2005-11-05 [Sat]
▼ 入間川サイクリングロード
久しぶりの自転車日和。今日は荒川サイクリングロードから入間川サイクリングロード(正式名称・川越狭山自転車道)に入って入間市まで。
荒川サイクリングロードは、コルナゴとかピナレロとか高そうなロードバイクに乗った方々が闊歩していて、クロスバイク乗りとしてはいささか萎縮してしまうものがあるのだけれど、入間川はロードはほとんど見かけないので安心。
荒川に比べれば道幅は狭いし、堤防の上じゃなくて中腹あたりを走る箇所が多いのでほとんど川が見えないなど、ちょっと面白みには欠けるけれど、休憩所が設置されていたり、民家のすぐそばを走ったりと荒川よりのどかな感じ。
今回はサイクリングロードではいい写真が撮れなかったので写真はなし。
目的地の入間には3時間くらいで到着。走行距離は53キロくらい。入間では、一部で有名な食堂「古都」で昼食。
一見なんでもないそば・うどん屋に見えるし、店内にもそれらしい掲示は一切ないのだが。
大盛りとも何も言わず、普通に「チキンカツ定食」を頼んで来たのがこれ。このご飯の盛りかたはおかしい。それに、わらじのようなチキンカツが2枚。おかしい。味噌汁に、さらにうどんがついている。おかしい。さらに、食事を待っている間のサービスとしておでんがつく。絶対おかしい。
店内は体育会系風の若者でいっぱいであった。確かに若者にはいい店だろう。私は途中でギブアップして完食ならず。そんなんできるわけない。
入間の街を走っているうちに、偶然古そうな洋館を見つけた。なんでも石川製糸の迎賓館だった建物で、大正12年に作られたものだという(参考)。『金田一少年の事件簿』や『ブラックジャック』のロケにも使われたことがあるとか。
通常は一般公開されておらず、5月から10月までの第2土曜日のみ内部が公開されている。中が見られなくて残念。
入間川は曲がりくねっているので、帰路は川沿いのサイクリングロードを引き返すのではなく、一般道をショートカットして帰宅。総走行距離80.75km。久々に走ったのでひどく疲れた。しかもしばらく乗ってないうちにギアが錆びてることを発見。がーん。
2005-11-06 [Sun]
▼ Koi...Mil Gaya
世界の変なSF映画を見ようシリーズその8。
これまでの変なSF映画シリーズは『G.O.R.A.』(トルコ)、トルコのスター・ウォーズ(トルコ)、『Ukkabat』(タイ)、『Unhuman』(タイ)、『Cloning』(タイ)、トルコのスター・トレック(前編・後編)、『Badi』(トルコのE.T.)の7本。
今回は初めてトルコとタイ以外の作品。2003年に大ヒットを記録したインド初の本格SF映画『Koi...Mil Gaya』(公式サイト)である。
インドのSFということで、トンデモ的な楽しみ方をしなければならないのかな、と思っていたのだが、どうしてどうして、これが普通に映画としてとても楽しめる作品である。これまで見てきた世界のSF映画の中でいちばん面白い。お話はというと、『未知との遭遇』+『E.T.』+『フォレスト・ガンプ』+『アルジャーノンに花束を』+『少林サッカー』といった感じでオリジナリティはあまり感じられないのだけど、これだけの要素を詰め込んで破綻なく、泣けて笑えてきっちり楽しめる映画を作ってしまうのがインド流。しかもインド映画ならではの歌とダンスまでちゃっかり盛り込んでの170分。
まず、物語は在野の天文学者が自作のコンピュータを使って異星人とのコンタクトに成功するところから始まる。音楽を使ってコンタクトするところはもろに『未知との遭遇』なのだけれど、さすが数千年の歴史を持つインドだと感心するのは、その音楽が「聖音オーム」の組み合わせだと説明されるところ。
