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7月31日(火)

山田風太郎死去
 大好きな作家ではあったのだけれど、あまりショックを受けたという感じがしないのは、やはりこのところ『コレデオシマイ』だの『ぜんぶ余禄』だの『死言状』だの『半身棺桶』だのと死を予感させる本ばかり出していたからかな。『柳生十兵衛死す』以来、小説は書いてなかったし。スポーツ新聞には「急死」という見出しがついていたけれど、この世ですべきことはすべて済ませ、すっかり死の準備を整えてから逝った、という印象がありますね。
 ご冥福をお祈りいたします。

 ……でも、これでようやく『忍法相伝73』が復刊できるんじゃないか、と思わず不届きなことを考えてしまった私である。

▼昨日の日記を読んだDJ.HANさんから再びメールが来ました。昨日の日記で「白手」を「ルームメイト」と書いてしまったのだけれど、それは間違い。本当は「ルンペン」「失業者」という意味でした。昨日の日記は訂正しました。
 また、7月28日29日の第1回韓国SFコンベンションには、300人くらいのSFファンが集まったそうな。第1回としてはかなりの大盛況といっていいんじゃないでしょうか。
 それから、HANさんによると、『宇宙英雄物語』は韓国では本当に売れない漫画で、ほとんどファンは自分一人だけじゃないか、と思われるくらいだったとか。確かに、キャプテン・フューチャーやレンズマンなどのスペースオペラがほとんど訳されていない韓国で、『宇宙英雄物語』が受け入れられるとは思えないよなあ。
 そんな環境の中で、このマンガを正当に評価しているHANさんの驚くべきオタク魂に幸あれ!

渋谷で妻が出くわしたのはこれだったか。

7月30日(月)

▼いや驚きました。
 7月23日から3日にわたって話題にさせていただいた韓国のアニメコラムの筆者DJ.HAN(ハンドンジン)さん自身から、メールと掲示板への書き込みをいただいたのだ。まさかご本人から反応があるとは思ってもいなかったのでたいへん驚きました。
 考えてみれば、DJ.HANさん、アニメ「キャプテン・フューチャー」の韓国語版を作成したくらいだから、当然日本語はわかるだろうし、アクセス解析をしていれば、自分のことが話題になっていることくらいわかってもおかしくはない。当然反応があると想定しておくべきだったですね。
 DJ.HANさんからは機械翻訳の訂正もいただきまして、ゲッターロボのコラムでは、「白寿伯母」ではなくて「白手百某」。「白手」というのは韓国語で「失業者」の意味だそうな。もちろん「学生おば氏」も間違いで、本来は「学生高某」氏だそうだ。
 さらに、自分は「オタク」じゃなくて、ただの「マニア」です、と強く力説しておられるのだけれど……もしかして、オタクという言葉は韓国では悪い意味で使われているんだろうか。私は、敬意をこめて「オタク」と呼んだつもりなんですが。
 ともあれ、DJ.HANさん、どうもありがとうございました。当ページでは、韓国SF界の発展を応援しています。

きまぐれにっきから、東日本フェリーのページへ。すごいや、これは。トップページから、「上のムービーが出力されない場合は、flashプレイヤーをダウンロードしてください」と来る。ムービーはいらない、という選択肢はないみたいだ。しかも、どこまで行っても重いページばかりで、テキストで一向に構わないページまですべてflash使いまくり、というユーザー無視の自己満足サイト。もうちょっと考えよう。

7月29日()

▼本日は、空想小説ワークショップのメンバーが集まって宇都宮邸でホームパーティ。私はイギリスビールを数本持っていったのだけれど、苦味の強い黒ビール中心のラインナップはやや不評。やっぱり飲みにくいですかね、黒ビール。私は好きなんだけどなあ。
 イギリス帰りの山口さんは、iBookを持ってきていて、デジカメで撮った写真のスライドショーを見せてくれる。大のアーサー王好きの彼女が訪れているのは、やっぱりティンタジェル城とか、アーサー王の墓があるといわれているグラストンベリとか。グラストンベリはヒーリングの聖地となっていて、そこいらじゅうにヒーリングショップがあったり、瞑想にふける若者たちがいたりしたとか。
 食事をしながらみんなで鑑賞したのは、シュワンクマイエルの粘土アニメや『タイタス』やら(見たことのある人はご存知の通り、どっちもグログロな映画である)。
 『タイタス』はもっと陰惨極まりない話だと思っていたのだが、物語も後半になって、タイタスの住む屋敷に、宿敵の女王とそのバカ息子二人が、神様のコスプレをしてのこのこ入ってくるシーンがあるのには驚いた。バカ息子二人を引き連れ、黒い衣装に身を包んだ女王の姿は、まるでドロンジョ一味。女王は、幻覚だと思わせてタイタスを狂気に陥らせるつもりだったらしいのだが……結局、バカ息子二人はあっけなく捕まってタイタスに喉をかき切られてしまうのだ。まあ、普通そうなるわなあ。
 これって……もしかしてギャグのつもりで書いたんですか、シェイクスピアさん。

