5月10日(日)
体調は相変わらず最悪。口内炎は痛いし頭痛はするし、何もする気が起きない。一日中ほとんど寝てすごし、夜9時から日曜洋画劇場の『フォーエバー・ヤング』を見る。
ときは1939年、空軍パイロットの主人公(メル・ギブスン)には結婚を誓った恋人がいる。しかし、あるとき突然、恋人が難病にかかり昏睡状態に! 悲嘆に暮れた主人公は友人が行っている冷凍睡眠の実験に志願する。そして50年の月日が流れた……。
★以下、『フォーエバー・ヤング』のネタをバラすので未見の方は注意。
主人公が目覚めてみると、自分のことなど誰も知らず、実験のことなど誰も覚えていないという浦島太郎状態。唯一自分の身元を証明してくれる友人を探していろいろと苦労を重ねる、というのが映画の大筋。結末近くになってようやく発見したのは友人の娘で、友人は主人公が冬眠に入ってすぐに死んでしまったという。ああ、もう望みはないのか、と主人公は友人の実験室で見つけた恋人の昔の写真を眺めて呆然とするばかり。そのとき、友人の娘が衝撃の発言。主人公の恋人はまだ生きているというのだ。
恋人は主人公の冬眠後、一度結婚したが夫に死に別れ、今は一人暮しだという。古い飛行機を盗んで恋人の住む家に向かう主人公。その間にも、冷凍睡眠の副作用(?)で、急激な老化が主人公を襲う。飛行機は海沿いの一軒家にたどりつき、今はすっかり老人の姿になった主人公は、年老いた恋人と抱きしめ合う。ああ、感動のエンディング……。
おい、待たんかい。これって、そもそも主人公が早とちりしなければ何も問題なかった話なのでは?
5月9日(土)
スーパーチャンネルの
『ディープ・スペース・ナイン』は今日で第3シーズン終了。さあ来週からは第4シーズン、シスコ大佐がスキンヘッドで怖くなり、ウォーフも登場してミリタリー色がますます強くなる……と思ったら、今週で終わりかい!
我孫子武丸さんも驚いたというプレステ用女の子育成ゲーム
『プリズム・コート』をやってみる。マニュアルを見た途端、我孫子さんがどこに驚いたかわかって大笑い。主人公は高校のバレー部コーチとなって、6人のメンバーを育成するのだが、その名前が京極ナツキ、辻真琴、高村香純、岡嶋あかり、笹沢早苗、宗田理央という具合(笑)。なぜに笹沢。顧問の先生は中西智里。保健の黒崎縁先生というのも登場する。かなりマニアックである。
都大会に進むと、ライバルとして十角館高校の西村京子(通称お京)なるキャラが登場。なかなか怪しげな高校である。孤島に建っていて、生徒はみんなニックネームで呼び合ってでもいるのだろうか。
その後も斉藤栄江、二階堂麗奈、歌野晶、司有紀、鮎川こずえ(これもすごいネーミングだ)といったライバルたちが登場するらしい。どういう基準で選ばれているのか、少々人選に納得がいかないところもあるが、そうそうたるメンバーである。
しかし、これだけミステリ作家の名前が登場しているというのに、斜め屋敷の御大はどうしたのだろう、と思ったら、プレイヤーの住むアパートの名前が
「島田荘」だったのであった(笑)。
ゲームとミステリーといえば、
『WHITE ALBUM』にもミステリーネタが登場する。主人公の友達がミステリーマニアという設定で、黄金期のミステリをよく読んでいるとかペリー・メイスンがどうとかという台詞が出てくるだけで、内容的にはさほど濃いネタは出てこないのだが、このゲームの脚本を書いているスタッフの名前が「原田宇陀児」というのだ。
CD-ROM内に収められているあとがきには、「三角形の第四辺」といった表現もあったりして、この脚本家、かなりのマニアのように見うけられるのだが、その割りにはゲームの中にはそれほど濃いネタがないのが残念。
5月8日(金)
今日は休まず病院に行かねば、と書くとなんだか誤解を招くが、これは仕事に行かねばということ。先週2日も休んだのだから、また休むわけにもいくまい。この病院に来てまだ1ヶ月もたっていないのに3日も休むのはやっぱりまずいだろう。
