2005-03-02 [Wed]
▼ THE JUON 呪怨
バフィもやつれたなあ、とか思いつつ観ていたのだけれど、妻によれば、これは「ロズウェル」にも出ていた期待の若手ジェイソン・ベアを鑑賞するための映画らしい。なるほど。
『呪怨』シリーズは、ビデオ版第1作と映画版第1作しか観ていないのであまり大きなことは言えないのだけれど、ハリウッド版は奥菜恵主演の映画版第1作をなぞったつくりで、特に新しい要素はなんにもなかったと思います。ただ、奥菜恵版では後半、突然時代が飛んで刑事とその娘の話になってしまうのだけど、ハリウッド版では最後までサラ・ミシェル・ゲラーの物語のままなので日本版よりまとまった印象があります。
『呪怨』シリーズの怖さといえば、何ひとつ落ち度もないのに理由なく呪い殺されるという理不尽さだったのだけれど、ハリウッド版では呪いのルールがはっきりしていて、ごていねいにも冒頭の字幕と後半の刑事の台詞で二度も説明が繰り返される。さすがはハリウッド、観客にやさしい親切設計。しかも、日本版とほぼ同じストーリーでありながら、主要キャラを外国人にすることによって、未開の国を訪れたアメリカ人がブードゥーの呪いとかそういう現地のタブーを侵してひどい目に遭う、という古いホラーのパターンにぴったりはまってしまっているのが(しかもそれを日本人監督が撮っているというあたりが)、日本人としてはなんとも複雑な気分であります。
しかし、このところのハリウッド映画を観たアメリカ人は、日本のことを、サムライと鉄球を振り回す女子高生と黒髪の女の呪いの国だと信じ込むんじゃないかと思うと愉快痛快。ニッポンの恐ろしさに震えて眠るがいい。
あと、件の家の住所をよく見ると「杉並区寿恩町」と書いてあるなど、日本人にしかわからない小ネタにはちょっと笑った(★★★)。
2005-03-03 [Thu]
▼ ボーン・スプレマシー
これはいい。
年々派手になっていくこのところのハリウッド映画のアクションには食傷気味だったのだけれど、これはストイックで昔かたぎのアクション映画。マット・デイモン演じる主人公のボーンには最小限の台詞しかなく、映画の最初から最後までひたすら行動するのみ。どうしてそうしたのかという説明もなければ、心理描写もほとんどなく、ただ一連の行動を見せることによって、プロの暗殺者である主人公の思考の流れを観るものに理解させてしまう。簡単そうにみえるけれど、これはかなり高度なテクニックである。たとえば前半、空港で拘束されてから、CIA職員を一瞬で倒して携帯のデータを奪い敵方の情報を得るまでの迷いのない動き。中盤の室内での格闘シーンからボーンがガス栓を開け、トースターに雑誌を突っ込んで家を出るまでの流れるような動き。そして、かつて暗殺した政治家の娘に告白する場面の静。脚本もいいのだけれど、見せ方も実にうまいのだ。
アクションシーンに手持ちカメラを使ってめまぐるしいカット割りで見せるのは最近のハリウッドの悪癖の一つで、この映画でも確かに格闘シーンなどでは気にならなくはないのだけれど、カーチェイスシーンに限っては、手持ちカメラが効果をあげていることを認めざるを得ない。手持ちカメラで助手席から撮影されたカーチェイスシーンの迫力は圧倒的。突然目の前に車が突っ込んできて窓ガラスが割れたりするのだ。もう何がなんだかわからない。わからないんだけど、それは意図的なわからなさであって、シーンのつなぎ方が実に巧みなので、今何が起きているのか自体はしっかり把握できるように作られているのですね。それに、もちろん実際の運転はスタントマンだから、マットが運転しているシーンはすべて作られたもの(メイキングフィルムでそう言っていた)。つまりは圧倒的な臨場感は、周到な計算の上で作られたものということになる。このカーチェイスシーンだけでも充分観る価値がある。