7月28日(土)

▼妻は少年隊を見に青山へ。
 妻によると、渋谷駅前にはドクター中松がいたそうな。選挙カーのスピーカーからは、若い男の声で、
「やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松やっぱり比例はドクター中松」
 と延々とリピートしていて、信号待ちしている間、妻はすっかりそのフレーズが耳にこびりついてしまったとか。
 なるほど、さすがドクター、それが狙いか。
 でも、よく考えてみれば、それは麻原彰晃と同じ発想ですね。「ショーコーショーコー」の歌を今でも歌える人は多いけれど、結局選挙ではたいして得票しなかったと思うのだが。

▼夜からは有楽町に出て『ジュラシック・パークIII』
 シリーズも3作目ともなれば、もうマンネリ化してしまい、恐竜が動いているというだけで観客を驚かすことはできないし、恐竜との追いつ追われつで恐怖を盛り上げるのにも限界がある。実際この映画、大作ぞろいの今年の夏休み映画の中でもそれほど期待されているとはいえないのだけれど(先行オールナイトでも、先週の『猿の惑星』よりはるかに観客は少なかった)、なんと、これが期待を大きく上回る快作なのだった。
 成功の秘訣は、やっぱりシンプルさに徹したところでしょうね。恐竜と戦おうとか狩ろうとかそういう無謀なことをする人は誰もおらず(そういう人は最初でいきなり死んでしまうのだ)、人間は恐竜の前ではただただ逃げるだけ。登場人物も絞り込み、シンプルな家族再生の物語に徹している。
 前作『ロスト・ワールド』の登場人物は、私にはバカの群れとしか思えなかったのだけど、今回好感が持てるのは、登場人物がみなきちんとした理由に従って行動していること(本当は当たり前のことなんだけどね)。元夫婦の成長の描き方も、シンプルながら見事。情けなかった父親は家族を守るために囮になって奮闘するし、ヒステリックに叫ぶばかりで足手まといでしかなかった母親も、最後には冷静に恐竜に卵を返してやる。これは、別れた夫婦が成長し、絆を取り戻す物語だったのだ。
 『ロスト・ワールド』ではかけらも感じられなかったプロの科学者のプロらしさも、この映画では一作目同様見事に描かれている。この作品には、考えなしに恐竜の子どもを連れて帰るような馬鹿はいない。プロらしからぬ行為をする人はいるのだけれど、その愚かさはきちんと咎められるし、その行為を反省するところまで描かれるので違和感はない。
 上映時間も短いし、小ぢんまりとまとまってしまっている感はあるけれど、その分シーンにまったく無駄がないし、シリーズの過去の作品に対する敬意と、そして何より恐竜への敬意が感じられる作品に仕上がっている。
 しかしエリック君、あの島で2ヶ月間たった一人で暮らしていたなんて、ただ者じゃありませんな(★★★★☆)。

▼おととい韓国ネタはあと1回だけ、と言った舌の根も乾かぬうちに、また韓国の話。今回は、日本ではほとんど知られていない韓国SF界はいったいどうなっているのか、という話である(ただし、ハングルの読めない私は機械翻訳に頼っているので、根本的に誤解している可能性もないではない。こういう作業は、ほんとはちゃんとハングルが読める人がやるべきなんだろうけど)。
 長くなったので、別ファイルにしてあります。

7月27日(金)

▼映画を観に渋谷へ。東急東横店内にある中国茶房「邀月(ゆうげつ)」で飲茶をいただく。お茶の種類は豊富だし、点心はとっても繊細。おまけに内装は本場中国風、と言うことなしの空間なのだけれど、量は控えめなので夕食には向かなかったようだ。まあ、もともと点心で夕食をすませようと思うこと自体無理があったか。
 その後催事場で開かれていたアンティーク市を冷やかす。妻はガラス器やティーカップを見ていたが、私はというと、ささきいさおのゴールドディスクが売られていたのに吃驚。やっぱり本人が売ったのか。ちなみに65000円。
 さて映画はというと……。

