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更新日: 2004/10/06


2004年 3月下旬

2004年3月21日(日)

セドナ

 すっかり旬を過ぎてしまった話題だけれど、一時は「第10惑星?」と騒がれた小惑星セドナ。新聞記事には、

冥王星以降に見つかった太陽系の天体でこれまで最大だったのは、直径約1250キロの「クワーオワー」

 と書いてあったのだけれど、これを読んでちょっと混乱してしまった。なぜなら、今年の2月21日に、小惑星発見:めい王星に次ぐ大きさという記事を読んだばかりだったから。その記事には、

同グループが02年にカイパーベルトで見つけた直径約1300キロの小惑星クワオアーよりも大きく、太陽系内で見つかった天体としては1930年に発見されためい王星以来、最大

と書いてありまして、どうもこのとき発見された天体2004DW(直径1600キロくらいだとか)とセドナ(2003VB12)は別の天体らしい。そうすると、最初の記事は間違ってると思うんだけど、違うの?

第10惑星

 しかし、第10惑星といって何を思い浮かべるかで世代がわかるような。私は「ラーメタル」かな。ウィキペディアの「架空の惑星一覧」をみると、太陽系にもまだまだ未知の惑星がたくさんあるようです。

2004年3月25日(木)

なんか近来稀に

 忙しいです。たいへんな患者さんが何人か重なってしまい時間を取られる上に、土日も私用でいろいろと動かなければならず、映画すら観られません。うー、『ドッグヴィル』みたいのに。読みたい本もたくさんたまっているのに。

ブラック・ジャックによろしく 精神科編

 このマンガ自体はあんまり好きではないのだけど(主人公、無駄な熱意だけはあるくせに、頭悪いし、いくら研修医にしてもモノを知らなすぎるし)、精神科編が開幕したので一応この日記でも取り上げておきます。お、これで少なくとも週に1度はこの日記を更新するネタができたぞ。
 精神科病棟の描写自体は、まあ妥当なものでしょう。描き方はややあざとさを感じなくもないけれど、特に精神科を志望しているわけでもない研修医であれば、病棟にたむろする患者さんたちに得体の知れない怖さを感じて、話しかけられても何も答えられなくてもおかしくないでしょう。
 ただ、教授がなんか妙な陰謀巡らせてて、主人公の担当する患者がどうやら偽患者らしいのは少し疑問。がん編みたいに病者を正面から見据えるのではなく、なんだかトリッキーな手を使って描く話になりそうで、ちょっとがっかり。まあ、似たようなヘビーな話ばかり続いても飽きられるので、ここは全体の構成を考えて、あえて搦め手から攻めたのかもしれないけれど。
 ただし、これはあくまで1回目の感想でありまして、今後私の予想を超えた展開で「こころを病むということ」を描き、ひいては精神医療の問題点にまで切り込んでくれたら、惜しみなく拍手を送りたいと思いますが。

購入

『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』と『バットマン:キリングジョーク』を購入。2冊で6400円。アメコミは高いなあ。しかし、『リーグ・オブ……』には英語タイトルにしか巻数表示がないのだけれど、2巻も出してくれるんだろうか。まさか、これだけってことはないよね。

2004年3月26日(金)

信号

 家の近くの信号機が、新しいものに変わっておりました。新しい信号はよく見ると細かい発光ダイオードがびっしりと寄り集まっていて、じっと見つめていると、なんだかそれは、草間彌生のアートのようにも、コモリガエルの背中のようにも、そしてまた、かの蓮コラのようにも見えてきて、私は背中の当たりが粟立つのを感じたのでした。そういえば、これから日本全国の信号が次々にこのタイプに置き換わっていくらしい。そう思った瞬間、私はふいに、戦慄と恍惚の入り交じった異様の感情に襲われたのでありました。ひたひたと、人知れず日本を侵略しつつある蓮コラのつぶつぶ。日本全土を覆い尽くす草間アート。異形のヴィジョンに囚われた私は、信号が青になったのも忘れ、しばらくの間歩道に立ちつくしていたのでありました。

2004年3月27日(土)

[映画]アンデッド

 新宿のむちゃくちゃ狭い映画館ピカデリー4にて鑑賞。オーストラリアの新鋭監督スピエリッグ兄弟が撮ったゾンビ映画である。『28日後……』に近日公開の『ドーン・オブ・ザ・デッド』と、なんだか最近ゾンビ映画が妙に多いような気がするのだけれど、もしかしたらブームなんだろうか。
 空から隕石が降ってきて、小さな街の住人が次々にゾンビになっていく……という、まあ典型的ゾンビ映画であるのだけれど、これが実にひねくれた展開で、妙にSF者の琴線に触れるところがある映画である。だいたい、無表情なヒーロー、マリオンからしてヘン。ゾンビとの銃撃戦のさなか、突然宙返りしたりして、二丁拳銃やら三連散弾銃やらを駆使した華麗なガンアクションでゾンビを倒すのだ。いや、こういアクションがやりたかったってのはわかるんだけどね。回想シーンでは、マリオンがボートで釣りをしてたら隕石が降ってきて、釣った魚がゾンビ化して襲ってくる。殺人魚フライングキラーですか。
 戸外には酸性雨が降っていて、外を歩くと服が煙を出して溶けていくので雨を浴びたらすぐに服を脱いで水をかぶらなければならない、という設定も実にわかりやすくてよい。この設定のおかげで、登場人物は次々と服を脱ぎ捨てていき、ヒロインを含めた登場人物全員の露出度がだんだん上がってくるのだ。そんな雨を素肌に浴びたらひどいことになりそうだが、なぜか肌は無事なあたりも実にわかりやすい(ヒロインは下着になるだけだが、マリオンに至っては全裸になってしまう。全裸のヒーローがどこにいますか)。
 チープで、しかし気合いの入った、『死霊のはらわた』を思わせるゾンビ映画の佳作……と、途中まではそう思って観ていたのだけれど、いきなり超巨大建造物が登場してからの予想を裏切る展開にはただ茫然。いやあ、SFだねえ、SF。私はちょっと浦浜圭一郎の『DOMESDAY』を思い出しました。


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Written by Haruki Kazano