ただし、家が爆発して、近づいていた捜査員が吹っ飛ぶというシーンはあまりにも常套的すぎて今ひとつ。ここだけがストイックさよりも派手さを追求しているシーンに見えて、全体からすると違和感が残った。
あと、アクション映画だし、前作観てなくてもだいじょぶだろうと舐めてかかっていたら、誰だかわからないキャラクターが何人も出てきて混乱したので、これから観る人は前作『ボーン・アイデンティティ』を観ておくべきでしょう(★★★★☆)。
▼ 今日の買い物
池袋HMVのアイルランド音楽棚にリマスタリング盤が何枚か並んでいたので、ロリーナ・マッケニットの"The Book of Secrets"というアルバムを衝動買い。ロリーナというアーティストについてはまったく知らなかったのだけれど、これは当たり。ケルト音楽の骨格の上に世界各地の音楽的要素を取り入れていて、非常に濃密で完成度の高い音楽に仕上がってます。残念なのは、ロリーナは98年に婚約者を水難事故で失ってから一切の音楽活動をやめてしまっており、97年発表のこのアルバムが最後の作品になっていること。これほどのアーティストが音楽から離れてしまったとは惜しい限り。
2005-03-06 [Sun]
▼ ローレライ
原作の上巻は全部すっとばして、下巻をダイジェストで見せられたような感じ。まあ濃密きわまりない原作に比べれば薄味だけど、最近の日本映画としては悪くはない出来だと思います(まあ、比べる対象が『CASSHERN』とか『デビルマン』とかだからかもしれないが)。ただ、みんな言ってるように、CGはしょぼいけど。
それに、いきなり伊507が出港するところから始まるので、キャラの描き込みが浅すぎるのも難点。人物がしっかり描かれておらず、艦長の時計とか木場のあやとり紐とか清永のボールとか軍医のライカとか、わかりやすい小道具に頼った展開が多すぎるのだ。おかげで、浅倉の目論見も、絹見の苦悩も、パウラの痛みも、どうも薄っぺらなものに感じられてしまう。それから、これは仕方がないことかもしれないけれど、原作では印象的なキャラだったフリッツが出てこないのは惜しい。
ボールといえば、清永の手が挟まって抜けなくなってしまうシーンがあるけれど、妻は野球ボールをつかんでるせいで手が抜けなくなってしまったのだと思い、ボール離せばいいのに、と思っていたそうだ。いや清永もそこまでのバカじゃないとは思うのだが、そう見えなくもないのは確かだ。
パウラの衣装は出渕裕デザインでいかにもコスプレ向きだと思ったけどどうみても戦時下日本らしくはないよなあ。特に下着のような白い服は『フィフス・エレメント』のミラ・ジョボビッチ風。あんな姿でいるパウラを見たら17歳の男子としては赤面するのが普通だと思うのだが、眉一つ動かさない折笠はちょっとどうかと思う。
あと、原作では物語の鍵ともいえる天才的軍人浅倉良橘を演じた堤真一は小粒な印象で、『姑獲鳥の夏』がかなり心配になってきたなあ。
なんかけなしてばっかりだけど、まあそこそこは楽しめましたよ(★★☆)。
_ セリーヌ [サイコドクターぶらり旅 - ローレライ セリーヌ http:..]
_ ニューバランス 1400 [サイコドクターぶらり旅 - ローレライ ニューバ̎..]
_ Cheap Jordan oreo 5 [サイコドクターぶらり旅 - ローレライ Cheap Jordan oreo 5 http://www.cascadi..]