▼クー!
 渋谷ユーロスペースにて『不思議惑星キン・ザ・ザ』を観る。旧ソ連で作られたカルトSF映画として有名な作品、ようやく観ることができました。
 いやあ、評判どおり凄い映画です。とにかく「クー!」に尽きますな。脱力するようなポーズに踊り、そしてわけのわからない小道具。ちゃちなんだけど、ぼろぼろに使い込まれて妙に生活感のあるメカの群れ。そして何よりも、全編に流れるマターリとした空気。ハリウッド流のサスペンスや緊迫感なんてものとは無縁ののんびりとした雰囲気に加え、脱力感をさらに高めてくれる絶妙な音楽。素敵です。
 実にでたらめでほわんとした話なのだけれど、これが後半になると少しずつ変わってくるのですね。もちろん、露骨に現実を諷刺するような無粋なことはしていないのだけれど、主人公たちの行動は少しずつ悲壮感を帯び始め、でたらめに見えた異星の二人組も実は哀しみを背負っていたことがわかってくる。そして意外にSF的な結末の不思議な感動。
 無意味な映画を作るのも簡単だし、説教臭い映画を作るのも簡単である。でも、無意味さと意味とが絶妙のバランスをとっているこういう映画を撮るのは、なかなかできることじゃないですよ。傑作(★★★★☆)。

こないだの『10月3日の目撃者』がなかなかおもしろかったので、エイブラム・デイヴィッドソンつながりで、エラリイ・クイーン『第八の日』(ハヤカワ・ミステリ文庫)(→【bk1】)を読む。この作品、クイーン名義だけれど、実はデイヴィッドソンの代筆だというのは有名な話。
 ま、代作とは言ってもダネイのプロットに基づいて書いた、とことだろうから、どこまでデイヴィッドソン色が出ているのか、と思って読み始めたのだけど、ううむ、こりゃミステリーというよりむしろ異世界ファンタジーでしょ。デイヴィッドソンの作品と言ってしまってもおかしくないほど、ファンタジー色が強い作品のように思えた。失礼ながら、こんな幻想的で不思議な味がダネイに出せるものだろうか。
 舞台となるのは、ユダヤ教のエッセネ派にも似た、砂漠の真ん中で共同生活を送る宗教的な小社会。犯罪という概念すらない社会で、なぜ殺人が起きたのか。謎を解くのはおなじみエラリイ・クイーンなんだけれど、結末ではミステリ的な論理の地平を離れ、物語は幻想の高みへと飛び立ってしまう。すなわちクイーン的な論理はこの作品では敗北してしまうのである。この結末も、ミステリ作家というよりは、ファンタジー、SF作家の発想のように思えるのだけどなあ。最後のオチも、デイヴィッドソンがユダヤ教徒であることを考えるとなかなか感慨深いものがある。いったい、デイヴィッドソンはどの程度プロットに関わっていたんだろうか。
 タイトルの「第八の日」については、解説には、安息日の次の日のことなんじゃないか、くらいの説明しかないのだけれど、このページによると、ヨハネの福音書に「さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、『あなたがたに平和があるように』と言われた(ヨハネ20・26)」とあることから、キリストが復活した日、という意味もあるそうだ。さらに、
七日で造られたこの世界に対し、第八日はそれを越える世界を指し示すのです。つまり古い創造による世界ではなく、新しい創造による来るべき世を指し示す日であるのです。第八日をそのようなものとして示されたのが、来るべき世の姿で現れた主の復活なのであります。それゆえ教会はユダヤ教の安息日である第七の日ではなく、主の復活を覚えて第八日目、すなわち日曜日に集まって礼拝をするようになりました。
 そういうわけで、古代の教会は「第八の日」を、復活との関係で重要視していたのだという。つまり、「第八の日」という言葉でキリスト教圏の読者が連想するのは、キリストの復活であり、復活を記念する「主の日」だというのだ。なるほど、そう考えるとこのタイトルに納得がいきますね。

▼坪内祐三『靖国』(新潮文庫)(→【bk1】)、武田雅哉『新千年図像晩会』(作品社)(→【bk1】)購入。

7月26日(木)

▼韓国ネタはもうやめようと思っていたのだけれど、あと1回だけ。
 今日は、韓国のジャンル小説ウェブマガジンemazine.comから興味深い記事を拾ってみます。

 田中芳樹『銀河英雄伝説』批評
 韓国の翻訳SF書影いろいろ。あんまり趣味よくないなあ。『虎よ、虎よ』の表紙が本当にトラ柄ってのはどうかと思う。『月は無慈悲な夜の女王』の表紙はなぜかハヤカワ版と同じ。
 韓国SF大会を100倍楽しむ方法という記事もありました。ここには韓国のSFコンベンション小史が載ってますね。
 謎の訳文からなんとか意味を読み取ってみると、韓国のSF事情はかなり劣悪で、現在SFを出している出版社はそれほどなくて、小規模出版社からゲリラ的にぽつぽつと出版されている、ということらしい。SF叢書は「グリフォンブックス」1つだけで、冊数はわずか17冊。ううむ、ハヤカワ創元がある日本はこれでも恵まれているのですね。他の出版社でも『ダスト』『キリンヤガ』『タナトノート』『世界終末十億年前』などが単発で出ているけれど、特にSFとは銘打たれていないことが多いようだ。
 そんな状況でも、韓国のSFファンたちはウェブを通じて絶え間なく自分のアイデンティティを証明し、凝集力あるファンダムを作り上げているそうな。そのファンダムの中心になっているのが、このあいだ紹介したjunksf.netであり、韓国SF大会もここが中心になって企画したらしい。
 その韓国SF大会で上映されるキャプテン・フューチャー(韓国語弁士つき)の予告編ムービー。画面の上にBS2って書いてあるんですが。

