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4月29日(火)

▼ 千駄木に新しくできた四川料理店「成都」で夕食。一見街の小さな中華屋風なのだけれど、驚いたことに、出てくる料理は実に本格的。チンゲンサイの炒めものはとり油のソースが絶品だし、この店の名物である麻婆豆腐は舌にピリピリするくらい山椒が効いていて、ちょっとほかでは食べたことのないような味である。近いのはお台場の陳麻婆豆腐の味だけれど、ここの麻婆豆腐はお台場ほど辛すぎはしない(辛いことは辛いが)、絶妙な味なのですね。
 さらに、この店は味だけじゃなくて、ご主人のキャラクターもなかなか強烈。この店に来るのは二回目なのだけれど、なぜか毎回、厨房からご主人が出てきて話しかけてくるのですね。
 ご主人から聞いた話によれば、なんでもご主人はかの陳健民の兄弟弟子だそうで、かつては大手町に高級中華料理店を構えていたのだそうな。その後ハワイで十数年料理を教え、日本に戻ってきて開いたのがこの店なのだとか。
 ご主人は、この店の麻婆豆腐に使っている山椒の袋を見せてくれたのだけれど、これが「陳建一専用」「極品」と書いてある代物。さらに、どうも麻婆豆腐が出てくるのが遅かったと思ったら、納得のいく味が出せず、三回作りなおしたとか。まさに頑固職人である。
 雑誌にでも紹介されたら絶対に混みそうな店なので、今のうちに行くべし。
 しかし、帰り際にご主人に、あなた医者でしょう、と職業を当てられてしまったのには驚いたよ。そんなに医者っぽく見えるんですかね。

▼きのうのフセインのファンタジー・アートですが、これぞフセインがセックスと暴力にとりつかれている証拠だ! なんて鬼の首でも取ったように書き立ててる人もいたりして(半裸の美女とモンスターがSFやファンタジーのイラストじゃ定番だってことを知らないのかね)、ちょっとしたファンタジー・アート・バッシングが始まりそうな予感。突然「サダムお気に入りの画家」にされてしまったロウィーナさんも実に気の毒(このロウィーナさんですが、ハヤカワ文庫版のシマック『法王計画』の表紙がこの人ですね。この絵ではあんまりロウィーナらしさが出てませんが)。
 ロウィーナの作品ギャラリーはこことかこことかで。
 それから、ここで、フセインのファンタジー・アート・コレクションのスライドショーが見られます(slideshowをクリック)。

4月28日(月)

お尋ね者トランプその3。ブッシュはクラブのエースかい。

▼アメリカのファンタジー画家ロウィーナの作品2点が、イラクのサダム・フセインが愛人と過ごしていた部屋で見つかったとか(写真その1その2)。フセインが持っていた絵はこれこれ。ドラゴンを描いた方は、何年も前に日本人のコレクターが2万ドルで買ったものらしい。その後どのようにしてフセインの手に渡ったのかは不明。ロウィーナは、ファンタジー系のカバー・アートで有名な画家(マキャフリーの本の表紙とか描いてます)で、SFコンベンションでよく展示会を開いているとか。
 なるほど、独裁者がヒロイックな(でもどこか安っぽい)ファンタジー・アートを好むというのは実にわかりやすい。これぞまさにリアル『鉄の夢』。そういえばフセインは小説家でもあるそうだし、ヒロイック・ファンタジーの原稿でも残ってないだろうか……。
 元ネタは、ブルース・スターリングのweblogより。

4月27日()

▼「文京つつじまつり」の開かれている根津神社へ。境内には屋台が並んでいたり猿回しが来ていたりと縁日気分。しかし、タイラーメンや中華風の不思議な食べ物の屋台があったりと、屋台も様変わりしてますな。つつじは満開の木もあるけれど全然咲いてない木もあったりで、満面のショッキングピンクとはいかないのがちと残念。来週あたりちょうど見ごろになるのかな。
 私は神社に行くと絵馬を眺めるのが趣味なのだけれど、この神社の絵馬は、「お母さんの病気が早くよくなりますように」だの「裁判の無事決着をお願いいたします」だの「○子が昔のやさしく元気な○子に戻りますように」だの、洒落にならない重い願い事ばかり。へらへらと笑ってみていられるようなしょーもない絵馬はほとんどなし。興味本位で絵馬ウォッチングをしようとしていた自分を恥じ、早々に立ち去ったのでありました(とはいっても、次に神社へ行ったらまた見てしまうのだけど)。

自動お絵かきプログラムAARON君。『コンピューター画家アーロンの誕生』(紀伊國屋書店)という本も出てるほど有名なアーロン君。リンク先のサイトではオンライン版アーロン君が絵を描いてくれる上、シェアウェア版のアーロン君(試用期間は3日のみ)もダウンロードできます。まあ、出力されるのは下手くそな人間と植物を描いた似たような絵ばっかりで、正直いってあんまりいい絵とは思えないんですが。しかも、こっちにできるのはただ絵を描くのを見てることだけ。パラメータを変えたら画風が変わるくらいのインタラクティヴな工夫はあってもいいと思うんだけどなあ。もしかしたら100年延々と描かせていたら1枚くらいははっとするような絵を描いてくれるのかも。
 私も昔、俳句ジェネレータを作ったことがあるのですが、キーを押し続けて何十句も作っていくと、たまになかなかいい句が詠まれたりしたのですね。だから、コンピュータが優れた芸術を創作する可能性は充分にあると思っているのですが、その場合でも創作の主体はあくまでコンピュータではなく、プログラムした人間と、出力された作品をセレクトする人間の側にあると考えるべきでしょう。コンピュータが自発的に創作してくれる域はまだまだ遥か先。
 ところで、誰かこれを応用して萌え絵ジェネレータとか作ってくれないでしょうか。