2005-03-11 [Fri]
▼ MAKOTO
東山紀之ファンの妻に連れられて観に行った映画。原作は郷田マモラのマンガらしいのだが、未読。
この世に未練を残していった死者が見える(何か言いたそうに部屋の隅でじっとこちらを見つめているのだ)という特殊な能力を持つ監察医東山紀之が、和久井映見演じる妻の死の謎を追う物語。当然、家に帰ると死んだ妻が部屋の隅でじっとこちらを見つめているのである。難儀な能力である。
一見美しい夫婦愛の話みたいに作られてるが、とんでもない。これは要するに、結婚前には、あなたがアニメ好きだということは理解してるわ、いいのよ、あなたはアニメを見ていて、私はあなたのそういうところが好きなの、とか言ってたので安心して結婚して、思う存分アニメを見てたら、いきなりあなたは全然私のことを見てくれないとか言い出して、当てつけに浮気したりしてあげくの果てに死んでしまうという嫁の話である(「アニメ」は「仕事」とか「SF」とかにも交換可)。だったら最初から理解してるふりなんかするな。なんとなく芦屋小雁と斉藤とも子の事例が想起されたりもする。おまけにこの嫁はさらにとんでもないことまでしてしまうのだけれど、なんでそんなことまでしなきゃならなかったのか、嫁が何考えてるのかさっぱりわからない。
あと、最初は飛び降り自殺だと鑑定された男が、5メートルも壁から離れてるから突き落とされたに違いない、という鑑定もよくわからん。だったら窪塚君は他殺ですか(死んでません)。
さらに、演出意図もよくわからないシーンが多い。花火の打ち上げシーンがやたらと強調されるのはいったいどういう意味があるのか。自殺した男の再鑑定をその妹が依頼するのが、なんでまた強風のグランドなのか(当然資料は飛んでいってしまう)。おそらく空や海で登場人物の心理を象徴しているつもりなのだろうけれど、どうも独りよがりな印象を受ける。
あー、いやいや、うちの妻は私の趣味を理解してくれてますよ。本が山のようにたまっても怒らないし(そう書けと妻に言われたので書いておきます)。
2005-03-13 [Sun]
▼ 最近の買い物
前から欲しかった電子辞書を買いましたよ。
SEIKOのSR-T7800という機種で、広辞苑、リーダース+プラスなど基本的な辞書のほか、ステッドマン医学大辞典がそっくり入ってるのが特徴。医学書専門書店などだけで売っていて、一般の電気店には売ってないという限定感漂う製品であります。
実売価格52800円と、電子辞書にしてはけっこう高いのだけど、まあステッドマンの書籍版自体14700円もすることを考えれば仕方がない。まあ実際は論文を読むときもステッドマン引くことはあんまりなくって、リーダース+プラスで間に合うことの方が多いとは思うのだけれど。
また、図版までは電子化できなかったため、書籍版のカラーイラストや図表を集めた「別冊イラスト集」(けっこう分厚い)がついてくるのだけど、これはなんとかしてほしかった。こんな電子辞書の携帯性と相反するような冊子、絶対見ないよ。
amazonでは今のところ在庫切れだけど、別に製造中止にはなってないと思うので、しばらくすれば買えるはず。一般の人にはあんまりメリットのない製品だけど、医療関係者は持ってると便利ですよ。
SEIKO IC DICTIONARY SR-T7800 | |
セイコーインスツルメンツ 2004-11-20 売り上げランキング : 153 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2005-03-15 [Tue]
▼ ロリーナ・マッケニット
3日に書いたロリーナ・マッケニットのアルバムなのだけど、輸入版ならamazonにあったので紹介。
Book of Secrets [Bonus DVD] | |
Loreena McKennitt Rhino 2004-09-14 売り上げランキング : 14,498 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
あまりに気に入ったので、他のCDも買ってしまいました。ロリーナはかなりの完璧主義者のようで、いずれおとらぬ完成度の高さ。ケルトとエスニックが渾然となった音楽世界が、一分の隙もなく組み立てられてます。DVDもついていてお得なのだけれど、全部同じDVDなので無駄といえば無駄かも。
Mask and Mirror [Bonus DVD] | |
Loreena McKennitt Rhino 2004-09-14 売り上げランキング : 10,125 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
Visit [Bonus DVD] | |
Loreena McKennitt Rhino 2004-09-14 売り上げランキング : 24,609 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ただし、2枚以上買うのなら、amazonよりも輸入販売元のMUSIC PLANTSから直接買う方をお勧めします。今なら、おまけとしてライブ盤ミニアルバムがついてくるキャンペーンをやっているので。
2005-03-16 [Wed]
▼ 指輪物語ミュージカル公式サイト
日本時間で3月17日午前1時にオープン予定。もうすぐだ!
▼ ニール・ゲイマンの次の長篇に名前を出してもらえる権利がオークションに
"Anansi Boys"という長篇に出てくる観光船の名前にしてくれるそうな。現在の入札額は3205ドル。しかし、秋に出る予定の本なのに、もうカバーができてるとは。
2005-03-18 [Fri]
▼ 抗うつ剤が日本をうつにする?