とは思ったものの、朝起きてみると、体温38.7℃。ふらふらである。これでは仕事は無理だ。病院に病休の連絡を入れ、結局今日も休むことに。いや、己れの肉体の弱さが情けない。
午前中は38度台の熱が続いていたものの、妻が作ってくれたはちみつ入りの生姜汁を飲んだところ、汗が吹き出てきて熱が下がり始めた。生姜汁、けっこう効くものである。妻よありがとう。
この文章を書いている5月9日10時の時点では、体温は36.8℃にまで下がっているのだが、実は、高熱が出ている最中にもこの日記を書こうとしてみたのである。
「熱に浮かされたような文章」というのを実践してみようと思ったからだ。しかし、書こうと思っても、とても書く元気もなければ書く文章も思い浮かばない。頭が働かずにキーボードを前にして何分もぼーっと座っているような状態。気分を変えて人の日記でも読もうと思っても、読む気すら起こらない。
どうも、本当に熱が出ているときというのは、文章など書けないもののようだ。熱に浮かされているからといって、「熱に浮かされたような文章」が書けるわけではないのである。
うまくすれば
『赤い右手』が書けると思ったのにな。残念である。
5月7日(木)
きのうの歯医者で削りかすだらけの唾液を全部飲みこみ胃の辺りが気持ち悪くなっていたせいか、それともゲームにはまって寝不足が続いていたせいか、はたまた気温が一日おきに5度以上も上下する不安定な気候のせいか、夜になってまたも39.7℃まで熱が上がってしまい寝込むはめに。2週連続とはまたついていない。
ここまで風邪をこじらせたのは久しぶり。まあ、小学生のころには、半年に一度は一週間くらい学校を休んでいたものだけど。私は小児喘息だったのである。
喘息というのは、簡単に言ってしまえば呼吸がしにくくなる病気である。呼吸をすると、息を吐くときにぜーぜーとなんだか機械的な音がする。少し歩いたり運動するだけでも、ごほごほと発作のような咳が出る。そのころの私は、持久走ではいつもビリだった。今思えばそれは別に私に持久力が欠けていたからではなく、少し走ると喘息のせいで呼吸困難になってくるせいだったのだろう。体調がいいときですら、少し走れば喘息が出てきてしまうのだった。
喘息がひどいときには学校を1週間くらい休んだ。喘息というのは不思議なもので、座っているときよりも横になっているときの方が息が苦しいのである。どんなに眠いときでも、寝ていると息が苦しくなってくるので上体を起こすほかない。そうすると多少は楽になるのだが、その体勢を続けていては眠れないのでまた布団に倒れこむ、そうするとまた苦しくなって上体を起こす、という堂堂巡りが夜中延々と繰り返されてまったく眠れない。そこで何度かそれを経験したあと、私は枕の下に丸めた布団を押し込み、上体を少し起こした状態で寝ることにした。これで多少は楽に眠れるようになった。
喘息のときには、発熱のときとは違って思考力は正常のままだ。だから私は休んでいる間むさぼるように本を読んだ。小学校低学年のころには、学研まんがひみつシリーズ、少し大きくなってからは
『ペルシダー』や
『キャプテン・フューチャー』は何度も読み返した。どうも面白いらしい、という噂を耳にして、母親に「
『夏への扉』という本を買ってきて」と頼んだりしたものだ(笑)。
というわけで、今のSF者としての私ができあがったのは、小児喘息のおかげだといってもいいだろう。あのときのつらさを思えば、感謝しているとは口が裂けても言えないけれど。
5月6日(水)
帰りに近くの歯医者へ。いよいよ今日から治療開始である。もとはといえば、左下の奥歯の詰め物がはずれた、というだけのはずだったのだが、歯科医の先生によれば、その歯はもうボロボロになっているそうで、けずりまくられる。麻酔があんまり効かずにけずられるたびに痛いは、むせこむはで、たいへんな目に遭ってしまった。これがあとしばらく続くのだなあ。憂鬱である。
さて今日は、
4月28日に引き続き、昭和2年2月の「神経学雑誌」の記事からネタを拾ってみる。この雑誌には、「耨耕日記」(なんて読むんだ、これは)という、文献抄録のコーナーがあるのだが、そこに「社会医学雑誌」に載った三浦百重、沼田作、岡田強による
