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4月30日(火)

▼そろそろ、ゴールデンウィークというやつは廃止してしまってもいいんじゃないか。
 だいたい、連休になど外出しようものなら、どこへ行っても人ばかりでうんざりしてしまうものである。混雑。渋滞。もうたくさんだ。民族大移動のごとく連休になると国民全員が(いやもちろん連休に働いている人だって多いわけだし、出かけない人だっているのだけれど)一斉に出かけ、連休が終わると一斉に帰ってくるというのは、あまりにも美しくないと思うのだ。
 いや、だからといって連休などいらない、と言っているわけではない。休みはほしい。連休だったらなおうれしい。当たり前である。
 そもそも「国民の祝日」というシステム自体考え直した方がいいんじゃないか。国民みんなが国家の設定した祝日を休む、なんてのは馬鹿げているんじゃなかろうか。それより、1年分の休みをそれぞれ好きなところに設定して休むというシステムにした方がよくはないか。祝日として設定されてなきゃ休む大義名分が立たないなんて、今どきそんな時代でもないだろう。休む日くらい自分で決めて休みたい。
 まあ、学校などカリキュラムがあるようなところでは全員が同時に休んだ方がいいし、そうなると親も子どもと同じ日に休んだ方がいい……という具合で、実際にはなかなか個人個人が好き勝手に休むというわけにもいかない場合もあるだろう。それなら、東京都は5月第1週がゴールデンウィーク、埼玉県は5月第2週がゴールデンウィーク、という具合に都道府県ごとに連休を分けたらどうか。これなら家族みんなで同じ日に休めるだろう(子供は埼玉県の学校に通い、親は東京都の会社に通勤しているような人の場合はまた別途考えるものとする)。
 少なくとも、全国民がゴールデンウィークに集中して休む、というバカバカしいシステムは、そろそろなんとかしてほしいのだけどなあ。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』の続編『二つの塔』は世界貿易センタービルへのテロを思い出させるから改名しろ、という署名運動。現在のところ、951人の署名が集まってます。50年も前につけられたタイトルに難癖つけられてもなあ。
 それに対抗して、テロとは全然関係ないんだから改名する必要なし、というまっとうな署名運動も。こちらは178人。もうちょっと頑張れ。

4月29日(月)

▼新宿で、SFセミナー最終打ち合わせ。今年は昼企画に負けず劣らず夜企画も豪華。詳しくは当日のお楽しみだけれど、上映会もいろいろと。

谷田貝さんのところの「看護師」の話題だけれど、うちの病院でも、この春から婦長さんのことを「師長」と呼ぶようになりました。でも、「師長」だと、「看護師」だけじゃなく、「医師」の長でもあるみたいだし、「師」に「長」といかめしい漢字が並んでいて、なんだか威圧感があります。なんだか私のような下っ端医師なんかじゃとても太刀打ちできそうにないイメージ。いや、婦長さんだった頃も頭が上がらなかったんだけど。
 私としては、医師の長は「医長」と呼ばれているのだから、看護師の長は「看護長」が適当だと思うんだけれどなあ。女性もいるから「士」じゃなくて「師」というのも実は変で、「理学療法士」とか「臨床心理士」とか「精神保健福祉士」みたいに、女性もいるけど「士」と呼ばれている職種もけっこうありますよね。

▼MP3プレイヤーを買う。
 買ったのはアイ・オー・データ機器のHyperHyde Exrouge、別名「赤いポケベル」。128MBのMMC付きのタイプ。外見はちょっと安っぽいけれど、イヤホンさえいいものに替えればけっこういい音がしますね。操作キーの割り当てや起動音までカスタマイズできるあたりのマニアックさは、大手家電メーカーの製品とは一線を画しているところ。めんどうな著作権保護機能がないのも、ユーザーとしてはありがたいところです。これで、転送スピードさえもう少し速ければなあ……。
 早速、「空想X」、藤田陽子「スフィア」、CHAPPIE「Welcoming Morning」、「the never ending rainbow」などなどpal@popのプロデュース曲だの、桃井はるこ「I・CHI・GO・GO! GO!」だの、遊佐未森だのソ連KGB愛唱歌だの、あんまりメジャーでない曲ばっかり入れて聴いてます。

4月28日()

▼えー、エフィンジャー死んじゃったの? 1947年生まれだから、まだ55歳じゃないか、早すぎるよ。

▼上と同じページでネビュラ賞が発表されてますが、『グリーン・デスティニー』が受賞しているのは納得いかんなあ。アメリカ人は、なんでそんなにあの映画が好きなんだろうか。そもそもあれのどこがSFなのか。