▼田中啓文『ネコノメノヨウニ…』(集英社スーパーダッシュ文庫)(→【bk1】)、ニール・ゲイマン『ネヴァーウェア』(インターブックス)(→【bk1】)購入。SFマガジン9月号も購入。

7月25日(水)

▼今日ももうひとつ、韓国コラムを紹介。
 今日のコラムは「出る!負けたゲエットアロボ!」。「負けたゲエットアロボ」というのは「真ゲッターロボ」のことらしい。なんだこの訳は。
 このコラムにはマジンガーZやコンバトラーVを愛する白寿伯母氏と、ミリタリーマニアで熱烈なガンダム支持者の学生おば氏(ヘンな名前だがそう訳されているのだから仕方ない)の二人のロボットマニアが登場。まず、白寿伯母氏の弟が、日本のサイトを見ていて真ゲッターロボのページを発見。
'ア、兄。これ見ろ。ゲッタロボが再び出るよ?"

その話を聞いた白寿伯母氏はさっと跳ね上がって喜んだ。

'アッ?本当であるか?イラルスが。[ジンズゲッタロボ]であると?題名から殺すだなあ。"

'これは、AFKNでゲッタロボGを見た以後に再び見たかったのに。再び続編を作る列(縄)なの。本当に期待されるのに?"

弟伯母氏が往事を回想するようにそっと目をつぶると、白寿伯母氏やはり相槌を打った。

'本当なの。その時本当に面白く見たよね。本当であって、にもとても久しぶりに言われる感激的なニュースログン。"

伯母氏はそのように呟いた。そう、これ本物期待になる品物(物件)であるのに?とても久しぶりにすてきな品物(物件)が出るようね。
彼(それ, その)はそのように考えて、その消息を学生おば氏に伝えた。学生おば氏は十狂的なスーパーロボット大田(大戦)の支持者として、その驚くべきな消息に歓呼の声から爆発させた。

'本当であるか?早くサブァヤうね!"
 しかし、その後、いちはやく「真ゲッターロボ」を見た学生おば氏は、こういって白寿伯母氏にビデオCDを貸すのである。
「めちゃくちゃであった。」

'めちゃくちゃ?"

学生おば氏はとまどう伯母氏にじっくり説明した。

「サオトメ博士がヘ博士になったただろう...」

'なに?"

「そしてゲッタロボが別なゲッタロボに機関銃(マシンガン)をぶんなぐり立ててすべて壊してしまう場面が出るのに、そこで本当に味が枝。」

'何だって?"

「アチェても確かに話して置くのに、これを借りてくれた日(私を, 刀)恨まなくてくれろ。」

実に凄まじい警告であった。白寿伯母氏が学生おば氏にそのような警告を言われたものは生まれて初めていることであった。彼(それ, その)はこれ以上上[ジンズゲッタロボ]について問い詰めることを諦めて学生おば氏と杯を傾けるしかなかった。
 そしていよいよ「真ゲッターロボ」を見た白寿伯母氏と弟。
しかし20初後、余りに衝撃的な主題歌前に白寿伯母氏と弟伯母氏は自然にタジョナオは失笑を堪えることができなかった。

「軍歌君。」

弟伯母氏が情けない表情で呟くと白寿伯母氏はこのように付け加えた。

'それも生半可な軍歌君。軍歌はあんなに呼べば中豚。船(お腹, 梨)に力を入れて叫びチドッ呼ばなければならないヌンガヤ..."

弟伯母氏は首(峠)を左右に振って振りながら言った。

「その上ゲッタロボはマントまでまとったね。」
 軍歌君って……。
 ついに内5篇まですべて見た後、白寿伯母氏は言葉(馬)なしにビデオCDを出した。弟伯母氏は席ですっくと立ち上がってぴったり一言を残した。