しばらく旧サイトのアクセスログはチェックしてなかったのだけれど、知らぬ間に精神科薬広告図像集がMetafilterからリンクされていて、アクセスが爆発しておりました。
そのコメントで知ったThe New York Timesの興味深い記事。日本の軽症うつ病の激増と"kokoro no kaze"という奇妙な言葉、そして抗うつ剤産業について書かれてます。読むにはたぶん無料の会員登録が必要。
▼ 味合わせる
朝青龍は今場所から締め込みを黒から金色に変えた。だが、まだ誰もそれにさわれない。相手に感触すら味合わせていない。
MSN-Mainichi INTERACTIVEの記事より。執筆は岩元晢という記者。
「味わわせる」は言いにくいので「味あわせる」と言う人はよくいるが、「味合わせる」という漢字表記は初めて見たよ。そうすると、この人は「味合う」という言葉があると思っているのだろうか。
2005-03-19 [Sat]
▼ ロング・エンゲージメント
やっぱりジャン=ピエール・ジュネはいいなあ。
『プライベート・ライアン』ばりの残酷戦場シーンから始まったので、いったいどうなることかと思っていたのだけれど、映画が進めばやはりいつものジュネ流の閉じた世界のファンタジー。今回の箱庭世界は1920年のフランス。
19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパといえば、ちょうど鉄骨造りの巨大建築がもてはやされた時期で、この映画でもパリの場面では鉄骨造りの巨大な駅舎やエッフェル塔、さらには機関車など鉄の機械や造形物が強調されている。一方のアメリ……じゃなかった、マチルドの住む海辺の村の風景もまた、ありえないほど美しい。魅力的な機械と理想化された農村風景という取り合わせは、どこか宮崎アニメのようでもあるし、全体にセピア色で統一された絵作りは『スカイ・キャプテン』をも思い起こさせる。要するに、舞台は1920年フランスのように見えて、実は徹底的に作り込まれたファンタジー世界のフランスなのである。
ジュネ監督の映画といえばエキセントリックなキャラクターも魅力だけど、今回も魔術的思考をしたかと思えば意外にしたたかな面もある主人公マチルドをはじめ、無垢のかたまりのような(むしろバカ?)青年マネク、毎回自転車をドリフトさせてやってくる郵便配達人など印象的なキャラクターには事欠かないし、灯台の螺旋階段や胡桃割り器兼義手、暗殺者の殺人装置などのギミックもまた、いかにもジュネ監督らしいところ。
ただ、ストーリーは無用に複雑すぎるような気もする。原作がセバスチャン・ジャプリゾだけあって、物語はミステリタッチで、伏線もあちこちに張られているのだけれど(冒頭のキリスト像からして……)、登場人物が多い上に人間関係がかなり複雑で、ぼーっと観ていると、誰が誰の愛人だったのかよくわからなくなってくるのだ。
さらに、ファンタジーとリアルな戦争映画という水と油のような要素の融合には、やっぱり無理があったように感じられるのも事実だ。
まあ、私としてはジュネ流の映像と語り口、キャラクターが好きなので、物語の瑕瑾はそれほど気にならなかったのだけど。
むしろ気になったのは、回想シーンの中で、子供の頃のマチルドが灯台から落ちそうになり、マネクに手をつかまれて宙づりになっている場面があるのだけれど、このシーンだけは前後と全然つながっておらず、そのあと何のフォローもないのですね。あんな状態から10歳の男の子の力でリカバリーできるとも思えないのだけれど。妻は「映画全体がマチルドが落ちている間に見た夢なのよ」という珍説を唱えてましたが、まさかね(★★★★)。
2005-03-21 [Mon]
▼ 松尾由美『雨恋』(新潮社)
タイトルからは恋愛小説みたいな印象を受けるし、帯にも「ありえない恋 ラスト2ページの感動」とか「心を濡らすラブストーリー」とか「大森望氏も涙!」(笑)とか書いてあるのだけれど、これは出版社の販売戦略によるものであって、実際はちょっと違う。ラブストーリーじゃないとはいわないが、その要素は薄くて、むしろメインとなるのは殺人事件の犯人捜し。誰かに殺されて幽霊になった女の子に頼まれた主人公が、素人探偵になって犯人を探す、という話なのである。物語の筋立ては、ファンタジーノベル大賞の優秀賞をとってちょうど同じ時期に刊行された越谷オサム『ボーナス・トラック』に似ている。
