があったとは思わなかったよ。
土蔵を修復した立教大学制作の宣伝ビデオを4回くらいリピートしたあと、ようやく係員に案内されて乱歩邸へ。見学できるのは、乱歩邸の応接室と、土蔵の入り口だけとはいえ、かの有名な乱歩の土蔵を覗けるという体験は、実に感動的でした。資料の保護のため、土蔵内部はガラスごしにしか覗けないのだけれど、ディケンズやチェスタトンの原書、ヴィドック回想録(英語版か?)、和書ではチェーホフ全集やキルケゴール、犯罪学や変態性欲の本などが確認できました。
会期は明日まで(しかも明日は最終日なので5時まで)だけど、かつて乱歩の世界に楽しんだ経験のある人なら一見の価値はあります。これを逃したら、もう当分は一般公開されないだろうし。
を、ちょっとリニューアル。新たに戦前編を追加したほか、画像が増えてあまりに重くなったので、3部に分けました。
……と思ったら、「精神科広告ギャラリー」というアイディアの本家であり、ページのデザインをパクらせてもらったthe american gallery of psychiatric artがいつの間にか404になっているではないか! 日米の広告が比較できなくなってしまったのは残念。
7月22日の日記で、『アイ・ロボット』でスーザン・カルヴィン博士役を演じるブリジッド・モイナハンの
──物語の構想に影響を与えたアイザック・アシモフの著書を読みましたか?
■モナハン 撮影に入るまえに、監督からコピーを手渡されました。ただ、私には専門用語が多くて難しすぎました。
という発言を紹介したのだけれど、同じ記者会見での発言が、SFマガジン10月号では
撮影にあたって読んだアシモフの『われはロボット』は、「とても読みやすくて驚いた。ロボット3原則をはじめ、いまだに通用する発想がつまっているのがすごい」と語っていた。
となっている。どっちが正しいんだろうか?
それはともかく、『トリビアの泉』のオープニングでアイザック・アシモフの名前が出なくなって寂しいです。
ABC振興会より。
英国ガーディアン紙では、このたびSF特集が組まれておりまして、そこで実施されたのがこの調査。調査対象は、生物学者リチャード・ドーキンス氏、ハーバード大学の心理学者スティーブン・ピンカー氏、カリフォルニア大学の物理学者グレゴリイ・ベンフォード氏などなど、世界中の著名科学者56人。
そこで選ばれたSF映画ベストテンは以下の通り。
1. ブレード・ランナー(1982)
2. 2001年宇宙の旅 (1968)
3. スターウォーズ(1977)、スターウォーズ/帝国の逆襲(1980)
4. エイリアン(1979)
5. 惑星ソラリス(1972)
6. ターミネーター(1984)、ターミネーター2(1991)
7. 地球の静止する日(1951)
8. 宇宙戦争(1953)
9. マトリックス(1999)
10. 未知との遭遇(1977)
まあ、科学者じゃなくても選べそうなごく普通のベストテンといった感じで、特に意外性もないのだけれど、『スターウォーズ』『帝国の逆襲』がまとめられていて、『ジェダイの復讐』が入ってないのが謎。
これよりもっと興味深いのは、同時に行われた「科学者が選ぶSF作家ベストテン」の結果の方。
1. アイザック・アシモフ
2. ジョン・ウィンダム
3. フレッド・ホイル
4. フィリップ・K・ディック
5. H.G.ウェルズ
6. アーシュラ・ル・グイン
7. アーサー・C・クラーク
8. レイ・ブラッドベリ
9. フランク・ハーバート
10. スタニスワフ・レム
イギリスの新聞の調査だということを割り引いても、2位と3位はかなり意外。もっとハードSF作家が上位を占めるかと思ったら、そうでもないのね。
さて○ップエレキバンはどう出るか。