彼は天文台に行って大発見を報告するが、正統的な学者たちからはまったく相手にされない。意気消沈して家に帰る途中、天文学者の運転する車の上に巨大宇宙船が現れる。大喜びした天文学者はハンドル操作を誤って死亡。同乗していた妻は無事だったが、胎内にいた赤ん坊は脳に損傷を負ってしまう。
ちなみに、この天文学者を演じるのは監督ラーケーシュ・ローシャン本人。主役のリティック・ローシャンは監督の実の息子である。
そして20年後。あのとき母親の胎内にいたローヒットは、20歳の若者になっていた。しかし事故のときに負った脳障害のため知能の発達は遅れ、今もまだ小学校に通っている。
そんなとき両親とともに街に引っ越してきた美女ニシャー。最初はローヒットの非常識で子供っぽいなふるまいに腹を立てていたニシャーだが、ローヒットの母から真実を聞かされてからは、しだいにローヒットの純粋さに惹かれていくようになる。そんなローヒットを市長の息子のラージは快く思わず、ことあるごとにいじめている。最初の1時間は、いったいいつSFになるんだ、というような展開である。
もちろんインド映画なので随所に歌とダンスが。この底抜けの明るさが素敵。
さて、父の遺品の中からコンピュータを見つけたローヒットは、ニシャーと協力してコンピュータをセットアップし、聖音オームを組み合わせたあの音楽を入力する(ローヒットはこの音楽を母から聞いたというのだけど、母親はあの事故以来、UFOや宇宙人を激しく嫌っているため、息子に教えるわけがない。ここはちょっと矛盾があるが気にしない気にしない)。
すると呼びかけに応じて巨大な宇宙船がやってくる。
翌日、宇宙船は消え、草原には着陸の痕跡だけが残っていた。宇宙人が来てるといいなあ、とか思いつつ甕に宇宙人の顔を描くローヒット。キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!みたいな顔である。
ローヒットとニシャーは森の中でたったひとり取り残されていた宇宙人に出会う。なぜ取り残されたかというと、着陸地点に象がいてパオーンと吠えたため、ほかの宇宙人は驚いて逃げ帰ってしまったのである。彼?はひとりだけ逃げ遅れてしまったのだ。かわいそう。
宇宙人の造形はけっこうよくできている。表情も豊かで、なかなか愛嬌がある。このへんはハリウッド映画にもひけをとらないくらい。
インターバル。長尺のインド映画は途中休憩があります。
この画面では目立たないが、主演のリティック・ローシャンは右手の親指が2本ある多指症である。ただ、彼はそれを特に隠していないし、宇宙人の指の造形も彼の指に似せて作られているという。
異星人はヒーリング能力を持っており、「魔法」という意味のジャードゥーと名づけられる。もちろんインド映画なので、異星人も交えたダンスシーンもあります。ジャードゥーも歌うよ。
お前みたいなバカがニシャーと結婚できるわけがない、とラージに罵られて落ち込むローヒット。それを見ていたジャードゥーは、ローヒットに天才的な頭脳と抜群の運動能力を与える。今までは眼鏡をかけていたけど、視力もよくなって眼鏡もいらなくなる。
早く大人にならなくちゃ、と派手な服を着てディスコで踊ってみせるローヒット。ローヒットのダンスは女の子たちにも大人気。
バスケットボールでも、ローヒットと子供たちのチームは『少林サッカー』並みのプレイでラージたちを圧倒。
しかし、ローヒットたちの元には、ジャードゥーを捕らえようとする警察の手が迫っていた……。再び宇宙船を呼び、ジャードゥーを宇宙に帰そうとするローヒットたち。しかし、ジャードゥーが地球を離れると、魔法はすべて解けてしまうという。それは、ローヒットの知能も元に戻ることを意味していた……。