両者を比べると、ミステリとしての完成度では松尾由美に一日の長があるが、登場人物の生活感や心理面でのリアリティにおいては、越谷作品の方が優れている。特に、『雨恋』の主人公の男は、30歳という設定のわりにあまりにも純朴すぎるのが、ちょっと疑問。あくまで恋愛要素は添え物であって、SFミステリとして読むべき作品だろう。
▼ エターナル・サンシャイン
チャーリー・カウフマン脚本の映画は『マルコビッチの穴』『アダプテーション』を観たが(『ヒューマン・ネイチュア』は未見)、その中ではもっとも破綻なくまとまった佳品。とはいえ、カウフマンの作品はむしろ破綻を楽しむ映画のような気もするので、まとまっていることが必ずしも優れていることだとは限らないのだが、まあとにかくまとまっていることはめでたい。
物語は、恋人に振られ、恋人にまつわる記憶のすべてを消す処置を受ける男の話。奇想SFです。映画の大半は主人公の脳内で展開する上、フラッシュバックがめまぐるしく繰り返されるのだけれど、わかりやすい語り口で撮られているので混乱することはまったくないし、砂のように消えていく思い出の見せ方は幻想的でなんともうまい(このへんは『マルコビッチの穴』の幻想シーンを思い出させる)。途中からは記憶消去会社内部の人間模様がからんできたりして、いつものカウフマン映画ならこのあと話がぐしゃぐしゃになっていくところだが(それはそれで楽しいのだが)、この映画では見事に本筋に引き戻す。
特に感心したのは結末のつけ方で、記憶を消した二人がまた出会うだけならありがちな物語になるところを、この映画ではもうひとひねり加わえている。このひねりが絶妙で、このひねりがあることにより、物語に時間SFの要素が加わっている。つまり、未来を見てきて失敗がわかっている場合、それでもあえてその選択をするかどうか……。運命か、それとも人間の自由意思か。結末のあと二人がどうなるかについては、観た人によって意見が分かれるに違いない(★★★★☆)。
2005-03-25 [Fri]
▼ 吸血鬼ドラキュラ
もちろん劇場じゃなくDVDで鑑賞。ドラキュラのクリストファー・リーが若々しくて素敵。ヴァン・ヘルシング役のピーター・カッシングも品格があって見事。このふたりを鑑賞する映画ですな。
それに対してドラキュラの餌食になる女性陣は妙に福々しい体型の方ばかりで、今ひとつ精彩を欠いているのが残念。
ストーリーはブラム・ストーカーの原作をかなり大胆にアレンジしていて、いきなりジョナサン・ハーカーがドラキュラ城を訪れるところから始り、しかもハーカーの婚約者がミナじゃなくてルーシーだったのには面食らった。舞台はどこだかよくわからないのだけれど、どうもドラキュラ城とルーシーたちの住んでいる屋敷はそれほど遠くない(馬車で行ける程度)距離にあるらしい。
なんでルーシーのときは部屋中に吸血鬼除けのニンニクを並べたのに、ミナのときはそれをせずやすやすと誘拐されてしまうのかとか、さらったミナを土に埋めてドラキュラはいったい何をしようとしてたのか、とかツッコミ所もけっこう多いのはご愛敬。
驚いたのは、ドラキュラの毒牙にかかったルーシーを診察した医者が「ほかの医者の意見も聞いてくれ」という意味で"second opinion"という言葉を使っていたこと。1950年代からすでにあった言葉なのですね(★★★☆)。
2005-03-27 [Sun]
▼ ウィル・マッカーシイ『アグレッサー・シックス』(ハヤカワ文庫SF)
ファンタスティック・フォーかゴーゴーファイブみたいなタイトル、銃を構えた5人プラス犬がポーズをとっている表紙、さらには「デイヴィッド・ブリン激賞」「これぞまさしくミリタリイSFの真髄!」という帯。どう考えてもアグレッサー・シックスなる特殊部隊が活躍する安っぽいミリタリーSFとしか思えないのだけれど、これが違うのだ。