「道徳判断の臨床的査定法」という論文が紹介されている。知能検査には道徳的知識の検査はあるものの、真に道徳的意識の真相にまで迫っていない、と不満を感じた著者らが、新たに考案した検査法だとのこと。被験者には20枚のカードを善行と悪行に分けてもらい、さらによい順番、悪い順番に並べてもらうというものであるらしい。
カードに書かれた20の行為というのが、なかなか大正、昭和初期らしくていい。
- 往来へ塵埃を捨てること。
- 毎日神仏を礼拝すること。
- 孝行すること。
- 国の秘密を外国へ売ること。
- 医者の云いつけを守って勧められても酒の呑まぬこと。
- 血気盛んな乞食に金銭を恵むこと。
- 親兄弟の借金を返すこと。
- 自分の子供に酒を呑むことを教えること。
- 輸入品の代わりになるものを発明すること。
- 大勢で無理なことを要求すること。
- 自分のものを自慢すること。
- 好きな煙草を止めて子供のために貯金すること。
- 悪事をすっぱぬくぞと人をおどして金銭を強請すること。
- 困ったときも悲観せぬこと。
- 金銭を余計に出した人を議員に投票すること。
- 怨みのある人の家に放火すること。
- 将来改心する機会を与えるため他人の醜聞を秘密にすること。
- 金銭を賭けて花札を遊ぶこと。
- 人を救うため死ぬかも知れぬところへ飛び込むこと。
- 貧乏で頼りのない親を捨てて兵隊の召集に応ずること。
4、7、9のあたりが忠義、孝行が重んじられていた戦前らしいところ。6と20(17もかな)は、私には善行か悪行か判断がつかないのだが、これはどういう意図で入れられたんだろうなあ。結局、今この項目を眺めてみると、わかるのは、道徳なんて時代、国により移り変わってしまうもので、とうてい検査法など作れないということだけかもしれない。
カードを並べてもらったあとどうやって判定するのかは、まったく書いてないのでさっぱりわからない。被験者の態度表情や各項目の所要時間も加味するらしいのだが、いったいどうやって加味するんだ?
抄録は、
「実施結果についてはまだ発表されない」と簡潔に結ばれている(笑)。
5月5日(火)
なんか最近、日記を書くのが遅れているのは、体調を崩したりイベントがあったりと忙しかったせいもあるが、ゲームにはまりつつあるせいでもある。
光栄の
『維新の嵐』で、土方歳三となって尊王論者どもを斬りまくれ、と思ったらこのゲームでは簡単には辻斬りはできなくって、相手を説得して持論を変えさせなければいけないらしい。坂本竜馬には向いているが、あんまり土方歳三らしくないシステムである。ゲーム開始以来2年弱、現在は京都を離れ、神戸にいた坂本竜馬を佐幕派に転向させたあと、尊王派の牙城、長州に乗り込んだところ。しかしここまでですでに10時間以上かかっているぞ。
『維新の嵐』はおそろしく時間がかかる、社会人に優しくないゲームのようなので、途中で中断して、リーフの話題作
『WHITE ALBUM』をやってみる。数時間でファーストプレイ終了。
泣けました。さすがに、リーフのゲームはシナリオの質が高い。これは、私が
2月3日の日記で書いた理想の恋愛シミュレーションゲームにかなり近いかもしれない。
一見、主人公の周りに何人もの女性キャラがいて、誰か一人を「攻略」してエンディング、というよくあるギャルゲーなのだが、違っているのは、主人公にはすでに公認の恋人がいて、両者の共通の友達という女性も何人か登場すること。つまり、他の女性キャラに手を出すということは、主人公にとっては恋人を、女性にとっては友達を裏切ることになってしまうのですね。
まあ、似たような設定のゲームは山ほどあるけど、主人公も、相手の女性も、浮気をしてもほとんど何の罪の意識も感じていないようなゲームが多い中で、ここまで主人公たちの葛藤を丹念に描いたゲームは珍しい。結局その女性とは結ばれることになるのだが、その結果、誰もが傷つき、仲よしだったグループはバラバラになってしまう。このあたり、非常に現実的で、実際の恋愛のときのような心の痛みすら感じさせてくれる。やっぱり「恋愛」シミュレーションゲームと名乗るからには、これくらいやってくれないとなあ。単に女性キャラをナンパして攻略するだけのゲームは、私は「恋愛」ゲームとは認めない。
