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サイコドクターあばれぶらり旅
あばれあばれて七年余
あばれつかれて撃ち果てて
風の吹くままぶらり旅
嗚呼サイコドクター何処へゆく

2006-02-02 [Thu]

ヤクザ再び Gg[ubN}[N

 去年の5月に書いたアイアンホース社の自転車ヤクザシリーズ。その後「トリビアの泉」で紹介されるなど有名になったのだけれど、久しぶりにアイアンホース社のサイトを訪ねてみたら、ラインナップがリニューアルされていた

 組長の上に、組長タイプRが登場。さらに若頭がなくなり、総本部長という新たなグレードが! えー、若頭よかったのになあ。

Tags: 自転車

岡田尊司『脳内汚染』(文藝春秋) Gg[ubN}[N

 コメント欄で催促があったので、島清話はここらでちょっと一休みして、『脳内汚染』の感想でも書いてみましょうか。

 その前にまずひとつお断りを。読者の方々は、私がこの本をトンデモ本として激しく叩くのを期待してるかもしれないのだけれど、実のところあんまり叩くつもりはない。もちろん鹿島茂氏のように手放しで絶賛するつもりにはなれないのだけど、これは思ったよりはまともに論じるべき本だという印象である。

 確かに感情的すぎる文体には辟易してしまうし、一方的な決めつけも多いのは気にかかる。詳細のよくわからない「寝屋川調査」とやらの信頼性にも疑問が残る。また、「少年犯罪の急増」について書いた箇所には統計のトリックがみられる(「少年犯罪の急増」のウソについてはこちらなどを参照)。「……可能性がある」「もしこれが本当だとしたら……」式の言い方も目につく。さらに著者はそれほどゲームに詳しくないらしく、特にゲームについて書かれた部分にはあまりにもバカバカしい記述も少なくない。こうした多くの欠点があるにも関わらず、細かいところには目をつぶって大きなストーリーを追えば、納得のいく点も多いし、これはなかなか反論は難しい本なのである。

 この本で語られているのは、ひとつは「映像メディアが人間の心理特性を変化させている」ということであり、もうひとつは「アルコールや麻薬のような物質だけではなく、映像メディアのような情報にも依存性がある」ということ。私としては、どっちもその通りだな、と思うし、「依存性があるから、幼いうちからの摂取には充分な注意が必要」という主張にも賛成する。

 ただ、ゲームを麻薬と同一視するような主張には賛成できないし、映像メディアによる人間心理の変容を「汚染」と見なして糾弾する著者に対して、私はそれは単なる「変化」であってそれ自体では善でも悪でもないと思うのだけど。

 確かに問題点も多い本なのでしょうがないかもしれないのだけど、ゲームを槍玉に挙げた部分の問題点だけをあげつらって、全体の主張までをもトンデモ扱いするのは間違いだと私は思うのですね。

 

 と、これだけではつまらないので、ここらへんで当サイトらしい考察を加えてみたい。数日前から当サイトで何度か話題にしている金子準二は、大正から昭和初期に活躍した警視庁勤務の精神科医にして「科学ペンクラブ」の発起人の一人になった文筆家。そして『脳内汚染』の岡田尊司は医療少年院勤務の精神科医にして、別名義で横溝正史賞を受賞した文筆家。けっこう共通点があるのだ。さてこの二人の文章を比較してみよう。

 まず、金子準二の『犯罪者の心理』(昭和5年 武侠社)という本に収録された「不良少年の心理」という文章から。この文章の中で、金子は不良少年の増加には「活動写真」が影響していると述べている。

 この多数の少年者に、活動写真映画の影響する所は何であらうか。勿論映画に対しては、相当の検閲制度が設けられて居るが、現在のフイルムは、大抵犯罪か、争闘か、恋愛か、淫猥か、浮浪か、流血の惨禍かを取扱つたもので、少年をして無選択に屡々活動写真を観覧せしめるのは、少くとも児童に、反社会的出来事が、頻々としてあるとの観念を賦与するのに、充分である。従つて児童の道徳感を低下せしめる危険が、現在の大抵の活動フイルムには伏在して居る訳であるから、活動写真の見物は、ある意味に於て、少年の反社会性の胚芽を培養すると見做さねばならぬのである。