▼アメリカには、CleanFlicksといって、映画のビデオを送ると、セックス、ヌード、暴力、残酷シーン、冒涜的な台詞を削除したバージョンを作ってくれる商売があるらしい。もともとはユタ州のモルモン教徒が始めた商売で、聖書の影響の強いアメリカ南部を中心にチェーン展開しているみたいですね。商品リストを見ると、『エイリアン』とか『羊たちの沈黙』とか、『プライベート・ライアン』なんかまであるんだけど、残酷シーンなしの『エイリアン』のどこがおもしろいんだろうか(さすがに『ハンニバル』はないようだけど)。
 もちろん私はこんなつまんなそうな削除バージョンは見たくもないのだけど、残酷だから上映するなと抗議したり実力で阻止したりするんじゃなくて、自分たちの気に入るようなバージョンを作るというのは、主義主張の異なる人間が平和的に共存する方法としてなかなか優れているのではないかと思います(著作権上の問題はまた別だけれど)。

うわさとニュースの研究会の川上善郎さんが、黄色い救急車についての聴き取り調査をされたそうです。それによると、「某女子大学で調査したところ、86名の出席者のうち知っていたものは13名(15%)であった」とか。若い世代にはあんまり知られてないのね。

▼コンビニで週刊現代を立ち読みしたら、宮部みゆきさんの『ICO 霧の城』が始まってました。しかしこういう週刊誌でファンタジーってのも違和感が。いったい週刊現代読者の何割が『ICO』を知ってるんだろうか。

4月27日(土)

▼品川に新しくできたアイマックス・シアターで、3D映画『スペースステーション』を観てきました。国際宇宙ステーションの組み立て過程を3D映像で綴ったノンフィクション映画で、ナレーションはトム・クルーズ……なのだけれど、日本版は吹き替えなので、トム・クルーズの声は一切入ってません。
 やっぱり大画面に宇宙はよく似合う。しかも3Dとなればなおさらである。地球を背景にした宇宙遊泳シーンといい、打ち上げシーンといい、迫力満点。大画面のアイマックスがもっともよく生かされた映画なんじゃないだろうか。お薦め。
 でも、無重力のステーション内でポップコーンぼろぼろこぼしながら食べてるのはどうかと思うんだが>アメリカ人(★★★★)。

▼続いて、有楽町に出て本日公開の『アザーズ』を観る。『テシス 次に私が殺される』『オープン・ユア・アイズ』の才人アレハンドロ・アメナーバル監督(まだ29歳!)の最新作。私はこの監督が大好きなので、以前から公開を楽しみにしていた作品である。
 舞台は1946年のイギリス、ジャージー島。霧に包まれた屋敷に住む母親と二人の子供、そして見え隠れする幽霊……と、まさに古典的英国怪奇小説の雰囲気。グロテスクな映像でもショッキングな演出でもなく、ちりちりとした不安を感じさせる描写を積み重ねることによって醸し出される恐怖。うまいなあ。
 結末のどんでん返しは途中でわかってしまう人も多いと思うし、ネタ自体は某大ヒット映画とも共通しているのだけれど、別にどんでん返しそのものが主眼の映画ではないので、それは問題ではないでしょう。余韻を感じさせる哀切きわまりない結末が絶品(★★★★☆)。
 ところで、この映画、「ゴシック・ホラーの傑作!」とかいう宣伝文句がついてるのだけれど、私にはあんまりゴシックとは思えなかったんだけどなあ。この場合の「ゴシック・ホラー」というのはいったいどういう意味なんだろうか。私には、この映画はむしろゴシックよりもその後の英国怪奇小説に近いと思ったのだけれど。

4月26日(金)

▼電車の中吊りを見ていたら、週刊現代の広告に、宮部みゆき『ICO 霧の城』連載開始! とか書いてあってびっくり。
 宮部さんといえば知るひとぞ知るゲームマニア、このへんでICOを大絶賛、「ああ、ノベラゼイションしてぇ!!」とまで書いてましたが、ついに念願かなったわけですね。しかし週刊現代でICOをやりますか。

▼『13日の金曜日 PART10』こと"Jason X"の予告編。今度はSFだ! 宇宙船でホッケーマスクっていくらなんでも……。ものすごいバカ映画の予感。

4月25日(木)

野尻抱介『太陽の簒奪者』(早川書房)(→【bk1】)読了。まあ、くわしくはSFマガジンに書くとして、簡単な感想などを。
 これぞまさに、ど真ん中直球のファースト・コンタクトSF。日本SFというよりは、海外SFを読んでいるような感覚ですね。心理学の分野に出てくる「心の理論」を異星人とのファースト・コンタクトに持ち込んだ発想もなかなかおもしろい。ただし、欠点はあまりにも短くて物足りなさが残ること。デイヴィッド・ブリンとかグレゴリイ・ベンフォードだったら、同じネタで分厚い文庫本上下2巻分は書くね(で、さらに続編を2冊くらい書いたりするかも)。いや別に長けりゃいいというわけじゃないのだけれど、人物描写とか、社会情勢とか、もう少し丹念に書きこんでほしかった、と思うところも多いのです。