SFセミナー追加報告。お茶大SF研主催の古本オークションにて、以前からほしかったサンリオ文庫の
『失われた部屋』『コンパス・ローズ』の2冊を競り落とす。市価に比べればかなりの安値でラッキー。安値といえば、
SFマガジン創刊号〜17号の競り落とし価格は、すさまじい安値。もう今世紀中には、SFマガジンがこれほどの値段で出ることはないだろうなあ。買っときゃよかった、とほんの少しだけ思わないでもないが、骨董的価値はともかく入手したとしても実際読むとも思えんしなあ。
それから、東洋大学SF研が作った同人小説
『ゴトウ・サーガ』を買う。創元SF文庫そっくりの装丁で作られていて、ご丁寧に小浜徹也氏の推薦までとっているという見事なパロディ。はまなこんで入手した『神風隊長』以来の、同人小説の拾い物かも。
5月4日(月)
結局一睡もせずに、水鏡子、三村美衣両氏の間で果てることなく繰り広げられる一対一のSFタイトルしりとりバトルを聞きながら朝を迎える。ちなみに「る」と「ぬ」で始まるタイトルは少ないので狙い目だ。
閉会後は伊藤典夫(寝てたので元気)門下グループで水道橋まで歩いてルノアールで朝食。帰宅したのは11時ごろ。ホームページを開設したおかげで、今年は単に参加するだけの例年と違っていろいろな方と知り合いになれ、とても楽しいセミナーでした。また来年。
家に帰ってからは妻とともにベッドに倒れこみ、死んだように眠る。一日眠る。眠っていたので書くことなし。
5月3日(日)
体調は戻ったものの、今度はどうしたわけか口内炎を発症して舌先が非常に痛い。ものを食べても痛いし、何かしゃべってもずきずき痛い。ううう。
それはともかく、今日は年に一度のSFセミナー。早起きして、妻ともども水道橋の全逓会館へ。セミナーの詳しいレポートはとても私の任ではないので省略。昼間のセミナーの白眉は、やっぱり何といっても野田昌宏大元帥の「万華鏡を読んでないやつは死ね」発言でしょう。夜の合宿でも「死ね」は流行語と化していました。でも、この発言だけ引用すると誤解を招くかも(笑)。
伊藤典夫師匠、森下ワークショップのグループと夕食を食べてからふたき旅館へ。まずは原稿を書かせてもらいながら、これまで一度も直接顔を合わせたことがなかったSFマガジンの塩澤編集長に挨拶。私がハワイで買いこんだSF本のうち、あるものはすでに翻訳出版が決まっていることを教えてもらう。げげ。
それから、ネット上ではよく見知っていながら、生身では一度も会ったことがない方々と挨拶。大森望さんはもちろん以前から容貌は知っていたけれど、冬樹さん、溝口さん、野田さん、平野さん、タニグチさん、森山さん、森さんといった方々は、お顔を拝見するのは初めて。イメージどおりの人もあれば、抱いていたイメージとは全然違っていた人もいてびっくり。誰とはいいませんが(笑)。私はといえば、冬樹さんに「もっと眼光鋭い人かと思った」と言われてしまった。
中学以来の友人である日下三蔵こと溝畑康史とも、一年ぶりの対面。彼とは、一年おきにここで会うのが恒例となりつつあるなあ。
夜の企画は、「日本SF全集」「ライブスキャナー」「ネットワークとファンダム」「ほんとひみつ」に参加(全部同じ部屋だった)。「ネットワークとファンダム」は、喫茶店でダベる、同人誌を刷るなどといった肉体的な活動なしに、ネットワークを介したヴァーチャルな(ってベタないい方もどうかと思うけど)ファングループが形成されようとしている現状に対する、既存のファンダムの方々の戸惑いが印象に残った企画。ネットの関わりに対して、しきりに現実とか、肉体とかが対置されるのにはちょっと違和感を感じた。私は、ウェブ上の活動も別に仮想のもの、という意識はないのだけれど。
企画終了後は、大広間の片隅にホームページな人々がなんとなく集合してミニオフ状態に。妻は見当たらないで寝てしまったのかと思ったら、永瀬唯さんと話していたそうな。