なるほど、SF映画をインド流に料理するとこうなるのか、と思わされる作品で、最初から最後までとにかく飽きさせないサービス精神たっぷりの映画である。ロマンスに親子の愛、ライバルとの対決、歌に踊りにSFXにアクションと何でもあり。ヒロインの着せ替え七変化を見ているだけでも楽しい。
ただ、ストーリー上、ひとつだけひっかかるところが。主人公の頭がよくなると、今まで仲が良かった子供たちに「もう君たちと遊んでるヒマはないんだよ」と冷たい言葉を浴びせ、いかにも頭が悪そうな派手な服を着て踊りまくって女の子にモテモテになるのだけど、ここはヒロインが「純粋なあなたが好きだったのに」と離れていくのがお約束じゃないのか。頭がよくなって性格も変わってしまった主人公に、誰もつっこみを入れないのがどうも引っかかる。
あと、(インド映画のお約束とはいえ)強引なハッピーエンドには、やっぱりちょっと無理がある。
その点をのぞけば完璧な娯楽映画なので、これは日本でも公開してほしいなあ。
2005-11-18 [Fri]
▼ 仮面ライダー THE FIRST
世界の変なSF映画を見ようシリーズ番外編、というかなんというか。
すごい映画を観てしまった。まさに『北京原人』『デビルマン』に続き、東映の贈る超映画。上映館が少ないのがもったいない。
まずのっけから「美しいものに触れると水は美しい結晶を作る」とかいう、例の「水からの伝言」そのまんまのトンデモ学説を研究する大学研究室が登場。こんな珍説がいったいどう描かれるのかと思っていたら、研究しているのは本郷猛その人。しかもこのトンデモネタ、何度となく蒸し返されて結局最後までひきずる。水は生きている、とか本郷猛が真顔で言うのである。脚本家は本気らしい。なんせ、本郷猛がショッカーの洗脳を脱するきっかけからして、「美しい雪の結晶を見たから」なのである。
さらに、登場人物のほとんど全員が、唐突で理解不能な言動に出るのもすごい。
本郷猛は子供を助けるために片手でトラックを止めるのだけど、おかげで後ろでは乗用車が大破。どう見ても死者か重傷者が出てるのに、本郷猛は子供だけを病院に連れて行く不思議。
いちばんわけがわからないのは、夜な夜な人の病室に忍び込んでこっそりと花を生ける女で、この女は男に手作り弁当とか手編みのマフラーとかプレゼント攻勢を仕掛け、男が逃げようとしたら赤いマフラーのほつれた毛糸の端を持って「私たちって赤い糸でつながってるのかも」とかいい出す。しかも語尾は「にょ」とか「ちょ」。どう解釈すればいいのかと本気で悩んだ。
『消された時間』ばりの叙述トリックが使われているのには驚いたけど、そのトリックにまったく何の意味もないのにはさらに驚いた。
1号も2号も「世界の平和を守るため」なんてことはこれっぽっちも考えておらず、ひたすらほれた女のためだけに戦うというのは現代風といってしまっていいんだろうか。私としては、ヒーローは「正義のために戦う」という一点だけは譲れないと思うのだが。
ということで、不思議な映画体験がしたい方はぜひ(★★)。
2005-11-19 [Sat]
▼ 奇談
言わずとしれた諸星大二郎「生命の木」の映画化。原作はごく短い作品なので、映画は原作そのまんまの本筋に、映画オリジナルの神隠し関連のストーリーを加えているのだけれど、わざわざこれを付け加えたせいで物語の辻褄が合わなくなってしまっているのが難点。善次はじゅすへるの子孫たちだけの救い主だったのでは? なぜあだんの子孫である新吉もぱらいそへ行けるの? 村人のほとんどがカトリックだという隠れキリシタンたちの村に、なぜ寺の住職がいて大きな墓地があるの?