ときは西暦3366年、突如として強大な異星人が襲いかかってきて、次々と人類の植民惑星を殲滅していくのですよ。死者は数十億人。もう人類は風前の灯火。敵とはまったくコンタクトがとれないし、何を考えているかさっぱりわからないので、敵の思考形態をシミュレートすれば何かわかるかも、というということで、後頭部あたりに敵の〈言語中枢網〉を移植したチームが誕生するわけである。敵には4つの性があり、クイーン、ワーカー2名、ドローン2名、ドッグという6人1組で行動しているので、人類側のチームも6人(5人+犬)。
しかし、敵のように思考し、敵の用いるフウヘ語(「#新しさ受動能動必要立ち向かう#」みたいな感じ)をしゃべっているあいだに、だんだんと人間離れしていき、全裸で逆立ちして「ええええはえええ#!」とか叫んでみたり、敵軍を「われわれ」と呼んでみたり。そうこうしているうちに、敵は地球に猛攻撃を仕掛けてきてさあ大変。軍事色はあまり強くはなく、むしろ世界と認識の変容を描いたディック的なSFに近い。実際、かなりおもしろいです。途中までは。ヘンな話が読みたい、という人にはおすすめ。
ただ、これが作者のデビュー作だからか、小説としてはあんまりうまくないのですね。主人公たちが変質していく過程の描写はもっとじっくりと描いてほしかったし、せっかくの4つの性という設定も、役割が今ひとつはっきりしないので生かされていない。それに、もっと徹底してぶっとんだ展開にすればおもしろくなりそうなところを、よりにもよっていちばん無難な結末でまとめてしまったのが残念。特に、せっかくのクライマックスなのに、暗闇の中で梯子を登るシーンが延々と続くという低予算映画みたいな展開はどうかと思いますよ。
2005-03-28 [Mon]
▼ Unrealized Moscow
1930年から50年代にかけて構想されながら幻に終わったモスクワの建築群。いかにもSF映画の全体主義国家に登場しそうな巨大建築が素敵すぎます。特に、てっぺんにレーニン像がそびえ立つソヴィエト宮殿はぜひ見たかった。
2005-03-30 [Wed]
▼ アメコミ2題
映画『スパイダーマン』で、トーマス・ヘイデン・チャーチが演じる敵役はサンドマン? サンドマンというキャラを私は知らなかったのだけど、こういうのらしい。なんかただの筋肉男みたいなんですが。ニール・ゲイマンのやつとは別人。
アメコミのミニシリーズ"Ultimate Iron Man"で、オーソン・スコット・カードが脚本を執筆。
ついでにいえば、ウォルフガング・ペーターセン監督の映画『エンダーのゲーム』の脚本は、『トロイ』のデイヴィッド・ベニオフになったらしい。うーむ。
2005-03-31 [Thu]
▼ アヴリル・ラヴィーン
アヴリル・ラヴィーンが香港でコンサートをしたとき、腕にマジックで漢字を書いていたのだけれど、その文字は「日本最高」だった、という話が大手ブログBoing Boingに載って全世界に広まりつつある。確かに写真をみると、アヴリルの右腕には「日本最高」と書かれているのだけれど、書いたのは漢字がわかる人だろうから国を間違えるとは思えないし、たとえ間違えたとしても香港人スタッフが止めるだろう。
「アヴリル 日本最高」でぐぐってみると、どうもこの写真は昨年お台場でシークレットライブをしたときのものらしい。お台場で「日本最高」なら別になんの不思議もない話。こうやってデマは広がっていくんですね。
Before...
_ スーパーコピーブランド トリーバーチ マリオントート [ スーパーコピーブランド トリーバーチ マリオントート http://www.ooobrand.com/bags..]
_ スーパーコピー パテックフィリップ ノーチラス [ スーパーコピー パテックフィリップ ノーチラス http://www.newkakaku.com/pd4.htm]
_ スーパーコピー モンクレール レディース 2015 [ スーパーコピー モンクレール レディース 2015 http://www.bestevance.com/rolex..]