5月2日(土)
まるまる二日半も寝ていれば、まあなんとか体調も元に戻ってくる。起きたらまずは汗でべとべとになっていた頭を洗い、さっぱりしたところで外出。連休が始まった途端に元気になってしまうというのもあまりにも現金なような気もするが、実際元気になってしまったのだから仕方がない。
まずは秋葉原にてリーフの新作
『WHITE ALBUM』を捕獲したあと、神保町に回って三省堂にておくればせながらSFマガジン6月号を購入。いやあ、梅さん相変わらず飛ばしてますね。スティーヴン・ミルハウザーの中篇集
『三つの小さな王国』(白水社)も買っとかねば。
コミック高岡では、最近単行本が次々出ている唐沢なをき
『ヌルゲリラ』を購入。傑作の噂だけは聞いているアメコミ
『キングダム・カム』も買ってみよう。えーい、こないだからさんざん迷っていた新装大幅改訂版の諸星大二郎
『西遊妖猿伝』(潮出版社)も買ってしまえ。
さて買い物も終えて、妻と待ち合わせをしている恵比寿ガーデンプレイスへ。妻が観たいという映画
『ガタカ』を観るためである。動く歩道から下りてみると、小雨まじりのものすごい風である。これはどう考えても病み上がりの人間に優しい天候ではない。もうぼろぼろになりながらも映画館まで歩く。
実は私はこの映画にはあんまり期待してなかったのだけど、これはなかなかの佳品。全編に漂うノスタルジックな味わいは、まるでよくできた50年代SF短篇のような感じといったらいいか。特に、登場人物の孤独が宇宙へ――ここではないどこかへ――行きたい、という強い想いへと向かうあたり、SF者としては共感せずにはいられない。ビジュアル的には『未来世紀ブラジル』を思わせるところがあるし、ストーリーは後半でやや破綻気味になるのだけれど、SFXに頼らず、設定やストーリーだけで見事にSFを感じさせてくれるのがうれしい。派手なSFXを使っているだけでSF性のかけらもない映画より遥かに上等な映画である。
マイケル・ナイマンの音楽は相変わらずいつもと同じようなのだけど、映画の雰囲気にぴったりとはまっている。驚いたのは、主人公の上司役でゴア・ヴィダルが出ていたこと。アメリカの筒井康隆か?
さて、明日はSFセミナー。天気は大荒れだそうだけど、なんとか体調は持ちそうです。セミナー参加は三回目だけれど、今回はネットで知り合った方々と初めてお会いできるので、今までとはまた違った楽しみがあります。明日お会いする予定の方々、よろしくお願いします。
5月1日(金)
今日も病院を休んで一日寝て過ごす。午後にはほぼ平熱に戻り、頭痛も収まってきたので本を読み始める。今までは文章を読むことすらおっくうなほど体力が低下していたのだ。今まで読んでいた『幻夢 エドガー・ポー最後の5日間』はけっこうかったるいので取りあえず中断し、
『吼える海流』を2時間で読了。
ときは大正。成吉思汗の墳墓で発見されたオリハルコンの円盤には、源義経の遺言が記されていた。それによれば義経は失われたはずの三種の神器を大陸に持ち運び、それぞれ絶対に奪われないような場所に隠しておいたという。主人公伊集院従吾は、まず草薙剣を求めて太平洋に浮かぶ絶海の孤島へ……って、おい待てよ。ここまでだけでも疑問が山のように浮かぶんだけど。壇ノ浦に沈んだはずの剣はいいとしよう。でもあとの二つは失われていないのでは? それになぜにここにオリハルコンが出てくる? 成吉思汗がどうやって太平洋の孤島へ?
飛躍があまりにも多すぎるし、ストーリー展開もキャラクターによりかかりすぎ。小栗虫太郎、香山滋路線の秘境冒険小説の復活かと期待したのになあ。がっかり。
そうそう、ページ開設5ヶ月でついにカウンタが10000を突破! これも読者のみなさんのおかげです。どうもありがとうございます。今日(5/1)の午前1時ごろに私がのぞいたときには10001でした。9999はSight-Kさんだったそうですが、記念すべき10000人目のお客様は誰だったんでしょう? いや、別に賞品は何もありませんけど。