また、稗田礼二郎の初登場シーンで、「学会を追放された異端の考古学者です」とか異様に説明的な自己紹介をしてたのには思わず苦笑。そこまでいうなら「人は私を〈妖怪ハンター〉と呼びます」くらい言ってくれればよかったのに。
「おらといっしょにぱらいそさいくんだ」の声が三ツ矢雄二だったのには驚いたけど、今ひとつ物語の雰囲気と合わないような気がする。それにしても、なんで「いくだ」じゃなく「いくんだ」にしたんだろう。
ヒロインの藤澤恵麻は今ひとつ存在感がなかったが、稗田礼二郎を演じる阿部寛はわりといい感じ。いつものエキセントリックさとはうってかわって抑えめの演技で、怪異の語り部をうまく演じている。
公式サイトの予告編でめぼしいシーンは全部紹介されてるし、ネタも割っているので、本編は見なくてもそれだけ見ればOK(★★)。
2005-11-20 [Sun]
▼ Katazukue
右のビデオを見ること。なんかアートらしい。横浜のBankART1929で展示中だとか。アートといってしまえばなんでもいいのか。それ以前にこれは「片づけ」じゃないと思うのだが。
▼ キャプテン・バーベル
世界の変なSF映画を見ようシリーズその9。これまでのシリーズは前回を参照。
今回見たのは"Captain Barbell"。2003年のフィリピン映画である。キャプテン・バーベルというのはフィリピンのアメコミ(という言い方も変だが、要するにアメコミ風のフィリピンコミック)のヒーローで、誕生は1963年に遡る。1986年にも映画化されていて、今回の映画は2作目。名前からしてキャプテン・マーヴェルのパクリなのは明らかだが、フィリピンでは40年以上の歴史があるキャラクターなのだ(詳しくはこちらを参照)。
主人公は家族で露天商を営むエンテン。妹を学校に送り迎えしているエンテンは、新任の英語の先生にひとめぼれ。しかし、ぼろぼろの靴を履いているエンテンは街のごろつきにバカにされ、ぼこぼこにされてしまう。
エンテンは、夜はスポーツジムで清掃のバイトをしている。たまたま倉庫にあったバーベルを持ち上げると。
たちまちキャプテン・バーベルに変身。なんかいきなりな展開だ。
キャプテン・バーベルになると顔も変わってしまうのだが、そんなに美形になったわけでもマッチョになったわけでもないので、なんか微妙な感じだ。
どうやらウルトラマンとハヤタ隊員、“捕り手”と少年みたいな関係で、宇宙からやってきたキャプテン・バーベルはエンテンに寄生しているらしい。
誰もが疑問を持つのがバーベルがなきゃ変身できないの? ということだろうが、どうやらバーベルはふだんは消えていて、変身したいときにだけ出現するらしい。便利だ。ならバーベルいらんだろ、という気もするが。
ちなみに、主人公がバーベルを持ち上げるシーンはこれ以降1回も出てこない。
ということで、エンテンはキャプテン・バーベルとして平和を守るために活躍を始めることになる。
さてアメコミ映画といえば、敵の怪人が出てくるのがお約束。この映画では大盤振る舞いで3人もの怪人が登場。
まず第一の敵になるのは、心は優しいが知的障害のある浮浪者。このキャラの物語があまりにも哀しいので、ちょっと長く紹介しよう。
彼はゴミ箱をあさって食べ物を探し、ネズミだけを友だちとして河原の土管の中で暮らしている。あるとき彼はトラックに轢かれそうになっている子供を発見し、飛びついて子供を助ける。しかし、それが子供をさらおうとしたと誤解され、街の人々に袋だたきにあってしまう。
傷ついた身体を住みかに運びぐったりと横になると、ネズミたちが彼の周りに集まってきて、傷を癒してくれる。すると彼の全身からは黒い毛が生えてきて、耳も大きくなり、ネズミ男となって復活。