「この漫画映画で拾い上げる価値がある場面は女性がシャワーする場面だけであるね。」
 辛辣だなあ、弟伯母氏。

 そのほか、若者にまで熱烈な朴正煕元大統領崇拝者がいる、という社会現象と「北斗の拳」のケンシロウや「ガンダム0083」のアナベル・ガトーを結びつけたコラム「男行く道、寂しくて大変にも美しくなれ!」もおもしろい。政治問題とアニメを同列に論じるあたり、いかにもオタクらしいところですね。
 機械翻訳だと、「北斗の拳」のストーリー説明はこんな感じ。
彼は忘れてしまった自身の恋人(恋人),ユリアを捜して核戦争であばらになった未来の世界を流れて通う。いつも憂鬱な表情を作りながら安物な皮ジャンパ―の一着だけをガ―ルにして通う彼は世界の最高の拳法と称えられる[北斗神権]の唯一のの正統ギェスングザダ。 不意ロ―ンの仕業は絶対許さなく力無いひとびとを苦しめる荒くて残忍な悪党たちを見付ければ直ちにウットングを脱ぎ捨ててデコボコした筋肉を現わして[二所竜] 劣らない怪鳥ウムをジルロデンダ。そして悪党たちのヒョルドをチルロデンの次こういうせりふを吐き出す。
"あなたはもう死んだの。"
 なぜに女言葉?

▼この韓国コラム、この調子でいくらでも紹介できそうなんだけど、さすがにいつまでもこればっかり続けていると読者が離れそうなので、今日で終わりにしときます。続きはまたネタがなくなったときにでも<おい。

7月24日(火)

▼当直。

▼昨日の日記で書いた韓国の濃いオタク、ハンドングジン氏のコラムをいくつか読んでみたのだけれど、これが妙におかしい。原文のおかしさと機械翻訳文体のおかしさがあいまって、絶妙な雰囲気をかもしだしているのだ。たとえば、伊東岳彦の「宇宙英雄物語」について書いたコラムの冒頭はこんな感じ。
 1年余前,タケヒコの伊藤とは作家がグリ―ン[宇宙英雄伝説]とはドッドボも出来ない漫画1,2冊を弟(妹)がカ―ト―ンニストゲで(から)貸して来た時私の反応はこのようだった。

"悪寒が立ちこめる程度で幼稚だのね。"

 実に徹底的な物笑いしか出なかった。事実この漫画の幼稚なことは極地の星空にきらめき輝いて美しく輝くオ―ロラ位も巨大に輝いていた。女子高生のパンティ―をボッギョデは稚拙な商業主義こそそうだ打っても、少しも笑わさないひえひえするギャクがやたらにナンムハヌンデダのほとんど10三以下の児童たちにも通じ得るかんのむしナは言葉の遊びが続いた。
 丁度一言で。..幼稚ポンチャック。本当にウェンマンヘソンチァムアズル術オブウル位幼稚だった。

"それでも兄さんが好きなSFザンよ?"

弟はそういうこと聞き返したが私はシムドロングするだけだった。もちろんその漫画はSFだった。あまりおびただしく幼稚なSF。
 「悪寒が立ちこめる程度で幼稚」って……。ひどい言われようである。一言でいえば「幼稚ポンチャック」ですか。なんかわかる気がする。「ウェンマンヘソンチァムアズル術オブウル位幼稚」ってのがどのくらい幼稚なのかよくわからないのだが、とにかくものすごさだけは伝わってくる。
 しかし、その後ハンドングジン氏は「宇宙英雄物語」を全巻購入するのである。
 なぜか。
"私幼稚燦燗し限りない漫画は分明の誰もわかった見るんだな。フウム。あんなことこそ真ののコレクションがある価値がイッジ!"

そうだ。他人たちみな見て ナ他人たちみなすんでいる漫画を買う理由がなにがあるだろうのか?
 私が買わなきゃ誰が買う? 他人がみんな読んでいるマンガを買ってどうする!(たぶんそう言いたいのだと思う)
 おお、これぞオタク魂。そして、読んでいくうちに、彼は気づくのである。
[宇宙英雄伝説]は外観のように包むグリョSFは絶対ない。それは[ばりっとロジョス]、[フラッシュぐにゃぐにゃまで十分に煮込もうが]、[キャプテンピュチョ]と[レンズメン]のような苦戦(古典)スペースオペラのファンが創造して出した巨大なオマジュである同時にペロディであった。
 「ばりっとロジョス」ってのは「バック・ロジャース」、「フラッシュぐにゃぐにゃまで十分に煮込もうが」ってのは「フラッシュ・ゴードン」なんだろうなあ。しかし、なんで「ゴードン」がこうなるんだ。
 そして彼は、深い思い入れをこめてこう語るのだ。
 そうだ。幼稚ならばオトッダン言葉なのか。私もこれからはの偏見を捨てた。幼稚なものは時には良い数もある。真剣なものは私たちの想像の領域なかに泊まってるだけだ。幼稚なことこそ想像の領域私向こうで伸張する事が出来る可能性があるのだ。

 これからは幼稚だと無視した漫画たちをもう一度一度振り返らなくちゃ。そして...寝る前に[宇宙英雄伝説]を見ながら今は夢でも見えない過去(科挙)の破片を一度さらに振り返って笑い立てなければならない。
 日本のオタクなら、「宇宙英雄物語」を評価するのは別になんでもないことのように思えるのだけれど、まったく情報のない韓国で、彼は独力で「宇宙英雄物語」の魅力を発見したわけだ。彼の興奮が、この熱い文章に現れているではないですか。