▼妻は、子どもの頃「サンダーバード」は外人が演じていると思っていたのだそうだ。「あれ、人形かな?」と思ったものの、じっと画面を見て、「やっぱり外人だ」という結論に達したのだという。動きがカクカクしているのも、外人だからだと思っていたとか。

▼ニール・スティーヴンスン『クリプトノミコン1』(ハヤカワ文庫SF)購入。

4月24日(水)

▼「SF税」というのはどうか。
 SF小説、SFマンガ、宇宙科学本に1%の税金をかける。収入は「宇宙特定財源」として、宇宙開発の振興に使う。我々がSFを買うたびに、宇宙開発に貢献するというわけである。宇宙開発に興味のある(と思われる)人間が、宇宙開発を支える、という仕組みである。
 実はこれ、別に私の思いつきや与太話のたぐいではなく、アメリカの共和党下院議員候補マイケル・ウィリアムズ(28歳)の提案なのである。彼は、SFに「NASA税」をかけ、予算不足に苦しむNASAの財源にしようと考えているのである! なんでも、SF以外にも宇宙関係のおもちゃ、パズル、ゲームなどにもこの税をかけよう、という提案らしい。
 まあ、道路整備の費用を道路利用者が負担するように、宇宙開発の費用は宇宙に興味の人間が出せ、という発想はわからないではないのだけれど(受益者負担? でも、宇宙開発の受益者って、SF読者なのか?)、SF税程度じゃ宇宙開発の費用はとても賄えそうにはない。日本の場合、2001年の宇宙開発事業団の予算は2082億円だけど、それが1%とすれば、20兆8200億円。SF関連商品の定義をめいっぱい広く取ったとしても、とてもじゃないけどこんなに売れてないでしょう。アメリカのSF市場がどの程度のものなのかよく知らないのだけれど、1%程度の税金じゃ、NASAの予算145億ドルのごくごく一部にしかならないんじゃないだろうか(SF映画にも税金をかければけっこうな財源になるかもしれないが)。
 でも、これが成立すれば、少なくとも「これはSFじゃない」という不毛な議論はなくなりますね。SF税のかかっている小説がすなわちSFなのだから。しかし、政府がSFかSFじゃないか決めるってのもイヤだなあ。財務省の外郭団体としてSF審議会か何かができて「これはSFだから課税対象」とか決めるんでしょうか。日がな一日小説を読んでSFかSFじゃないか判定する仕事。いいかも。
 「この作品はとうていSFとは認められないから税金も払えん!」とか、税金不払い運動が起こったりするかも。

ホワイトハウスの上級部長にモリアティ氏が昇格。ジェームズ・モリアティ。かの「犯罪界のナポレオン」と同姓同名です。小さい頃からからかわれていたんだろうなあ。たぶん、あだ名は「教授」。

▼唐沢なをき『カスミ伝△(2)』(講談社)、島本和彦『吼えろペン(4)』(小学館)、須藤真澄『振袖いちま(1)』(エンターブレイン)、鶴田謙二『アベノ橋魔法☆商店街』(講談社)購入。

4月23日(火)

▼読めない名前がある。
 たとえば、「田中宇」。
 ご本人にはたいへん失礼な話なのだけれど、本やウェブで田中宇という名前を見るたびに、どうしても頭の中で「たなかう」と読んでしまうのである。いや、調べればわかるんだろうし、実際何度か調べて「ああ、こう読むのか」と得心した覚えもあるのだけれど、どうしても「田中宇」という字面を見ると「たなかう」という読みが思い浮かんでしまうのだ。
 いつか田中宇氏に会うことがあったら「たなかうさんですね」とか言ってしまいそうで怖い(たぶん会うことはないと思うけれど)。
 同じように、
 内田樹は「うちだき」
 池内紀は「いけうちき」
 と(心の中で)読んでいる。確かどちらも読み仮名を見た覚えがあるのだが、すぐに忘れてしまうのである。だから、こうやって文章では内田樹について話題にすることはできるのだけれど、話そうとすると「ほら、あの、うちだ……」としどろもどろになってしまうはずだ。
 さすがに、斎藤環は「さいとうたまき」と読めるようになったのだが、以前は「さいとうわ」と読んでました。ああ、よかった。本人に会う前にちゃんと読めるようになってて。

 しかし、森山さんが内田樹を読んでいて私を連想したというのはどういうわけなんだろうか。気になるなあ。

 すいません、今日は別に結論もオチも何もありません。

▼アメリカのとある小学校では、プライバシー保護のため、成績上位者リストを公表しないことにしたのだとか。公開するのはイニシャルとか部屋番号だけにして、フルネームは公開しないことにしたのだそうだ。日本の感覚からすると、これがニュースになること自体驚きなのですが。
 そういえば、昔の学園マンガには、試験の順位が廊下に貼り出されていて「また○○が1位かよ〜」とかいうシーンがよくあったものですが、そういう学校って、今もあるのでしょうか。私の学校ではそういうことはしていなかったのだけれど。

日本の片付けられない女たち、世界へ羽ばたく!