ただし、もとから黒く汚れてたので外見はほとんど変わらないし、気弱な性格も同じ。別に力が強くなったわけでもない。だから街に出ていっても子供たちは逃げていくし、大人たちは殴りかかってきたり、石を投げつけてきたり。やっぱり袋だたきになってしまうが、ネズミ男は逃げ回ることしかできない。
しかし、追いつめられたネズミ男が思わず唾を吐くと、唾を浴びた相手はみるみるうちに溶けてなくなってしまう。そのせいでますます怖れられ、憎まれるようになったネズミ男。やむなくどんどん唾を吐いて襲ってくる相手を倒すようになる。
ネズミ男は、たったひとりかつての自分に食べ物を与えてくれた少女を連れ去り、本当の気持ちを打ち明ける。しかしまたそこを街の人に見つかり、石を投げられて逃げまわる。
そこに登場するのが我らがキャプテン・バーベル。少女から話を聞いて、キャプテン・バーベルもネズミ男に手をさしのべるのだが、街中の人に石を投げられ、猜疑心の塊になっていたネズミ男はキャプテン・バーベルにも唾を吐きかけてしまう。キャプテン・バーベルは唾をはじきかえし、唾はネズミ男の身体に。自分の唾を浴びて溶けてしまい、首だけの姿になって死んでしまうのである。
キャプテン・バーベルありがとう! と喜ぶ街の人たち。しかし少女だけは哀しい表情でネズミ男が溶けてなくなった地面を見つめていた。
第2の敵は、もともと製氷工場の事務員として働いていた女性。彼女は、ある日上司にレイプされて殺され、氷漬けにされて捨てられてしまう。流星の光を浴びた彼女は、吐く息ですべてのものを凍らせる力を持った氷女として甦り、自分を殺した上司とすべての男に対する復讐を誓う。
さらにサーカスの火吹き男として働いていた男は、給料を払ってくれない団長に腹を立て、テントに火をつけて団長を殺してしまう。逃げる途中、流星の光が彼の身体を貫き、空を飛び、炎を自在に操る怪人として生まれ変わる。この火男がメインの敵なのだが、正直いっていちばんどうでもいい相手である。
さて物語はというと、あるときキャプテン・バーベルがヒロインを助けたので、ヒロインはキャプテン・バーベルにぞっこんに。自分がキャプテン・バーベルだとは言い出せないエンテンはがっかり。
ヒロインは自分がダーナ(フィリピンコミックの有名キャラ。ワンダーウーマンみたいなもの)になってキャプテン・バーベルと一緒に戦うところを夢想したりする(このシーンには同じく有名なコミック・ヒーローであるラスティック・マンも出てくる)。
で、あとはめんどくさくなったしどうでもいいので割愛するけど、結局はハッピーエンドなわけですよ。めでたしめでたし。
怪人たちの背景のヘビーさにくらべ、ヒーロー側があまりに脳天気すぎるのが気になる映画である。
2005-11-21 [Mon]
▼ ラスティックマン
世界の変なSF映画を見ようシリーズその10。これまでのシリーズには[変なSF]タグをつけたのでそこからどうぞ。
今回の映画は"Lastikman"。前回の『キャプテン・バーベル』同様、フィリピンのコミックヒーロー映画である。
Lastikmanとは、体が自由自在に伸縮するヒーローで、市松模様のコスチュームと黒のアイマスクが特徴。1964年にコミック初登場したキャラクターだそうである。体が伸び縮みするヒーローといえば、『ファンタスティック・フォー』のミスター・ファンタスティックが有名だが、"Lastikman"は、DCコミックスの"Plastic Man"からきていると思われる。名前もそっくりだし。
さて映画なのだけど、これが意外におもしろい。まずはいきなりラスティックマンの活躍シーンから。テロリストに乗っ取られた船。そこに海上から高速で迫る市松模様の謎の物体。
物体は船に上ると、ボールに変形してテロリストを撃退。
ボールは変形して今度は人間に。そう、彼こそがヒーロー、ラスティックマン!