 続いて、平成の岡田尊司は、未成年者による事件の背景にはテレビやゲームがあると主張する。

 暴力的な映像に過剰にさらされることによるもう一つの影響は、世界や人間というものを、過度に悲観的に、醜く、危険で、希望のないものとみなす傾向を植え付けてしまうということである。暴力場面にさらされることは、単に暴力を学習させ、攻撃的で反社会的な行動を増加させるだけでなく、自分自身が被害者になる恐怖を増大させ、さらには、対人観や世界観まで変えてしまう。

 以下、金子岡田の順に並べてみる。

 また活動写真と不良少年問題との連繋に於いて、是非考慮せねばならぬ一事がある。勿論現代大衆の娯楽として、相当の引力を持つには、群集心理をどれ程巧みに利用出来るかゞ、主要の一条件である。活動写真も、この条件に適合して居る所があるので、流行するに至つたに相違ないがこゝに既に不良行為の危険は伏在するのである。

 ゲーム開発者は、今にもやられそうな状況を、できるだけリアルに体験させるシチュエーションを作ることで、体にはアドレナリンを、脳内にはドーパミンを溢れさせる。そのために、日夜知恵を絞っているのだ。

まだ不良少年問題と活動写真とに、結縁があると見做さねばならぬ所がある。それは、屡々不良少年の告白する活動写真が見物したいので『金銭を盗み出した』『物品を持ち出して売却した』『授業料を費消した』『物品を窃盗して、屑屋に売渡した』等の所言を根拠としても判断できる次第であるが……。

ゲームソフトを買うために、盗みや恐喝を行う子どももいる。宿題や習い事もさぼるようになる。

更に大正十五年(一九二六年)の東京府の活動常設館入場者、二千五百四十九萬千九百三十一人の昼夜の配分が、昼は千百三十六萬七千九百五十五人であるに、夜は千四百十二萬三千九百七十六人であるを、一覧しても判る如く、元来、充分の睡眠が肝要である、少年の夜を侵害して、強烈の刺戟を与ふる危険が、現代の活動写真の興行には、あるのである。従つて、現代の文化が「フイルム文化」であると云ふのが、事実であると、不良少年は、その活動写真映写の条件である「暗黒の所産」である「暗黒児」であると、見做さねばならぬ。

 ところが、ゲーム依存症やネット依存症に陥っていると、夜になると、また目が冴えてきて、ゲームやインターネットを際限なくやってしまうという悪循環から逃れられない。 学校や仕事に遅刻したり、休みが増えたりすることも、当然起こりやすくなってくる。勉強にしろ仕事にしろ、本来の能力が発揮できなくなっていく。成績や能率の低下、ぼんやりした表情や集中力を欠いた態度は、評価の低下を招き、よけい学校や仕事がおもしろくなくなる。本人も次第に自信を失い、ついには、不登校や失職という事態にも至ってしまう。

 嘗つて十四歳未満の不良少年二百人に就いて調査した結果、その七五%が、一週二回以上活動写真に行つて居るのは、活動写真が不良少年の禍因として、どれ程価値を持つかは別としても、ともかく、不良少年問題が、現代文明の色彩が濃厚の、社会問題であることを説明するのである。

 ゲーム、ネット、マンガともに、費やす時間が長い子では反社会的スコアが高くなる傾向がみられ、ことにゲームやネットを三時間以上する子では、その傾向が顕著であることがわかる。

 歴史は繰り返す。いつでも新しいメディアは、若者に悪影響を与えるといわれて目の敵にされているのだ。精神科医の考えることなんて、75年たってもあんまり変わらないってことですかね。

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