4歳の女の子が、双頭のミュータント蛙を発見!という記事と、その訂正記事ミュータントじゃなくて交尾中でした

▼池袋リブロでハヤカワSFシリーズJコレクションを見つけるも、非常に見つけにくいところにひっそりと積まれていたので悲憤慷慨する。これじゃ売れないって。もうちょっといい場所に置いてくださいよ、リブロさん。
 リチャード・E・シトーウィック『共感覚者の驚くべき日常』(草思社)、中井久夫『清陰星雨』(みすず書房)(→【bk1】)購入。北野勇作『どーなつ』(→【bk1】)、野尻抱介『太陽の簒奪者』(→【bk1】)、牧野修『傀儡后』(→【bk1】)入手。

4月22日(月)

折原一・霞流一・柴田よしき・泡坂妻夫『密室レシピ』(角川スニーカー文庫)(→【bk1】)読了。スニーカー文庫のミステリ・アンソロジー第3弾。テーマは密室……なのだけれど、残念ながら出来は今ひとつの作品が多いですね。
△折原一「トロイの密室」 子供だましのトリック。キャラクターの扱いも雑。
△霞流一「タワーに死す」 物理的に絶対不可能。
×柴田よしき「正太郎と冷たい方程式」 宇宙ステーションを舞台にした作品なのだけれど、これのどこが冷たい方程式なのか、小一時間(以下略)。
 ちなみに、減圧室についての以下の記述はあまりにも難解で、私には何度読み返しても理解できませんでした。
 服の内側に人間が入っても質量は変わりませんから、もともと部屋にあった物質と判断されるわけですね。しかし、ロッカーから服がはずされていないのに外から人が入り込めば、減圧室内に余分な質量が増えるので、その人は異物質として探知されます。また、服ははずされていても着ていなければ、やはり質量が増えてしまうので探知されます。
(中略)
 要するにですね、宇宙服をX、人間のからだをYとすればですね、Yがゼロ以下ではない限り、X+Y>Xなわけですが、YがゼロになるとX+Y=Xになっちゃうわけですよ。Yつまり人間が宇宙服の中に入っていれば、未登録の異物質が減圧室にいるとは認知されないわけです。
 もしかしたら、これはつまり、人間が宇宙服の中に入っていれば人間の質量はゼロになる、ということなのでしょうか。そんなバカな。
○泡坂妻夫「雪の絵画教室」 このアンソロジーの中でどれかひとつと言われればこれ。トリックはかなりムリがあるが、さすがはベテラン、全編にただよう逆説に満ちた奇妙な空気は捨てがたい。「煙の殺意」と併読すると吉。

FLASHBACK(要Shockwave)。サイケデリック! その作者、チリ生まれスウェーデン在住のダニー・ゴメス氏22歳のサイト(とても重いので注意)。作者はDMTというサイケデリック・ドラッグを使用しているらしい。

銀河ヒッチハイクガイドのゲーム。昔なつかしのテキストアドベンチャーゲームです。

4月21日()

SFオンラインさよならパーティに参加。そのあとは二次会に向かう人々と別れて、「ねこぶくろ」で猫に咬まれたり、妻の買い物が済むのを待ったり。

▼asahi.comのクイズ本のソムリエ。カルトソムリエは、SF小説に関するクイズ。私は9問正解でした。

Pierced Nipples(乳首にピアス)のページ。そんなにアダルトじゃないので安心してください。

Name-O-Meter。"Tom"とか"Betty"とか名前を入力すると、1900年代から90年代までの流行り廃りがグラフで表示されます(もちろんアメリカでのランキング)。
 ちなみに、2001年の子どもの名前トップ10は、男の子がジェイコブ、マイケル、ジョシュア、マシュー、アンドリュー、ジョセフ、ニコラス、アンソニー、タイラー、ダニエル。女の子がエミリー、ハンナ、マジソン、サマンサ、アシュレイ、サラ、エリザベス、ケイラ、アレクシス、アビゲイルだそうな。
 ちなみに2001年日本のトップ10はこちら
 わけのわからん名前が増えている日本に比べると、アメリカはかなり保守的ですね。それでもマジソンとかケイラとか、新傾向の名前も出現してきているようですが。


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