パクリっぽいシーンもあるけれど。
伸縮自在の身体を生かしたアクションはなかなか楽しい。
びよーんと体が伸びたり、平べったくなって狭い隙間を抜けたり。ボールになったり車輪になったり変幻自在。ゴム人間というより、むしろバーバパパみたいな感じ。
さて、なぜ彼は伸び縮みする体を手に入れたかというと、高校生の頃、隕石が落ちた夜にゴムの木の樹液を浴びたから。安易だ。だがそこがいい。
そのあとも風呂敷状になってビルから落ちる女性を助けたり(この女性がたまたま高校生の頃の同級生で、その後彼の恋人になる)、
椅子に変形したり。ただ、氷にはめっぽう弱い。ゴムだから低温だと固まってしまうのだ。
敵がようやく登場するのは、1時間20分をすぎたあたりから。
ラスティックマンこと本名ヒラリオは大学で物理学を教えており、ジェポイという教え子がいる。ジェポイはいじめられているところをラスティックマンに助けられてから、ラスティックマンを崇拝していた。
しかしいじめっ子たちはラスティックマンの服を着てジェポイをぼこぼこに。眼鏡を奪われていたジェポイはそれを本物のラスティックマンだと勘違い。裏切られた思いのジェポイは復讐を誓い、自ら発明した武器を全身に装着。反重力装置で自由に空を飛び回るストライカーに変身したのだった。
ジェポイはラスティックマンに暴行されたとマスコミに訴え、ラスティックマンもしつこいレポーターを思わず殴ってしまっため、ラスティックマンは社会の敵にされてしまう。
まず、ストライカーはいじめっ子たちに復讐するが、戦いのとばっちりを受けて、自分のことを心配してくれた同級生の女の子が死んでしまう。ますます自暴自棄になったジェポイは、マニラの街を破壊しまくる。
そしてストライカー対ラスティックマンの最終決戦が始まるのだが、戦いの場はなぜか遊園地。お互いに特殊能力を駆使した戦いになるのかと思いきや、ただのどつきあいに終始するのがなんだかのどかでいい感じ。冒頭のCGシーンで予算がなくなってしまったんですか。
さて戦い終わってラスティックマンの名誉も回復。ヒラリオは恋人には自分の正体を隠してきたのだけれど(単にサングラスをしただけなのに誰も正体に気づかないのはスーパーマン以来のお約束だ)、キスしたら唇がびよんと伸びて、「あなたがラスティックマンだったのね!」ということになって、おしまい。
特撮としては冒頭のCGシーン以外それほどの見せ場はないのだけれど、テンポのいい演出で飽きさせない、なかなかの映画である。
▼ NBSB/NGSB
さてこの"Lastikman"という映画の中で出てきた言葉に"NBSB"というのがある。ヒロインがまず「私は"NBSB"よ」と言い、主人公は「NBSB? 何それ?」と聞き返す。そうするとヒロインはこう答えるのだ。「No Boyfriend Since Birth」。
どうやらこの言葉、同じタイトルの小説から生まれた、フィリピンの流行語らしい。検索してみると、自分はNBSBだとプロフィールに書かれているブログや、NBSB掲示板とかがたくさん見つかる。もちろん、男性の場合は"NGSB"(No Girlfriend Since Birth)。日本で言えば「彼氏(彼女)いない歴=年齢」ということになるわけだが、NBSBとかNGSBというとなんだかかっこよさげではないですか? 日本でも流行らないかな、この言葉。
2005-11-22 [Tue]
▼ 3 Supermen in Tokyo
世界の変なSF映画を見ようシリーズその11。今回は1967年のイタリア映画(imdb)。タイトル通り、3人のスーパーマンが東京で活躍する話なのだが、この"Three Supermen"はシリーズになっていて、"The 3 Fantastic Supermen"(1967)に始まり、"3 Supermen In The Jungle"(1970)、"3 Supermen of the West"(1973)、"3 Supermen Against Godfather"(1979)、"3 Supermen in Santo Domingo"(1986)などなど、いくつもの作品が作られている。
