読 | 冊 |
日 | 記 |
しがない地方局のレポーター(かなり性格悪し)が、神の力を手に入れて好き放題やらかすという、ジム・キャリー主演のコメディ。ジム・キャリーは相変わらずのオーバーアクションで見てて疲れます。しかし主人公、性格悪いわりに、神の力を手に入れたはいいものの、お前子供か、とツッコミを入れたくなるほどたわいないことにしか使いませんね。私ならもっとあんなことやこんなことやらいろいろとやるんだけど……。
まあ、そのあたりの毒のある展開や、宗教がらみの危ないギャグを一切排除しているあたり(この映画の中じゃ、キリスト教的な神の存在は自明であり、他の宗教は一切存在しないのだ)、たとえばファレリー兄弟のコメディなどと比べるとどうしても物足りなさを感じてしまうのだけれど、先の読める展開の末に予想通りのエンディング、誰もがひととき現実を忘れ、安心して笑って泣けるという爽やかさが、ウェルメイドなアメリカン・コメディの伝統というものなんでしょう。これはこれで、悪くはないのだけれど、私としてはせっかくジム・キャリーが出てるんだから、もう一暴れしてほしかった。
しかし、モーガン・フリーマン、『ディープ・インパクト』では大統領を演じたかと思ったら、今度は神ですか。でも考えてみれば、今、神を演じられる俳優というのはモーガン・フリーマン以外いないかも(★★★)。
以前、「風流」という俳句自動作成ソフトを作ったことがあるという話は書いたことがあるのだけれど、実はその後にもたったひとつだけプログラムを作った。それは「大相撲シミュレーション」とでもいう代物。「風流」はQuick BASICで書いたのに対し、今度は気合いを入れてC言語で書いた。私が作ったまともなプログラムは、あとにも先にも「風流」とこの大相撲シミュレーションだけである。
ただこのプログラム、「風流」とは違って公開はしなかった。もともとはゲームにするつもりで修正に修正を繰り返し、だらだらと制作しているうちにいつしかMS-DOSの時代が終わってしまい、かといってWindowsプログラミングは自分には敷居が高すぎたせいもあるのだけれど、いったい自分以外に誰がこんなものを面白がるのかわからなかったためでもある。
別に土俵のグラフィックが表示されるわけでもない。取り組みを見ることもできない。ただただ淡々と、データと乱数にもとづいて十両以上の全力士の取り組み表とその結果が表示され、優勝力士と三賞が決まり、場所後にはそれによって番付が上下する。歳を取ればベテラン力士は力が衰えてきて引退して親方になり、若い力士が自動的に作成されて下から上がってくる。それを延々と、何百年もの間続けられるのである。もともと初期データとして、現実の番付表と力士データが入っているのだけれど、当然ながら実在の力士はやがて全員引退し、聞いたこともない名前の力士たち(名前は"旭"、"貴"、"羽黒"、"花"などのパーツからそれっぽい名前が無限に作られる)が優勝争いを繰り広げることになる。
プレイヤーにできるのは、スペースキーで時間を進めることと、各力士のデータや番付表、各種データ、それと連勝回数や連続勝越、幕内在位場所数、最年少横綱などなど各種ランキングを見ることだけ。相撲に影響を及ぼす操作は何もできない(ただひとつだけ、ズルをしてドーピングする方法はあるのだけれど)。でも、力士のデータはただの数値だけであるにもかかわらず、何百年もの間には、ときには60連勝もするような大横綱が現れたり、何度も優勝しているのに横綱に上がれないまま引退してしまう不運な大関が登場したりもする。2回も大関から陥落しながらついに横綱に昇進した苦労人もいるし、大関陥落後も平幕で相撲を取り続け、幕内出場回数の新記録を打ち立てる力士もいる。瞬く間に番付を駆け上がって横綱に上り詰めた天才力士が、怪我のせいで26歳の若さで引退してしまうこともある。幕内下位あたりを低迷している一人の力士だけに注目して見ていくのもおもしろい。味も素っ気もない淡々としたテキストだけのシミュレーションではあるのだけれど、こちらの関心の持ち方しだいでさまざまなドラマが生み出される……というわけ。
いわば、ロバート・クーヴァーの「ユニヴァーサル野球協会」の相撲版、「ユニヴァーサル相撲協会」とでもいうべきプログラム。ただ、脳内だけで架空の相撲を楽しむという行為には、なんともいえぬ不健康さ、淫靡さがつきまとうわけで、公開をためらったのもそのせいかもしれない。しかしその淫靡さゆえにやみつきになることも確かで、いろいろ不自然なところやバグもあるものの、いまだにこのプログラム、私のVAIO上で(98エミュレータとともに)現役である。
さて今は平成842年春場所、26歳の横綱北海峰が2場所ぶり6回目の優勝を決めたところ……。
日本版はまだ見たことがないのだけれど、オリジナル版(の吹き替え版)なら、何年か前に体験したことがあります。そのとき感想として、
ただ、精神分裂病の場合、こんなふうな幻視を訴える患者さんってのはあんまり見たことないなあ。実際の患者さんの証言をもとにして作られたものなのだそうだけれど、複数の患者の体験をひとつにまとめたせいか、なんだかリアリティがなくなってるような気もする。
と書いたけれど、実際、
「統合失調症の症状としてはむしろ稀である視覚の異常体験が強調されすぎており、誤解を生みかねない」といった懸念も、一方には存在しており、1年前よりプログラムの全面更新が検討されていたものです。
だそうで、日本版では内容が変わってるそうですね。機会があればぜひ日本版も体験してみたいものです。
体中につけたクラクションで音楽を奏でます。名人芸ですなあ。
なんだかものすごく面白そうだ。
1930〜40年代のニューヨーク、編隊を組んで襲いかかる宮崎アニメ風のロボットの群れに謎の飛行物体。危うしニューヨーク。そこにプロペラ機を駆って颯爽と現れる我らがヒーロー“スカイ・キャプテン”(ジュード・ロウ)。麗しき新聞記者のヒロイン(グウィネス・パルトロウ)に、怪しいアイパッチの女将校(アンジェリーナ・ジョリー)! 「ラピュタ」+「紅の豚」というかなんというか。日本アニメの感性にひどく近いものを感じます(公式サイト)。監督・脚本はケリー・コンランという人らしいが、これが初監督作らしくまったく情報なし。
SF映画の佳作『ピッチブラック』の続編で、再びヴィン・ディーゼルがリディックを演じる"The Chronicles Of Riddick"もちょっと楽しみ。まあ間違いなくB級SF映画なんだろうけど。