4月26日(土)

桐生祐狩『フロストハート』(角川書店)読了。先に、『剣の門』(角川ホラー文庫)を読んで、そのあまりに奇天烈な展開に仰天したのだけれど(書評はSFマガジンに書きました)、前作であるこの作品も輪をかけたものすごさ。一見オシャレですっきりしたタイトルと表紙からは、まさかこんなトンデモない話だとは誰も想像できないに違いない。
 須藤千香子の両親は、腎臓病の弟のためにオーストラリアに滞在して移植のドナーを待っている。両親にお金を届け、単身オーストラリアから帰国した千香子は、駅でたまたまぶつかった男と一緒に喫茶店へ。喫茶店の中で、千香子は30代になった自分が南国のリゾートで優雅にすごしている未来の光景を目にする。我にかえって店を出ると、さっきまで一緒にいた男がいきなり死んでいて、タイミングよく現れた怪しい救急車で運ばれていく……と、冒頭からこれでもかというほど唐突きわまりない展開に、読んでるほうは混乱寸前。
 しかもこの主人公、頭が悪い上に、自宅で国際電話をかけるのがもったいないからといって隣の家に電話を借りに行ってしまうようなとんでもない女だし、さらには何度も妊娠を繰り返しては胎盤を売っている姉だの、新興宗教にはまっている叔父だの、奇岩マニアの医師だの、出てくるのは強烈なキャラクターばかり。中盤からは物語はSF方面にも足を踏み入れ、さらに予想不能で常軌を逸した展開に。物語は拡散に拡散を重ねたあげく、きちんと落ちてるんだかなんだかよくわからないラストを迎える。
 このむちゃくちゃさの前には、もうあらゆるツッコミは無意味。「そんなアホな……」、と最大の賛辞を捧げるしかない。発売時にはまさかSFとは思わずチェックしなかったのだけど、こんな話ならSFマガジンのレビューで取り上げるべきだったなあ。この作家は今後も要チェックです。

▼"All your base are belong to us"なんですが、私もこういうflashを見れば、あー文法が間違ってるのかー、そういやbaseは複数形じゃなきゃね、あとbelongは動詞だからareはいらないのね、とわかるものの、普通の英文の中にこういう文が混じっていたとしたら、全然間違いに気づかず読んでしまうかも。文法的に間違ってる、ということに気づいたとしても、笑えるというところまではとてもいかないですね。

サンドイッチを食べている女の子の画像リンク集。世の中にはいろんな趣味があるものです。あと、歯を磨いている女の子画像集とかヘッドホンをつけている女の子画像集とか。

世界の擬音語コレクション。猫や犬の鳴き声、救急車の音など、世界の国々での擬音語が聴けて楽しいサイト。でも、へびの「にょろにょろ」ってのは擬音語と違う気がするのですが。

4月25日(金)

『シカゴ』を観てきました。なるほど、確かにこれはアカデミー賞受賞もうなずける傑作。愛人を射殺した女が悪徳弁護士と組み、マスコミの寵児となってのし上っていくという頽廃と狂騒の物語なのだけれど、ジャズのリズムが魅力的だし演出のテンポも抜群。今まで普通に芝居をしていた登場人物がいきなり歌いだすような不自然さもなく、ミュージカル・シーンをイメージとして無理なく物語に溶け込ませていたのもお見事。
 主演のレニー・ゼルウィガーはいつものように困ったような顔で、おバカで夢見がちな女を好演(歌とダンスも意外にうまい)してるのだけど、この映画では完全に助演のキャサリン・ゼタ=ジョーンズに食われてますね。冒頭の"All That Jazz"からして、もうキャサリンの大迫力に釘付け。しなやかな体の動きは、さすが『エントラップメント』で赤外線をよけてただけのことはあります。アカデミー助演女優賞を獲るのも当然の名演です。
 観ていて思い出したのは、同じミュージカル映画(ただし「暗黒ミュージカル映画」)の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。主人公が夢見がちなおバカさんなところとか、主人公が逮捕されて死刑を待つ身になってしまうあたりがよく似ています。もちろん本場アメリカの『シカゴ』ではたとえ逮捕されても「ミュージカルの論理」に従って明るく狂騒的に進行していくのに対し、北欧のトリアーはそうした展開を排し、ひたすら地を這うように現実的な物語を紡いでいくだけれど。『シカゴ』の原作ミュージカルがリバイバルヒットしたのが1997年で、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が2000年だから、おそらくフォン・トリアーは『シカゴ』を意識した上で映画を作ったのでしょうね。もしかしたら、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は『シカゴ』へのアンチテーゼだったのかも。

ALL YOUR IRAQ ARE BELONG TO US。アメリカ人って本当にこのフラッシュ大好きなんですね。元ネタについてはこちらを参照のこと。

イラク「お尋ね者」トランプふたたび。こちらのトランプは、今のところ52枚にはちょっと数が足りてません。

▼今日の毎日新聞の社会面にでかでかと「羽生の攻め、森内の受け」という見出しが。将棋の名人戦の記事なのだけれど、これを見てヨコシマな想像をめぐらせた人が全国に100万人はいたとみた。


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