シリーズとはいっても、それぞれの作品で3 Supermenのメンバーは異なっているし、今回見た"3 Supermen in Tokyo"でも、まず3 Supermenの結成から話が始まっているので、連続性はあまりないのかもしれない。
主演はジョージ・マーティン。『夕陽の用心棒』や『続・荒野の1ドル銀貨』などでジュリアーノ・ジェンマと共演してる俳優。
監督のビット・アルベルティーニは、『愛のエマニエル』とか『新・世界残酷物語』とかを監督した人。どっちも見たことないが。
タイトルバック。チープなんだけど、これが60年代イタリア映画らしく、なかなかおしゃれなんですよ。
日本趣味のイラストが期待を誘う。
さて物語は……と紹介したいのだが、これがなかなかの難物。この作品、SF映画というよりはむしろスパイ映画で、アクションより台詞で物語が進んでいくタイプの作品なので、イタリア語の台詞がわからないとどういう話なのかさっぱりわからないのだ。
というわけで、今回はストーリー紹介はほとんど放棄しているのであしからず。
まず登場するのはスーパーマン姿の2人の男。彼らはミケランジェロのモーゼ像を強奪しようとしている泥棒らしい。モーゼ像を乗せたトラックは警察車やバイクに警護されているのだが、二人は道路に石鹸水を撒いてバイクを横転させ、まんまとトラック強奪に成功(トラックまで横転したらどうするかは考えていなかったらしい)。
秘密の洞窟にトラックを隠して大喜びの二人。しかし荷台を開けてみると、そこにはモーゼ像の代わりにジョージ・マーティンが。ジョージ・マーティンはFBIのエージェントで、強奪を予測していたのだ。
ジョージ・マーティンとの格闘の末、たちまち警官隊に囲まれる二人。FBI本部に連れて行かれた二人はその身体能力を買われ、エージェントとしてスカウトされる。3人には特殊な防弾スーツを与えられ(タイトルバックに出てきたあれだ)、ここに「スリー・スーパーメン」が誕生するのだった。
彼らの最初の任務の舞台は日本。なんか日本には物質縮小機を発明した博士(おお、SFだ!)がいてそれをなんとかするらしい。
日本に到着。誰がどうみても日本だ。
途中、飛行機を爆破されそうになったり、女スパイに狙われたりするのだが、誰が何のためにやってるのかよくわからない。なんだかよくわからなくなっても、そのうちスーパーマン・スーツに着替えて乱闘シーンになるので、まあなんとかなる。
3人はまず日本のレストランへ。「当店はサービス第一の店」だそうだ。縦書きのメニューを横にしてみたり、箸が使えず両手で一本ずつ持ってみたりという、お決まりのギャグが。
敵に襲われ、着替えて乱闘。「冷やしビール コカコーラ」。悪者たちに銃で撃たれるが、スーツ着てるから無傷。
「イカのさしみ」。ほかにも店内には「おにぎり」「親子どんぶり」「わんたん」などの掛け軸が。「わんたん」て。それ和食と違うし。
殺し屋たちを追って浅草仲見世通りを疾走する3人。
角を曲がって伝法院通りへ。
スリー・スーパーメンの3人は花やしきにたどりつく。殺し屋たちがジェットコースターに乗ったのを見て、3人もそれを追って次のコースターに乗り込む。いや、そんなことしても追いつけないと思いますが。それより降り口で待ってた方がいいと思いますよ。
1960年代の東京の街。
ゲイシャに変装したスーパーメンの一人。いくらなんでもその変装はちょっと。
で、後半では物質縮小機でちっちゃくなってミクロスパイ大作戦になるのですよ。
でもって、ヒロイン。いかにも60年代。
というわけで、今回の話はおしまい。わかりました? 私はわかりません。
2005-11-23 [Wed]
▼ SARS WARS
世界の変なSF映画を見ようシリーズその12。2003年のタイ映画(公式サイト)。タイトルからすると、SARSとの戦いを描く『アウトブレイク』みたいな疫病パニックもののように思えるが(実際、『サーズ・ウォー』という香港映画もあるし)、これが全然違う。ゾンビ映画なのである。しかもコメディ。実在の病気の名前をゾンビコメディに使って不謹慎とか思う人はいなかったんだろうか。