韓国のSFファンが作ったSFクイズ。昨年行われた「SF人ののびやかな午後」なるイベントで使われたものだとか。わりと簡単。

7月23日(月)

▼ネットを徘徊していたら、www.junksf.netというページにたどりついた。
 どうやらタイトル通りSF関係のサイトらしいのだけど、文字は全部ハングル。まったく読めません。
 しかし世の中便利なもので、myPlanとかnetomoとか、ネット上には韓日機械翻訳サイトがいくつもあるのですね。さっそく翻訳にかけてみると、こうなった。下の方には、こんな注意書きが書いてある(以下の引用は、2つの翻訳サイトの出力を適当に取捨選択したものです)。
こちらはSF業界のごみの専門の取り扱いのサイトです。ごみは必ず分離収去してください。
 SF業界のごみ専門サイト! なんとなく親近感が湧いてきたぞ(笑)。
 編集後記らしきページには、こんなことが書いてある。
"ごみ溜め建立の反対に対して" 2001-01-24

ある日の外界人の侵攻を素敵な美少年の艦長が防ぎ止めようが
あらゆる数学公式と物理理論で地球を脱しようが
SFと関係したすべてのことを持って遊んでみようと作ったサイト?

SF搖りかごから墓場まで。

誰でも
何を思おうが
SFと一緒に生まれる事が出来て
SFと一緒に死ぬ事が出来る
そんな考えで作って行く所。

そこがJunk SFです。

行く人防がなく
来る人拒否しない
SF乱闘場にマムピョンヒはさんで
楽しさを共に享受してみられてほしいです。

編集頭目舌の平が書き。
 ところどころ意味不明だが、なんとなく言いたいことはわかるような気がする。
 ちなみに、編集長の「舌の平」氏のプロフィールは次の通り。
趣味: 地球逆転
職業: 地球人3鐘白寿ゾンビ
将来希望: 宇宙は私の海.行こう私の青春のアルカディアであり。
ハゴプン言葉: 私は死なない。それ故に存在する。
 やっぱり意味不明なのだけど(特に職業)、「将来希望」のところはよくわかるぞ(なんでこれが「将来希望」なんだかよくわからんのだが)。
 さて、サイトの内容なのだけど、これがけっこう充実しているのだ。「私は足指でもSFコラムを書く」というキャッチフレーズの「洪人気」という人は、未訳の海外SFレビューを書いていて、取り上げている本は、ロバート・チャールズ・ウィルスンの"Harvest"テリー・ビッスン"The Pickup Artist"チャールズ・ハーネスの"The Paradox Man"マイクル・スワンウィック"Jack Faust"などなど。なかなか渋いところを紹介してますね。韓国にも山岸真さんみたいな人がいるようだ。

 さらにすごいのが、「SFロマンを言う男」ハンドングジンという人の書いている漫画コラム。 あまりにも時代を先立ったのだろうか?[未来勇士ガイアス]なるタイトルのコラムで取り上げられているのは、ファンタジーブーム。どうやら、韓国でもファンタジーマンガがブームになっているらしいのだが、それはウルティマ・シリーズやイース・シリーズなどのRPGでファンタジーに親しんだ人が多いかららしい。このへんは日本と同じですね。しかし、「生半可な日本式のファンタジーの影響のためにファンタジーの本質をろくにわかります出来ない人が一つ二つのでないのことだ」のだそうだ。
そしてしばらく前ににはSFとファンタジーを結合した[天空のエスカプルロ当たり]のような漫画映画が出たりした。けれどもこの漫画映画は巨大ロボットが登場するだけであって、SFザックイン設定であると言う価値があることはほとんどなかった。殻はSFに包装したが内情は確かなファンタジーであったことである。アチェても[天空のエスカプルロ当たり]は日本はもちろん韓国でもかなり大きな人気を集めながら宣伝して映画(栄華)版図作られた。
 なるほど、エスカフローネは韓国でも人気なのか、ということがわかるのだが、これだけで驚いていてはいけない。実はハンドングジン氏が本当に書きたかったのは、ファンタジーブームのことでもエスカフローネのことでもなかったのだ。次の段落でハンドングジン氏は「実はエスカフローネに先立つ10年も前に、すでにロボットを登場させたSFファンタジーがあったのである!」とぶちあげるのである。
それは1992年にOVA(ビデオ専用(転用)アニメーション)に出された[Genesis Surviver Gaiarth]と言う漫画映画である。さらに驚くべきなものはこの漫画映画が日本で製作されたことでその年に韓国にビデオで出されたと言う実際である。一体どれほど人気がアブアッギルレすぐに韓国に輸出されたかけるだろうか?
 私はアニメにはうすいのでぴんとこなかったのだけど、ハンドングジン氏が書いているのは「創世機士ガイアース」というOVAらしい。韓国版が出ていたというのも驚きだが、日本でもほとんど忘れられているこのアニメについて、ここまで熱く語るハンドングジン氏にも驚きである。
このように[未来勇士ガイアス]はSFザックイン設定とファンタジーの世界観を有機的に結合させて最大限の上昇作用を起こすから、ボヌンこのに異様な楽しさを差し上げてくれる。このような面白みは別にある漫画映画でも探して見ることができないことである。
 とまで書いているのだけれど……そこまで持ち上げるほどの作品なんですか?

 このハンドングジン氏、かなり濃いマンガオタクのようで、ほかのページでは伊東岳彦『宇宙英雄物語』について熱く語っていたり、紗夢猫『FARCE!明智博士冒険記』を紹介していたり、高河ゆん『アーシアン』の魅力を語っていたり……。やるなあ、韓国オタクも。

▼さらにリンクをたどっていくと、Korea SF Conventionのページに。今年、韓国初のSF大会が開かれるらしい。開催日は7月28日29日……おお、今週末じゃないですか。
 企画はというと、「SFとファンタジー」についての講演があったり、「人造行星'Death Star'作り」があったり「SF図書及びカバ―ア―トの展示会」があったり。もちろん「蚤市場」もちゃんとある。日本と同じですね(規模はだいぶ小さいようだけど)。
 目玉企画はアニメ上映会みたいで、上映される作品は、
ブルセ2772 - 愛のコスモゾン(1980,デズカ五事務チォングガムドック、デズカ五事務原作)
ヴァンパイアのハンタ―のD (1985,キクチヒデユキの原作)
宇宙海賊のキャプテンハロックー '私の青春のアルカディア' (1981,リンタロオの監督,松本のレイジ―原作)
宇宙の戦死 (1988,アミノテツで監督,ロバ―トのA.下人ラインの原作)
距離の無法者 (年度不明,監督不明,CAPCOM原作) (「これはCAPCOMの人気アーケードゲーム「ストリートファイター」のキャラクターたちを無断盗用して作った韓国アニメーションです」だそうな。おい)
キャプテンのヒュ―チャ―- ハンドングジンビョンサパン
 最後の「キャプテン・フューチャー」の弁士を務めるのがさっきの「ガイアース」のコラムを書いていたハンドングジン氏。
'時は未来、舞台は宇宙…光さえうすぼんやりしていた闇の海を坊や(愛妓)、コメト号(戸, 湖)を運転して縫う男。宇宙最大の科学者、そして冒険家、カティスニュートン!しかし人々は彼(それ, その)を「キャプテンピュチョ」と歌うことであった!'
 なんだか、韓国のSF者となら、ともだちになれそうな気がします。
 しかし、この熱気、なんだかうらやましいなあ。確かに企画自体は大したことないし、規模も小さいのだけれど、最初の大会ならではの興奮が感じられるような気がする。日本じゃ毎年SF大会やセミナーが開かれているけれど、第1回SF大会の熱気だけはもう体験できない。
 当ページは、韓国SF大会を応援しています(なんか、ちゆ12歳みたいだな)。

7月22日()

▼妻がチケットを入手してきたので、ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルとフジ子・ヘミングのコンサートを聴きにいく。
 曲目は、バルトークのルーマニア民族舞曲、ベートーベンの交響曲第2番、シューマンのチェロ協奏曲、グリーグのピアノ協奏曲。曲目を見ればわかるとおり、フジ子・ヘミングが登場するのは最後の1曲のみ。
 私は寡聞にしてフジ子・ヘミングという人を知らなかったのだけれど、なんでも今巷で大人気のピアニストで、彼女のアルバムはクラシックとしては異例の売れ行きであるらしい。会場は満員で、フジ子・ヘミングが登場すると会場全体から激しい拍手が湧く。なるほど、ものすごい人気である。
 これほど人気があるからには、よっぽどすごい演奏をするのだろう、と思っていたのだけど、実際の演奏を聴いて、よくわからなくなってしまった。なぜこの人にこんなに人気があるの? まあ、私はそれほどクラシックを聴きこんでいるわけではないので、彼女の演奏が果たしてどの程度のものなのか評価することはできないんだけど、素人の感想としては、ミスタッチも多いし、それほど特筆に価する演奏とも思えなかったんだけど……。
 あとでパンフレットの略歴を見ると、どうやら、彼女については、NHKのドキュメンタリー番組で紹介された波瀾万丈の経歴や、難聴を克服して再デビューを果たしたあたりが感動的であるらしいのだけれど、本人の経歴と演奏は関係ないだろう。芸術家の人格と作品が関係ないように、演奏家は演奏がすべてじゃないのかなあ。
 なんでこの人にそんなに人気があるのか、私にはよくわかりません。