いきなりオープニングがアニメでびっくりする。この変な髪型のおっさんが武術家の師匠。
設定は、「第4世代SARSウィルス」というのが出現して、これに感染すると人間がゾンビ化してしまうというもの。無理矢理だ。
バンコク・マフィアのボスの娘である女子高生が誘拐されてしまい、ボスは旧知の仲である武術家に救出を依頼する。武術家は弟子の若者を救出に向かわせるのだが(女子高生が囚われているマンションの住所は、脅迫ビデオの入っていた封筒に書いてあったのだ)、ゴキブリに噛まれた外国人が第4世代SARSのウィルスを持ち込んだことから住人が次々と感染し、マンションはゾンビの巣窟となっていた。
というわけで、武術家の若者と、あとから弟子を心配して駆けつけた師匠、ゾンビと戦いつつ女子高生を救い出すというのが映画のあらすじ。SARS関係なし。単なるゾンビ映画(しかもお下劣コメディ)だ。ストーリーはあってないようなもの。まさにジェットコースタームービーである。
写真は、弟子がボスたちの前で剣を振り回してみせたあとの場面。こういうノリの映画だと思って下さい。
途中で師匠はSARSウィルスのワクチンを開発している科学者のダイアナ博士(美人)に合流。博士はなぜかボンデージファッション。師匠はグリーンなんとか剣の使い手。この剣は単1電池2本で動いている。
大蛇に襲われたり。
ゾンビ胎児に襲われたり。
女子高生も血まみれになりながら消火用のナタで応戦。ちょっと『キル・ビル』っぽい。
回想シーンに日本風のアニメを使っているのも、『キル・ビル』の影響だろう。
映画は下らないギャグを交えながら、ハイテンションで突っ走る。結末はあまりといえばあまりに強引な展開で呆然とするのだけれど、実は最初の方に伏線が張ってあったりする。むちゃくちゃで行き当たりばったりのように見えて、実はわりと考えて作られた作品なのだ。
スプラッタなシーンを期待すると物足りないけれど、単純に笑える映画であります。これはなかなかの名作。
2005-11-26 [Sat]
▼ 平林寺ポタ
ポタリングという言葉がある。
つまりは自転車散歩のことなのだが、まさに散歩といった感じの町内巡りをポタリングと言っている人もいれば、ものすごい距離を走っているのにポタリングと称している人もいたりして、人によってずいぶんイメージに違いがあるのが悩ましい。中には100キロ以内、平均時速25キロ以内ならポタリングと主張してる人もいて、そうすると私はいまだにサイクリングをしたことがないことになる。
Goo辞書によれば、「自転車で散歩すること。目的地を定めたり走行計画を立てたりすることなく,気分や体調に合わせて気の向くままに走ることをいう」だそうで、この定義だと計画性があるかないかの違いになるのだが、そうすると「榎本牧場までポタリング」とかいう言い方は間違っているのか? なんだかよくわからない。
まあ、それはともかく今日は自転車で、埼玉県新座市の平林寺まで行ってみた。
紅葉の名所とは聞いていたが、境内は、いったいここはどこのアイドル撮影会会場ですか、と言いたくなるくらいの三脚とカメラの群れ。撮影会より年齢層は40歳くらい高いが。世の中にこんなに写真好き中高年がいるとはびっくりだ。
とはいえ、境内裏に広がる広大な林の中に入ると、静かでゆったりとした雰囲気。野鳥の鳴き声と、落ち葉が舞い落ちる乾いた音が響く。
境内には松平信綱公の墓所がある。
紅葉がきれいでしたよ。
帰りに、西大泉の「大助うどん」で肉もりを食べる。交通不便な場所にあるにもかかわらず、いわゆる「武蔵野うどん」の店としてちょっと知られた店。やや茶色がかった腰のある麺を、たっぷりと肉の入った真っ黒な汁につけて食べる。以前連れてきた山口出身の妻の口には合わなかったようだけど、関東育ちの私には、このうどんの味は、うまいまずいを超越して懐かしい味なのです。
Before...
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