ポール・ジョンストン『ボディ・ポリティック』(徳間文庫)(→【bk1】)読了。
 2020年、近未来のエディンバラを舞台にしたハードボイルドなのだけれど、この話、設定がなかなかすごい。
 皇太子(名前は出ていないが、どう考えてもチャールズである)の離婚と、その後の麻薬王の娘との再婚により、イギリス国民は古い秩序にすっかり愛想をつかしてしまう。2002年の最後の戴冠式のあと、暴動によって宮殿は廃墟と化し、暴徒たちは国会議員はを議事堂に閉じ込め、議事堂を焼き尽くす。すでにガタガタだった連合王国は崩壊し、数十の都市国家に分裂し、イギリスは内戦状態に突入。
 2020年のエディンバラでは、『啓蒙』なる党が支配する全体主義体制が敷かれていて、テレビや車、コンピュータ、外貨などの個人所有は禁止されている。住民は、一般市民とエリート階級の予備隊員に厳しく分けられていて、相互の交際は禁止。予備隊員も、週に1回の「セックス・タイム」以外のデートは禁止。主産業は観光で、外貨獲得を目的に、一年中フェスティヴァルが開かれている上、売春事業まで国家が管理している。
 このエディンバラで、毎週木曜日に、肉体の一部を摘出した上で絞殺するという残虐な連続殺人が発生。主人公がそれを追う、という話になるのだけれど、正直言って、特異な舞台設定にくらべて、事件の方はありきたり。主人公のキャラクターも、いかにもなハードボイルド・ヒーローで、それほど魅力は感じられない。

7月21日(土)

『千と千尋の神隠し』を観る。
 少女が迷い込んだ世界、そこは黒柳徹子(声・夏木マリ)が支配する異世界「徹子の部屋」だった! 少女は果たして徹子の部屋から脱出できるのか? そして黒柳徹子はいったい何歳なのか?
 嘘です。
 本当は、この映画の異世界は遊郭風というか旅館風なのですね。昭和初期の香り漂う豪壮な和風旅館というのは、確かに異世界としてもってこいかもしれない。そこに妖怪やら神々やらを配置して、ちょっと今まで見たことのないような世界を作り出しているのは見事。これは絵の力ですね。そのほかにも、水上を走る列車や、おなじみの飛行シーンなど、印象に残る場面は山ほどあります。このどこか懐かしいのだけれど見たことのない不思議な映像だけでも、この映画は見る価値がありますね。
 ストーリーの方はといえば、言ってみればありがちでわかりやすい成長物語。こういう話ってのは、今までにも何度も繰り返し語られてきたものなのだけど、この映画では面倒な導入部は省いて、冒頭一分ほどでいきなり異世界に突入させてしまういさぎよさ。「名前の持つ力」だの「決して振り返ってはいけない」の、民俗学や神話から借りてきたような設定も目立つし、「子供のしつけはしっかり」とか「自然を大切に」とかわかりやすいメッセージもいくつか入っているのだけれど、それほど説教くさくならず、違和感なく物語に溶け込んでいます。
 『もののけ姫』はあまりのシリアスさ、テーマの重さに観ていてちと疲れてしまうようなところがあったけれど、今回はユーモラスなシーンやかわいいキャラもたくさん出てきて、『もののけ姫』よりはるかに肩の力を抜いて見られる映画になってます。今のところこの夏の大作映画の中では最高の出来(★★★★☆)。

▼続いて、先行オールナイトで『猿の惑星』を観る。ティム・バートン監督の最新作。しかも特殊メイクは、『グレイストーク』や『マイティ・ジョー』など「猿を作らせたら世界一」のリック・ベイカー。こりゃ期待するな、という方が無理な話なんだけど……。
 どうも、この映画、ティム・バートンらしさが全然感じられないのですね。色彩へのこだわりやアウトサイダーの哀しみなど、バートン映画につきものの要素はほとんど見られないし、登場人物同士の葛藤も希薄。なんだかローランド・エメリッヒが監督したみたいな大味な映画になってしまっている。そういや虐げられた人類が別世界からやってきた主人公に率いられて、支配民族に反乱を起こす、というストーリーはなんだか『スターゲイト』みたいだし。
 結末はもちろん前の映画とは違うのだけれど、衝撃力は全然なし。というより、どう解釈していいかよくわからず、納得がいかないのだ。
 ティム・バートンに対しては相当に愛のある私でさえ、この映画には高い評価はつけられません(★★☆)。
 そうそう、プログラムには大森望さんが解説を書いてます。ただ、解説を書いた時点ではまだ映画を観ていなかったらしくて、原作の解説に終始しているのだけど。


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